4月8日公開の映画「とんび」を観賞した。

この映画は重松清の小説を映画化した作品で過去にNHK、TBSでは2013年1~3月期にドラマ化された作品で妻を失った父と子がその後男手1つで息子を育てていくストーリーである。

妻を失ってから成長していく親子の姿が約2時間に収められている。




私自身9年前に連ドラ版のとんびを観ているので、ストーリーは知り尽くしているんだけれど、映画は映画で上手く纏めた作品だ。その時代で観ると観る時の経験値の差というのはどうしても出る訳だけれど、果たして令和まで続く時代にとんびはどう映るのだろうか?

キャスト




ストーリー




結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして時代は昭和37年(1962年)の広島を舞台に始まる訳だけれど、安男と美佐子が結婚し、旭が誕生する。その頃は幸せな家族だったが、美佐子が旭を庇って亡くなった事から安男はシングルファザーとなり旭を育てていくが、旭には美佐子の死について言わないままだった。

それから年月が経て中学時代に安男が旭に美佐子は自分を庇って死んだと嘘をついた事で親子関係はギクシャクして、旭が大学進学を契機に2人の生活は終わるのだった。

そこから4年以上経て再び安男と旭が再会する頃には旭に新たなる家族ができる事になり安男は揺れるのだった。果たして安男は旭の事をどう接していくのだろうか?

結末は劇場で観てほしいけれど、このストーリーは令和元年(2019年)まで描かれるんだけれど両親の愛を知らず育った安男が母親を知らずに育った旭がその後どんな家庭を築いて行ったのかも描かれる。

それは劇場で観てほしいけれど、まだ携帯が普及していなかった時代にこの作品を観るのと、今のように何時でも連絡が取れる時代に観るのでは全然違う訳だが、昭和の時代はと平成の10年までは連絡を取る事そのものがなかなか難しい時代だった訳で、観る時代によって受け止め方も違ってくるものだ。

今の携帯及びスマホが当然の時代に育った人にとっては昔は連絡も取れない中で手紙と電報、そしてどこに会えるかわからないという状況で会いに行っていた時代でもある。

そしてこの時代にはまだシングルマザーがなかなか受け入れられていなかった時代に再婚するという事の難しさなど時代を知る上では親子3代経るとその時代に生きた人たちの暮らしを知る事にもなる。

今の時代に安男のような人物はかなり受け入れられない人物になってしまう可能性もあるけれど、この時代にはそうやって子供を育てていたという事を描いているが、そういう歴史があるから今の旭の子供たちから観る祖父はまた違った印象を持つ事になるとは思う。

総評としてその時代その時代によって生きた時代の違いから今ではいけない事も当時はこれが普通だった事も少なくない事を時代背景を描く事でその時代背景を知る事ができる。

今の昭和を知らない世代がこの作品を観るとどういう受け止め方をするのかはまたその世代を生きなければわからない事でもあるけれど、この作品から伝えたい事は例え両親を知らずとも例え母親を知らずともその両親になった2人は確りと息子たちに愛情を注いでいるという事だ。

血の繋がりは関係なく子供に愛情を注ぐ事ができる事をこの作品では旭が育った環境も、そして旭の子供たちが育った環境でも受け継がれていった事を示している。





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