サッカーJ1浦和レッズの激動の2023シーズンが終わった。

今シーズンはスコルジャ監督の下でACL決勝を前半戦戦い、後半戦はACLグループリーグ、クラブW杯、ルヴァン杯決勝など過密日程で満身創痍の中戦い続けてJクラブ過去最多の60試合を戦い抜いた。

2022ACL 優勝という結果で2025クラブW杯出場権を獲得し、2023-2024ACL出場権を獲得したが、60試合の殆どを主力中心に戦った事で後半戦は完全にガス欠となった事で失速しリーグ4位、ルヴァン杯準優勝、クラブW杯4位、そして天皇杯ではサポーターの暴走により来季の天皇杯出場権剥奪という激動の後半戦となった。

スコルジャ監督監督が1年退任しペア マティアス ヘグモ新監督の下で再び新たなる浦和レッズのサッカーを構築する事になる。
年間60試合というJクラブ最多の試合数を戦い抜いた浦和レッズだったが、結果として考えるならばACL2022優勝という結果は非常に大きな結果でありこの優勝により2025クラブW杯出場権、2023-2024ACL出場権(プレーオフから)、2023クラブW杯出場権と3つの出場権を手にした。

リーグ戦も昨シーズンの9位から4位、ルヴァン杯は準優勝、天皇杯は4回戦敗退だったが昨シーズンよりも全体的な結果は出していたし、成績として振り返ればACL2022優勝だけで十分すぎるほどのお釣りがくるだけの結果だった。

但しシーズン通して考えた時にACL決勝まで主力を固定して戦うのは仕方なかったとしてもそれ以降も主力をほぼ固定したまま戦い続けた事により控え選手の試合勘、主力を休ませながら使う事をしなかった事は大きなマイナス点であり、これからもアジアを戦い世界を目指す上では考えを改めなければならないと痛感した。

これだけの試合数を戦うとなると主力と控えという枠組みをまずなしにしなければならないし、主力の穴埋めのための控えという考え方は捨てなければならない。誰が出場しても戦えるクラブにしていかなければ満身創痍のまま戦い続ける事になるし、何よりこれだけの試合数をしていく上で全員が戦力としてプレーできなければどんなにいい選手でも疲労を抱えたまま戦う事は難しいし、パフォーマンスも大きく低下してしまう。

今の世界的な日程だとリーグ戦でもGK位しか全試合出場するのは難しいほどフィールドプレーヤーはターンオーバーして戦う事がもう主流になりました。交代枠が3から5に増えた事で試合の流れを変えるだけの選手を休ますだけの起用も可能になった事も大きいという事です。

だたこれだけの試合数を戦う事になると戦術がクラブとして固まっているなら良いのですが、戦術が固まっていない中で新監督を迎えて戦う事になる現状のやり方を改めて考え直す必要があるという事です。

攻撃陣の起用も私にとって不満があるのはリンセン、シャルクをもっと積極的に起用してよかったのではないかと感じていますし、トップ下の選手が小泉以外は適した選手がいなかった事を踏まえるとトップ下という枠組みに拘る必要はなかったのではないかと感じます。それなら何故江坂任を放出してしまったのか?という事になってしまいます。

DMFについては伊藤敦樹と岩尾憲でほぼ固定になってしまった事で柴戸海、安居海渡が時々埋めるという状況で安居に至ってはトップ下の出場の方が多かったという戦術上守備ありきになっていた。まして岩尾については30代半ばの選手だけにそういう選手ばかりに偏った起用をしてしまった事とそういう選手が出場しなければ機能しないという状況を作ってしまった事が後半戦の失速に繋がった。

DFについてもCBはショルツ、ホイブラーテンでほぼ固定となった為に岩波拓也すら全く出番がなく、知念哲也に至っては起用も去れなかった。確かに2人のプレーは素晴らしいけれどこれを完全に固定化した事はこれだけの試合数を戦う上ではパフォーマンスの維持は事実上無理だった。

ACLにも出なかった神戸のようにほぼリーグ戦だけ戦った神戸の今季44試合ならそれでも戦えるけれど、60試合で欧州では比べものにならない長距離移動のあるアジアを戦う上ではこの起用法は完全に頂けなかった。クラブW杯で戦ったマンチェスターシティのように誰が出場しても戦えるクラブにしていかなければならないし、主力が出なければ戦えないという状況はリーグ戦でも優勝に届かない状況に陥った1つの要因でもある。

