25日大相撲の貴乃花親方が日本相撲協会に引退届を提出後、都内で引退記者会見を開いた。

貴乃花親方は昨年10月に発生した元横綱の日馬富士が貴ノ岩を殴る暴力事件を発端にして日本相撲協会と対立して今年1月に理事職を解任され、3月には内閣府公益認定等委員会に告発状を提出していたが、弟子の貴公俊の不祥事により取り下げていた。

しかし日本相撲協会は「告発状は事実無根な理由に基づいてなされたもの」と結論づけられた揚げ句、認めないと親方を廃業せざるを得ないなどの有形・無形の要請を受け続けたことを貴乃花親方は告白し、8月の理事会で全ての親方は一門に属さなければならないと決定した事で貴乃花親方は何処かの一門に入らなければ27日の理事会で事実上の廃業に追い込まれる事が確実となっており、これ以上抵抗する事は貴乃花部屋に所属する力士たちは相撲を続けることが困難になるという事で日本相撲協会から退く苦渋の決断をせざる得なかった。

しかしその後日本相撲協会はこの届出を受理しないと会見し、圧力はなかったと反論した事で事態は混乱する事になぅた。

これで貴乃花親方は日本相撲協会から退く意向を示したものの日本相撲協会はこの処遇をどうするのかが今後注目される。
全ての親方は一門に属さなければならないと決定したことを知ったのは千秋楽の時に何気に観た記事がキッカケだったが、この決定は7月の理事会で決定事項にされていた事を殆どの人は知らなかった。

この事をもっと早く知られていたらこの事態は十分に想定された事だったと私は感じている。これまでの経緯からしても5つの一門のうち何処かに所属しなければならないというルールになったという事は何処にも入れなければ廃業を意味する訳であり、今の貴乃花親方が何処かの一門に入れる可能性は限りなく低かったと言わざる得ない。

そもそもが何処かの一門に属さなければならない事態本来おかしな話で、相撲は個人競技であり、部屋制の大相撲は何処かの部屋の所属力士でならないという規定はずっとあるものの、ずっと何処かの一門に属する必要などなくても本来やっていける訳です。

それが突然何処かの一門に属さなければならないと決定した事については無所属な人たちは大相撲に属する事はできないと通告されたようなものです。

どの世界にも派閥というものは存在するものの、そういう派閥に属さない無派閥という人も少なくない訳で、無所属だからと言って排除して良い事にはならない訳で、この決定はプロ野球でいうNPBに入らず直接マイナー含むMLBへ移籍した選手が3年プレーできない田沢ルール以上に酷いルールとなります。

今回の何処かの一門に属さなければならないルール決定は限りなく貴乃花親方追放ルールと言われてもしかたないものと言わざる得ませんし、会見でも語られていた「いずれかの一門に入るための条件として、告発の内容は事実無根な理由に基づいてなされたものであると認めるようにとの要請を受け続けていた」という発言からもそう捉えざる得ないと思います。

そんなルールがなければ無所属のまま弟子たちを指導し続けていけば良い訳であり、年寄になったと言っても親方として続けていく事はできた訳ですが、このままでは27日に貴乃花部屋取り潰し、貴乃花親方事実上の追放になる事は確実だった訳で遅かれ早かれ弟子たちや床山、世話人を路頭に迷わせるわけにいかないと自ら退く事と引き替えに苦渋の決断をしたという事です。

事実上の追放と自ら辞めるのでは意味が全然違う訳で、同じ辞める事になるなら妥協点は自らの首と引き替えにする以外に貴乃花親方には選択肢は残されていなかったという事です。

本来被害者側の親方である貴乃花親方が最終的には日本相撲協会を追われる事になったのは村社会の悪しき典型であり、腐った組織の腐った常識の末路と言わざる得ません。

腐った人たちしか残らない集団ってとにかく自分たちの正当性や自分たちのやった事こそ正義という主張が本当に多い。そしてそういう人たちほどとんでもない理論で圧力を掛けて自分たちの正義を主張するのは何処か見た光景ですが、もうそういう組織で闘っても末期がんでありどんな人でもどうする事もできません。

だから私は貴乃花親方がこの腐った組織を辞めるという事はある意味正解だと思いますし、この流れを見ていた人は貴乃花親方に支援の手を差し伸べる人は必ずいるはずです。

今後貴乃花親方はどんな道を歩むのかはわかりませんが、少なくても私は貴乃花親方の決断を尊重したいと思います。




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