6日東京五輪2020サッカー男子決勝トーナメント3位決定戦U-24日本代表対メキシコ戦が埼玉スタジアム2002で行われ、1対3で日本はメキシコにPKを献上して先制を許すと、FKから追加点を許し、後半にもCKから3点目を許して試合がほぼ決まり、MF三苫のゴールで一矢報いたが及ばずメキシコに53年前の借りを返されて4位で五輪の戦いを終えた。

試合は前半からメキシコに押し込まれて前半11分にMF遠藤がPKを献上するとこれをMFコルドバが決めて先制を許すと、前半22分にはFKからDFバスケスにヘッドで押し込まれて2点ビハインドを背負う。前半は反撃のチャンスを外し続けて折り返した。

後半日本が2点を追って戦うも、後半13分にCKからFWベガに決められ3点差になるも、日本は最後まで諦めず攻撃を続けて迎えた後半33分にMF三苫のゴールで1点返すもこれが精一杯の攻撃だった。日本はメキシコに53年前の借りを返され、日本はメダルに届かず4位でこの大会を終えた。

欧州でプレーする選手が増えた日本の選手が集まった今回のチームは死のグループと言われたグループリーグを3戦全勝で突破して見せた事だけでもこのチームはこれまでのチームとは違っていた。

スペインにこそ延長戦で力尽きたけれど昔の日本ならチャンスすら作れずに終わっていただろうチームが可能性を示した戦いを6試合続けてきた。

そして日本に足りないのは何だったのか?と問われたらやはり1つに監督のマネージメントとしてはリーグ戦とトーナメントの戦いは違うという事だ。負けたら終わりの決勝トーナメントではスタメンがベストメンバーという概念がコロナ禍による交代枠5枠によって思考が完全に変化した。

これまで3枠しかない中で戦っていたらどのチームも主力と言える選手を起用して少ない交代枠を使って切り札を投入したが、5枠になってからはリーグ戦でもそうだったんだけれど、後半に主力を登場させて戦うチームもあった。

そうなるとわざわざスターティングメンバーからベストメンバーを組む必要性がない。本来3枠の場合ならスターティングメンバーの選手もあえてベンチスタートにする。そうする事で疲れが見えた後半に投入して疲れがあるディフェンスはフレッシュなベストな選手を止められなくなる。

スペイン戦でやられたMFアセンシオのプレーがまさにそういう起用法だった。コロナ禍による過密日程や連戦の疲れを考慮して3枠から5枠に変更されたが、ベンチ入り7人中5人を使えるというのは戦術的考え方をここまで大きく変えてしまうという事だ。

3枠のレギュレーションなら久保、堂安をスターティングメンバーで起用しても問題ないが、5枠になった事で交代しようと思うと意外と難しかったりする。それはスターティングメンバーがベストメンバーの位置づけにしている為にどうしてもベンチメンバーがスターティングメンバーより落ちる。

久保と堂安は別格だった事を踏まえればあとは言い方は良くないけれど団栗の背比べという差のない選手だった。相手からしたら後半から別格の久保、堂安が出てきた方が確実に嫌な存在だったと思うし、日本もあえて久保、堂安をベンチスタートにして後半勝負にした方が振り切れたシーンを作れた可能性はある。今後も交代枠が5枠が続くならスターティングメンバー=ベストという考え方は捨てなければならないという事をこの大会で痛感した。

次に日本の選手についてだけれど、このチームとしてGK、DF、DMFまでは遜色のないメンバーで構成され冨安の故障で板倉が起用されたが、今後の日本代表を踏まえたら板倉が3試合スターティングメンバーで経験を積めた事は大きな財産になったと思う。カタールを最後に代表を引退濃厚な吉田麻也の後釜を考えると冨安ともう1人必要だっただけに板倉がボランチ、センターバックで起用できる事がわかっただけでもA代表でも呼びたい選手の1人になったと思う。

DMFも遠藤がA代表でも不動のDMFになるのは確実なのでその相棒候補が今後選択肢になっていくが、田中碧の活躍で彼もA代表に呼べるだけの力を示したプレーだった。

問題は久保、堂安を除いた選手についてだけれど、やはりここが日本の泣き所であり、特にFWについては決定力あるFW不在という長年泣かされている日本にとってこの世代でも2列目の選手は豊富だったが、FW特に1トップができる選手が不在という世界主流の4−2−3−1での1トップ不在を結局解消する事ができなかった。

他国のFWを見ると長身であり決定力のあるFWがわんさかいる訳で、やはりFW(CF)が人材不足という問題はこの世代でも解消する事はできなかった。世界で戦う上で高さで勝負できるCFがいなければ勝負にならない。2列目の久保、堂安だけで頼っているようでは打開する事は世界トップクラスになると厳しい。

ここにかつての中村俊輔のようなFKの名手がいるのだったなら違うのだろうが、直接FKからゴールを決める事が近年難しくなっているだけにパスから崩すだけでは限度がある。決定的なシーンを決められるFWが日本に何時現れるのだろうか?この世代でも克服できずに終わった。

それでも五輪出場国で4か国しか許されない6試合を戦う事を許された4チームの内の1つなのでここまで全力で戦った事は評価できるし、この6試合で大きく成長した選手も多い。この試合に出場した選手が今後どれ位A代表に選ばれていくのか楽しみではあるが、その可能性を十二分に感じさせる選手がいた事も見逃せない。

53年前にはメキシコ五輪で3位決定戦でメキシコと対戦して2対0で勝利して銅メダルを獲得したが、今度は東京五輪の3位決定戦でメキシコと対戦し1対3で敗れた事は今後50年に1度起きる日本対メキシコの戦いになるのかもしれない。50年後は残念ながら私が生きている可能性は限りなく低いので未来に生きる人たちが見届けてほしいところだ。

ここまで6試合無観客で戦い続けた選手たちは本当に辛かったと思う。これはこの大会に出場した選手たちが1番辛かった事であり、このような事が今後しばらく続く事になるのだと思うと以前のようなスタジアムを満員にできる日が来る事を未来に託してこの五輪の戦いを終えたいところだ。

私も本来ならスタジアムで選手たちのプレーを観れるはずだっただけに、それは選手同様心残りである。それでもその場所にいなくても選手たちをサポートできるという事を示す事ができた事はレガシーとして残していきたい。