3月17日公開の映画「わたしの幸せな結婚」を鑑賞した。

この作品は顎木あくみ原作の「わたしの幸せな結婚」を映画化した作品で、明治時代の頃を舞台に超常的な力を持つ異能者が生まれる特異な家系に生まれた者同士が政略結婚で家を継承していく中で異能者ではない女性が結婚するまで数多くの虐待を受けながらも幸せな結婚を望むも自らも異能者だった事が明らかになっていくストーリーである。

昔は家と家との繋がりを重要視されたものだが、この作品で能力を継承するためにより重視された世界として描かれている。




舞台は明治・大正時代が舞台となる訳だけれど、様々な災いから守る為に特殊な能力を持つ異能者と異能者が代々家を継承して国を守っているという世界で、異能者ではない者として生まれた女性が数多くの虐待を受けながらも生きてきた中で幸せを掴もうとする。

家と家との結婚はそれぞれの家との関係を維持する上でも重要な事であるがこの世界では特に重要視されていた。その中でこれまで何人もの女性が耐えられず逃げ出した家に嫁ぐ事になった事で運命は大きく変わっていく。

果たしてこの嫁ぎ先で本当に幸せにたどり着けるのだろうか？

キャスト＆ストーリー



結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして異能者と呼ばれる者同士が結婚する事で国を維持しているという世界だ。

異能者と言ってもその能力はそれぞれ様々であり、一概に全ての能力が万能ではない。そんな中で異能者ではない女性斎森美世は異能者でないばかりに使用人同然の虐待を受けながら育ってきた。

美世は元々母が幼い頃に亡くなった故にその後妻にいじめられているというのが事の真相であり、やはりそういう存在を鬱陶しく思うケースは良くある事だ。そしてその後妻の娘も同様に美世を執拗にいじめていた。

そんな中で美世に縁談が舞い込み、その縁談先がこれまで3日も持たずに何人も逃げ出したという冷酷無慈悲な軍人の久堂清霞という家に嫁ぐ事になった。

3日も持たずに逃げ出すほどだから相当な理由があるということなのだろうが、ここにいるよりマシと割り切った美世にとって清霞に嫁ぐ事は1つの転機となった。

最初こそ清霞に警戒されてしまうも、美世のこれまでの女性と違う姿に清霞は少しずつ心を開き始めていく。そして美世がこれまで何も経験してこなかった事を清霞が色々とさせていく事でこれまでの生活とは違う幸せを感じながら毎日を過ごしていった。

そんな美世だったが、ある悪夢に悩まされてうなされて夜も眠れない日々を送る事に清霞は美世の生い立ちを調べ始めた。

そしてそこから美世も実は異能者である事が明らかになるが、その異能は開いてはならない異能でもあった事を知る。ようやく出会えた女性と別れなければならない可能性があった。

そんな中で清霞はある騒動に巻き込まれてその収拾を図る事になるが、それを知った美世は清霞を助ける為にその場へと向かうのだった。

果たして2人はこのまま結婚する事ができるのだろうか？

結末は劇場で観てほしいけれど、能力がなければ人間の扱いをされないというのは昔で言う身分が違えばというのと同じであり、今でも少なくなってきたもののそういう差別はある。

美世も能力がないと見らえていたからこそ使用人のような扱いを受けた訳だけれど、人はそれぞれ能力が違うのは当たり前であり、そしてそれぞれ生まれた境遇も違う。

その中でそういう目で見ずに向き合えるかがこの作品でのテーマなのだと感じたりもするし、清霞も最初は警戒していたけれど、これまで逃げ出した女性と違うという事でこれまで向き合ってこなかった自分を変えてくれる人が目の前に現れたという事でもある。

確かに清霞は厳しい人ではあるが、全く人間味がない人物でもない。全てはイメージのまま対面してしまったり噂をイメージしてしまったばかりにそうなったしまったという事だ。

2人の結婚にはまだまだ試練が続く事になる。

総評として能力の有無で結婚が決まる決まらないという世界においてそういう事を関係なく向き合う事は非常に難しい事だ。その中でこれまでの自分を変えてくれる人と出会えた美世と清霞は運命の出会いだったのだと思うし、何かが違うという人と出会う事の方が人を変えてくれる可能性を高くさせるのだと感じる。





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