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ひょんな事から水彩画の世界に飛び込むことになった青年が過去と向き合いながら水彩画の世界に魅了されていく訳だけれど、水彩画の世界は一般の世界から見るとその良さを知るには芸術的な才覚が必要な世界でもある。

それでもその世界に魅せられてから取り組む事は容易ではないものの、その世界に飛び込んだからこそ過去の自分と向き合えそして新たなる一歩を歩んでいける事もある。

果たして青年は何を感じそして向き合えたのだろうか？

キャスト



ストーリー



結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして大学生の青山霜介はアルバイトで絵画展設営現場で水墨画に関わった事からたまたま出会った水墨画の巨匠篠田湖山に声を掛けられた事から水墨画の世界に飛び込むことになる。

これははたから見たらどうして彼だったのか？となる訳だけれど、巨匠という領域の人にはそういう何かを持っている人がわかる時があるもので、霜介にそういうものを持っていると感じたという事なのだろう。

そして弟子入りしてから水墨画に向き合うのだが、いきなり描けるほど単純な世界ではない事は100も承知だが、篠田湖山にはもう1人の弟子である孫の篠田千瑛という女性がいた。彼女は若くして湖山の後継者と言われるほど注目を集めていたが、最近はスランプに陥っていた。

その千瑛も湖山から何かを教えてもらったわけではなく、湖山が見て首を縦に振って初めて湖山に認められるという感じだったようだ。そんな状況だから霜介が最初からなかなか湖山に何度もやり直しとされるのは仕方ない事でもあった。

そんな中で湖山が突然倒れた事で披露するはずだった水墨画を披露する事ができなくなり、代役が必要になったが、そこに千瑛ではなく、1番弟子であった西濱湖峰が披露する事になり、その水彩画に圧倒される。

そこから霜介は自分の過去と向き合う為に千瑛と共にあの場所へ向かう事になるが、果たして霜介は過去を乗り越えて未来へ歩む事ができるのだろうか？

結末は劇場で観てほしいけれど、水墨画の出会いから過去に失った家族と向き合うという残された霜介が過去を振り返って残された人生を生きていくために水墨画と出会ったという感じだ。そういう運命的な出会いというのは人にはあるもので、その出会いがあったから過去と向き合えたという事もある。そしてスランプに陥っていた千瑛もまた人の過去に増えた事で自分にはなかった部分を得る事ができた事で再び水墨画に向き合えるようになる。

これまでの過去を振り返る事ができなかった霜介が水墨画に出会えた事でこれからの人生の線を描いていくのだった。

総評として霜介は水墨画に出会った事で過去を受け止めてそして残された自分が生きられなかった人の分も線を描き続ける事で思いを受け継いでいく訳ですけれど、次の人生を描く上で過去を乗り越えなければ描けない線があるという事でもある。

その線を描く機会を湖山は霜介に与えた事でこれから水墨画で描いていく世界には霜介の家族の思いも描かれていく。