サイドバックについては酒井宏樹それ以外や本来2列目やFWの明本考浩を両サイドバックで起用するなど怪我人というアクシデントがあったとはいえこの起用法ではシーズンを持たないし、最後は関根までサイドバックをやる事になるという状況だっただけにそこまで行ってしまったら緊急事態というしかない。

ルヴァン杯6試合でも主力を出場させ続けた事も最終的にはチームを苦しめる原因にもなった訳ですが、選手の固定化がチーム力を次第に低下させるというケースが良くあるけれど、主力の故障を控えで埋めるという考え方がスコルジャ監督にあった事も正直後半戦の失速に繋がった。

攻撃陣の課題はユンカーが移籍してしまった事が全てだったと言えばそれまでですが、守備から入るのは悪い事ではないけれど2列まで守備重視にしてしまった起用法が続いた事が終盤まで得点力不足に繋がってしまった1つの要因だと感じているし、選手の固定化もこれだけの試合数では弊害となってしまった。

確かに控え選手の実力差があったから起用できなかったというのはいくらでも言い訳で言える事ですがそういう選手も起用していなければチーム力は上がらないし、選手のモチベーションも下がってしまう。終盤の浦和にはそれが見えてしまっていた。

私の場合は新潟とも契約をしているので新潟のサッカーも観ている訳ですが、新潟のサッカーは誰が出場しても新潟のサッカーができるクラブになりました。アルベルの2年間で戦術の全てを選手に植え付けた事も大きいのですが、それ以上に松橋監督に代わってからはアルベルのように選手を固定せずコロナ渦で半数以上の選手が倒れたキャンプを教訓に誰が出場しても戦えるチームにしていった。

それをリーグ戦からJ2からJ1になっても変える事なくやり続けた結果J2時代には10試合も出番のなかった選手が今季主力にまで成長したのは誰が出場してもいいチーム作りと練習から調子が良ければ起用してもらえるという練習からのモチベーションがチーム力を向上させて今季J2時代からほぼ同じ戦力でJ1で10位の結果を出している。

極端に10人総替えしてもリーグ戦を戦えるクラブにする事で多少の戦力の入れ替わりがあっても同じサッカーを続けられる土台が今の新潟にはありますし、GKという特殊なポジションを除けばどんな選手でもコンディションが悪ければ外すという方針はアジアを目指して世界を目指すならこれが今のスタンダードなのだと感じています。

よくベストメンバーの考え方というのは議論されますが、コロナ渦を経てからは私も考え方が変わって誰が出ても同じサッカーができる上で調子のよいコンディションの良い選手を起用する事がベストメンバーだというのが今の私の考え方です。

能力ある選手がベストメンバーという考え方だと疲労困憊でもベストメンバーなのか?と改めて考え直す必要はあるとこの浦和で戦った60試合の1年間とコロナでアジアを戦った昨年からの戦いで感じた事でした。

2024シーズンについては天皇杯の出場権剥奪によりリーグ戦38試合とルヴァン杯1試合の39試合が最低ラインとなりますが戦術づくり及び2025クラブW杯に向けて考えた時に私は必ずしも悪い事ではないと考えてしますし、これだけ監督が毎年交代していると戦術の構築すらできないまま戦い続けているだけに1年間は戦術を固めてリーグ戦での連戦では選手を入れ替えながら多くの選手を起用していく事でリーグ優勝を狙うシーズンになると思います。

ACLを今季優勝し来季のACLEを戦うクラブは来季から2年間地獄のような日程を戦う事になるだけにそれを考えたら1年半国内で専念してクラブW杯に向けて戦う事ができる事は悪いとは思いません。

2024シーズンも浦和レッズとの契約更新を完了し6シーズン目も浦和レッズと共に戦います。

昨シーズン同様に新潟とも契約更新しているのでリーグ戦(ルヴァン杯は新潟をサポート)ではそれぞれのホームクラブをサポートする事になりますが対戦する側の目線になると見えなかった部分も見える事を今年色々感じる事ができたので対戦した時にはその課題を持ち帰って向き合います。

2024シーズンもレッズファミリーの皆様と共に戦いますので宜しくお願い致します!




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