11月4日公開の映画「窓辺にて」を観賞した。

この映画は妻が浮気をしている事を知りながら嫉妬も怒りも覚えない事に他の人と違う感情を抱いた事で夫婦の在り方を考えていく事になるストーリーである。

長い夫婦生活をしているとお互いの感情は変わっていくものだが、浮気を知ってもなお夫婦生活を送る事について考えさせられる事だろう。




結婚しても子供がいない人の場合は夫婦生活を通じて幸せに生活する人もいればそうじゃないもいる訳で、その中で妻が不倫している事を知っても怒りを感じない自分に苦悩してしまうというのがこのストーリーだ。

果たして浮気をされた夫はどう向き合っていくのだろうか?

キャスト&ストーリー



結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとしてフリーライターの市川茂巳は編集者の妻・紗衣が浮気をしている事を知っても怒りを感じる事がなかった。

この状況についてだけれど、既に茂己と紗衣は長い夫婦生活になっている事がある。これが結婚したばかりだと浮気が発覚すれば即離婚に走るのだろうが、長く生活をしている事がこの感情を変化させていると考えるのが自然だと思う。

これで子供がいれば子供のためにという気持ちになると思うけれど、2人の間に子供がいない事でそれぞれの時間と仕事を作りながら夫婦生活を送っている。

そうなると2人でいる時間だけでなく1人でいる時間もある訳で、そういう時間が長くなればなるほどお互いの時間を尊重する事も少なくない。

2人との関係は長い時間を経た事により変化している事は間違いないところだ。

そんな中で茂己はある授賞式で会った高校生作家久保留亜に興味を持ち始めて彼女を取材しながら自分の気持ちと向き合っていく事になるのだが、留亜も付き合っている人との関係に悩み茂己に相談してくる事から2人で会って話す機会も増えていく。

そんな中で紗衣もダメだとわかりながら担当の作家と不倫関係を続けていく事になるのだが、その関係を知っているとわかった紗衣はどうして茂己が自分に怒りをぶつけないのか逆に苦しくなってしまうのだった。

結末は劇場で観てほしいけれど、時を経る事により変化する愛の形と述べた方が良いのかもしれない。2人が出会ってからかなりの月日が流れている事もそれだけ茂己が紗衣を受け入れているからこそ例え紗衣が不倫しているとしても紗衣が自分を愛しているなら受け入れてしまうだけの気持ちを持っている事に茂己自身が自覚していないという事もあるのかもしれない。

ここでは経済力についてはお互い1人でも問題ないから問われないけれど、これが普通の夫婦だと仮に夫が浮気をしたとすると即離婚!という流れになると子供を引き取ったりするとシングルとしての経済力はかなり厳しいものになる。

養育費の支払いは強制ではない事もあるけれど、やはり1人だけの経済力では暮らしていく事は難しいと言える。そうなるとそれがわかっていても経済力によって夫婦生活を続ける夫婦もあるが、そうじゃない場合は浮気をしても自分を愛している以上は夫婦を続けるという人がいるのも事実だ。

そうなった場合は例え浮気をしても浮気された方がその人に対して愛が覚めないなら続ける事ができるという判断を下すのだと解釈した方が良いと思う。

これはその人の感覚と考え方によるところが大きく同じ状況でもこのような判断をするとは限らない訳でもあるけれど、どうしたらこの状況を理解できるのかも考える事こそ本当は必要なのだと感じるのだった。

総評として2人は結局のところ離婚に至る訳だけれど、茂己が紗衣を受け入れてしまった事で紗衣自身が逆に苦しむという展開に、紗衣本人は茂己に怒ってほしかったのだという事だ。怒ったなら離婚はなかったのかはわからないが怒る事で自分自身が間違いだったという自覚を持つ事にも繋がる事を踏まえればいけない事はいけないと言えるようにしなければ夫婦生活は続けられないのだと感じるのだった。






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