9月23日公開の映画「総理の夫」を観賞した。

この映画は日本で初めて女性の総理大臣が誕生した事によりその夫となってしまった男が政治に振り回される様を描いたストーリーである。

日本に女性の総理大臣が誕生した時には色々な困難が待ち構えている事を描いた作品となっている。




何時の日か日本にも女性総理大臣が誕生する事になると思うが、日本の場合は女性の国会議員が非常に少なく、更には立候補者も少ない訳でその中で総理大臣が誕生する事は容易な事ではないんですよね。今回の自民党総裁選でも高市早苗議員が総裁選に立候補しましたがやはり数の論理の中で女性総理が誕生する事は容易ではない事を感じます。

それでも何時の日か女性総理大臣が誕生する日が来るのは間違いない訳でそれは私が生きている間に実現するのかその先なのかはわかりません。でも訪れる未来を今から感じておく事は必要だ。

そんな中で女性総理大臣が誕生したというストーリーの中で当然その夫は総理大臣の夫となる訳だが、それはそれでかなり大変なのだと感じるストーリーになっている。総理の夫はいかに大変なのか?

ストーリー



結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして相馬日和は鳥類研究所で鳥類を研究する研究員として鳥の研究に没頭していた。その妻は少数野党の党首として注目される相馬凛子で連立して与野党逆転を果たした事で初の女性総理大臣となった。

今の日本の場合女性も会社の経営者や役職についている人もいるし、専業主婦として夫を支えながら選挙活動をしている人が多い。ただその逆の場合は多くは会社経営者や役職ある人が多く、日和のような家こそ御曹司だが、会社員のような立場の人は意外と少ない。

それは会社員だった夫が突然ファーストジェントルマンになるのだからそれはそれで大変な事である。そうなると要人警護の対象となり、日和は様々な行動制限をされる事になり、当然マスコミだけでなく国民からも色々な目で見られるようになる。

そうなると研究所での立場も色々難しくなり外出もできず、常に要人警護の対象なのでGPSのスマホを持たされるようになる訳で、悪い事はできないのだが、逆に誤解される事も増える訳である。

それが女性スキャンダル問題になるのだが、日和は完全な被害者的な立場でも世間はそうは見ない訳でこれを週刊誌がこぞって取り上げる事になっていくが、それ以上に難しいのは連立政権という色々な絡みある状況だ。

今も自民、公明の連立政権だが一昔前の連立政権は本当にどうにもならないほど混乱をきたしたものだが、今の連立政権は憲法改正の為の連立政権で自民党だけでも単独過半数は確保できている。しかし憲法改正には3分の2の賛成が必要なためにこの攻防が容易ではない。

そんな中で凛子も政局に巻き込まれていくが、それ以上に日和と凛子に待ち受けていたのが凛子の妊娠、出産だった。政治活動をする上で女性では避けて通れない部分ではある。実際に国会議員が妊娠、出産した事例はありますけれど、それも議員としてであり、大臣クラスではまだない。

最も大臣クラスなる頃には年齢的にも40代半ば以降なので現実的ではないのですが、それでも元々男社会の政治に女性が進出する事は色々な制度改正をしなければならない事もありますし、政治が制度設計を変えなければ当然社会の制度設計は変わりません。

今でも女性の産休制度は必ずしも今の時代に即した制度ではなく、女性は結婚したら退職して子育てに専念するという古い考えが今だに残っているのはそれだけ政治に女性が進出する人が少ないために男性側で理解する人が少ないという事があります。

最も国会議員の平均年齢を踏まえれば私ぐらいの世代が主軸となるにもあと10年以上先になる事を踏まえるとその頃まで待つのはかなり厳しいという状況です。

そう踏まえると女性の方がどんどん政治に進出して政治家として経験を積まなければ変わっていかないのもありますし、何より有権者の多くが50代以上で占められている今の人口比率を考慮すると女性は専業主婦で子育てに専念するのが当たり前みたいな世代が減らなければ難しいとも言えます。

でも最も重要な事は政治に関心を持って投票する比率を上げる事にあります。

数の論理では残念ながら40代以下は4割ほどで力はありませんが、投票率という点では世代別投票率で勝つ事はできます。人数ではなく率で勝負する事で政治家の一色を変えていく事が今の日本には重要な事なのだと感じる作品でした。

総評として女性が政治活動をするにも社会の仕組みを変えていかなければならない事を痛感する作品でもありました。でも何時の日か必ず女性が議員を多くやる時代が来るのは間違いない事であるだけに今の若き世代が政治に関心を持ってどんどん政治家になっていく事が重要なのだと感じます。

女性総理大臣が誕生した時には日本が1つの時代の変わり目になる時なのだという事です。





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