12月18日公開の映画「私をくいとめて」を観賞した。

この作品は綿矢りさ原作の「私をくいとめて」を実写化した作品で、31歳のおひとりさまライフを送る女性が頭の中に相談役とやり取りしながら日々の暮らしを送るが、そこに年下の男に恋した事でこれまでの生活が変わっていくストーリーである。

おひとりさまという人は珍しくなくなったけれど、おひとりさまだからこそうなづけるような事が多く描かれている。




わたしもおひとりさまで行動するので殆ど普段の生活の中では仕事を除くと家族以外は全く誰とも付き合う事は全くしていない。社会人になってからいつも行動するのは1人ですし、それが全然寂しくないし楽しいしそれが当たり前という感じだ。

誰かと一緒じゃなければ行動できない人もいるけれど、普段から1人でいる事の多い人にとっては誰かといるよりも1人で行動した方がしやすいものだ。

このストーリーで登場する相談役Aというもう1人の自分であるけれど、これは別に2重人格というわけではなく、自分に自分で言い聞かせているという解釈をすればよいと思う。

私も色々な事があると自分自身に言葉で言い聞かせている事もあるけれど、それを他人は独り言というけれど、言葉にして自分にこれでよいのか?と問いていると思って頂けると助かる。

そんなもう1人の自分と対話しながら送る恋の行方を見ながらレビューしていきたい。

キャスト&ストーリー




結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして黒川みつ子はおひとりさまライフを毎日楽しく暮らしている。それにはみつ子の脳内に相談役Aというもう1人の自分の存在があるからでもあった。

一人っ子の人だと何時も1人だからどうしても自分で自分に問いかける癖があるものなんだけれど、私もおひとりさまなので趣味の野球観戦、サッカー観戦、映画鑑賞など全て1人で行きますからね。ここ10年ではおひとりさま旅行もしていますから誰かと一緒に行動する事より自由度は高く、その時々で予定を変える事ができるからね。

1人で寂しくない?とよく言う人いますけれど、それは1人で楽しむ事を知らない人の言葉なので1人で楽しくいられる術を持っていれば別に1人だから楽しくない事はない。

シーズン中なんて私は開門からずっと指定席に座ってフィールドを眺めるのが好きだからね。そうやって試合が始まるまでに何がここで行われるのかというよりもどうやって埋まっていくのかという試合までの流れがルーティーンになっているほどだからね。

みつ子にもみつ子なりのルーティーンがあり、その中でどうしようかと迷うと脳内の相談役Aに相談して決定していくという形だ。

そんなみつ子の前に年下の営業マン多田くんが現れた事でみつ子の生活は少しづつ変わっていく事になる。これまでおひとりさまのルーティーンをしてきたみつ子にとって誰かと一緒に行動する事はこれまでのルーティーンを変えなければならないという事だ。

みつ子の趣味が特に変わっているというのは私は思いませんけれど、人によっては変わった趣味しているな・・・と言う人もいないとは言わないが、趣味は人それぞれであり、私も他人から見たら変わった趣味をしていると思われている感じでやっているから普段から仕事ではそういう趣味の話はあまりしませんからね。

そんなみつ子の前に現れた多田くんはみつ子の仕事先で出会った事がキッカケで次第に接する事になる訳だけれど、当初はみつ子は多田くんと付き合うのは躊躇していたが次第に多田くんとの距離を縮めていく。

そんな時にみつ子の唯一の親友である皐月に会いにイタリアまで行こうとするが、実はみつ子は大の飛行機嫌いでそれでも行こうという勇気があるのはおひとりさまで行動しているからでもあるんだけれど、誰かに会いに行く為なら苦手なものすら克服できるという事だ。

そしてそこで皐月と会ったみつ子は皐月がこの選択は本当の良かったのか?と後悔するような事を話した事で自身も多田くんとのやりとりに不安になっていくが、みつ子はそれを会社の先輩ノゾミさんによってその不安が少しづつ解消されつつあったが、みつ子は多田くんと2人だけになって更なる不安に襲われて相談役Aにこれでよいのか問いただすのだった。

結末は劇場で観てほしいけれど、おひとりさまでいる事に慣れてしまうと誰かといる事は努力しなければならないというノゾミさんの言葉はある意味納得する。1人で行動する事が当たり前だと尚更なんだけれど、誰かとペースを合わせるのって想像以上に大変な作業なのだという事だ。みつ子もそういう事をこれまでやっていなかった事からそういう事に対して慣れていないからこそ次第に不安が増殖してくる。

それまでは相談役Aがベストアンサーを与えてくれていた事でも、これまでの1人の行動はそれだけ楽しめていたからこそでもあるけれど、2人でいる事が本当に楽しめるのか?というのがみつ子の中で不安になってしまっているからこそ、本当は好きなんだけれど、その懐に入っていく事はみつ子にとっては大きな勇気が必要だという事だ。

それでも壊れそうな自分を最後で踏み留めさせたのは相談役Aの存在!それは自分自身だった。

総評としておひとりさまも悪くないけれど、2人でいる事も悪くない。みつ子もおひとりさまの良さを知りながらも、2人でいる良さもこれから知っていく事になる。2人でいる事から1度は逃げ出しそうになったみつ子をくいとめたのもまたもう1人のみつ子だった。やっぱり2人のみつ子はベストアンサーを最後に答えを出せるベストパートナーという事だ。





私をくいとめて (朝日文庫)
綿矢 りさ
朝日新聞出版
2020-02-28