サッカーJ1浦和レッズの激動の2020シーズンが終わった。

今シーズンは新型コロナウイルスで無観客、5000人以下限定、最大でも24000人までしか入場する事ができずJリーグ屈指の観客動員を誇る浦和に20億の入場収入を失うという不測の事態の中で戦い続けた。

浦和3か年計画の1年目を振り返りながら来季へ向けて必要なのは何かをレビューしていきたい。
大槻監督の続投で始まり、大きな戦力補強といえばFWレオナルド、DFトーマス・デン位というほど殆どは前年からの現有戦力で戦う事になった。

その中で2020シーズンの浦和はこれまでの3バックではなく4バックにして戦うというチャレンジを敢行した。長年3バックで戦ったクラブが4バックにするには4バックに合わせた選手構成が必要なのだが、選手の入れ替えを殆どせずにやった事で無理が生じたのは否めない。

そしてさらには戦術を完全なカウンター戦術に特化させた事だ。これによって戦術に合う合わないという選手が出てきた事と戦術を遂行する上でこの選手層では難しいという側面もなかった訳ではない。

カウンター戦術にはカウンター戦術に適した選手が必要だったが、特にDMFではそういう守備力のある選手が不在でありカウンター戦術では守備力が重要視される中で2年連続得失点差マイナスという事からも守備力は全く伴わなかった。

今季の基本システムは4-2-2-2というサイドハーフを用いて2トップシステムで戦ったが、中央が得意な柏木やファブリシオなどシステムに適さずにスタメンから外れる選手も出てしまった。結果として柏木に代わるカウンター戦術に適した司令塔が不在になった事も浦和にとっては痛かった。

長年柏木を中心とした攻撃の組み立てが浦和にとっては攻撃の生命線でもあったし、ボールポゼッションのミシャの戦術から色々な脱却を図って戦ってきたが、結局戦術面では監督郊外が続いた事で定着せずこの1年大槻監督の下でカウンター戦術中心に戦ったものの、戦術そのものについては悪いとは言わないが、それに対する選手、守備力が伴わずに苦しい戦いを強いられた。

興梠、レオナルドの2トップを得点源に戦ってきたものの、シーズン途中からは戦術に合わなかったレオナルドがベンチに回る事が増えてからチームは停滞し続けた。

私はシーズン前からレオナルドはカウンター戦術では活躍するのは難しいが、ポゼッション戦術でJ2得点王になったと告げていたものだけれど、戦術に適した選手構成じゃなかったのはそれだけ選手の入れ替えがなかったからでもあり、これは浦和が多くの選手と複数年契約を行っている事と、年俸がリーグトップクラスでありベテランになるとなかなか移籍先が見つからないという事もある。

戦術がそれほど変わらないならまだ良いのだけれど、大槻監督は戦術とシステムを大幅に変更して挑んだ事を踏まえると同じ選手で戦術を機能させる事は容易じゃない事を痛感させられた1年だ。

大槻監督がやろうとしていたサッカーをするには昨年と同じメンバーだけではやはり実現する事は難しく、戦術を機能させるだけの選手を加入させてこそ機能する。その意味では大槻監督は気の毒だったと言える。特に守備面ではカウンター戦術の生命線な訳で守備力が伴わなければカウンター戦術は全く機能しないという事だ。

そして今度はリカルド・ロドリゲス監督が浦和の新たなる監督になる訳だけれど、ロドリゲス監督は新潟がJ2で戦うようになってから何度も対戦しているけれど、本当にいいサッカーをするし、ボールポゼッションでボールを支配するサッカーもできるが、一瞬の隙を逃さないサッカーもできる。その上でまず守備から整備していく監督なので今はロドリゲス監督がリクエストする選手を集めているというところだ。

システムも4バックから再び3バックに戻る可能性が高い。その上でロドリゲス監督が目指すサッカーを実現するには中央に司令塔が必要となる。徳島には岩尾というチームの中心であり司令塔が徳島を支え続けた。今の浦和には攻守にわたる司令塔が不在なだけにこの役割を誰が担うのかがポイントになる。

3-4-2-1か3-4-1-2を用いる事になるが、試合状況に応じて4バックにして戦うケースもあるだけにこれはミシャ時代にも攻撃時は4バックにして戦っていた事を踏まえると攻守でシステムを自由自在に変えるのは当然であり必ずしも3バックだけで戦う訳ではないという事だ。

ロドリゲス監督にとってはFWに興梠、レオナルドという得点力あるFWが2人いるので興梠は開幕に間に合わないけれど、レオナルドは間に合うのでロドリゲス監督の下ではレオナルドが攻撃の軸になるのは間違いない。その上で今季限りで退団となったエヴェルトンに代わるDMFを獲得できるかが問題になる。そして攻撃面ではマルティノスに代わる攻撃的MFが必要だ。

システムと戦術変更により今季ベンチ外になった選手は起用されなかった選手が起用されるケースも出てくるだろう。

そして最後に今シーズン新型コロナウイルスにより多くのレッズファミリーが埼スタに行く事ができなかった。それにより昨年23億以上あった入賞収入が20億も失うという地方クラブなら倒産規模の損失を受ける事になった。

しかしそんな窮地にレッズファミリーの皆様はクラブを残すためシーズンパスの返金をせず寄附し、クラウドファンディングで1億以上を集めるという改めて長年積み重ねてきた歴史をここで示されたと言える。もう3世代にわたるファミリーがこのクラブを支えている以上にこのクラブと共に生きているという事を改めて示される出来事だった。

来季もまだ新型コロナウイルスは続いていくけれどどんな苦しい状況でも乗り越えていくだけのファミリーがこのクラブにはいるという事を知ったシーズンでもあった。

来季はロドリゲス監督の下で再建を目指していくけれど果たしてどんな戦いを見せていくのだろうか?再びACLの舞台に立つために!