11月13日公開の映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」を観賞した。

この作品はドクター・デスと名乗る医師が安楽死で数多くの人を殺している事を知った2人の刑事はドクター・デスを追っていくストーリーである。

人間寿命は人それぞれだが改めて苦しみながらも生き続ける意味を考えながら観る事になりそうだ。

安楽死殺人事件という事で健康に問題のない人を狙ったものではなく不治の病でこれ以上回復の見込みのない人を狙った殺人事件という事でこれについては安楽死という事を考えながら観ていかなければならないが、実際に日本では安楽死は認められておらず、延命治療をせずにそのまま死を待つというケースはある。

ただ患者にとってその間はとても苦しいものであり、長い苦しみの果てに知す事の是非が問われる訳だけれど、この事件はあくまで違法行為である安楽死事件を追う2人の刑事が犯人に迫っていくのだが、果たしてドクター・デスはどんな人物なのだろうか?

キャスト&ストーリー



結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして犬養隼人は腎不全で病気療養中の娘・沙耶香の回復を祈りながら事件を追う刑事だ。その相棒は高千穂明日香で暴走する犬養を止める役目だったりする。

そんな2人の前にある小学生からの通報で父親は医者に殺されたと通報があり、半信半疑のまま捜査を行うが、次第にこの通報から色々なところで安楽死と思われる事例がある事を知る事になる。

この時点で亡くなっている多くの人が既に難病で余命が長くなく、その中で苦しまずに亡くなっている事で当事者であるその家族は多くを語らない。それ故になかなか事件の真相に辿り着く事ができないままだった。

そんな中で少しづつだけれど手掛かりを掴み始めた犬飼と高千穂は犯人像を追う中で1人の人物辿り着く。その人物は以前は看護師をしていたが病院の倒産により今はバイトで生計を立てている人物だった。

しかしその人物がドクター・デスという証拠が出ずに釈放になるが、何か怪しいという事でその後監視を続ける事になった。そしてそこからこれまで口を閉ざしていた遺族の人たちが説得により次第に口を開くようになり、それぞれの証言から似顔絵を作成するがどうも共通点が掴めないままだった。

しかし高千穂が以前似顔絵を描いていた経験からそれぞれ辿り着いた共通点が特徴を掴み始めてようやく似顔絵が完成し、その似顔絵に見覚えがあるという事で犯人を追う。

そしてようやく犯人らしき人物に辿り着いた犬飼と高千穂だったが、そこで事情聴取をした先にとんでもない事実を知る事になり追っていたドクター・デスは全く違う人物である事が明らかになった。

そしてドクター・デスは犬養の弱みを掴んでいた事で娘・沙耶香を誘拐されてしまい犯人が取引を求めてきたのだった。果たしてドクター・デスの正体はどんな人物だったのだろうか?

結末は劇場で観てほしいけれど、ドクター・デスの犯行について語るよりも安楽死について考える事件なのだと思うけれど、既に長きにわたって介護をしてきている家族にとっては余命長くないと知ったならこれ以上苦しまずに死なせてあげたいという気持ちが家族にあるが、日本の法律では安楽死は認められていない。

そういう行為をして逮捕されて裁判になった医師は少なくなく、日本での安楽死は困難である。唯一認められているのは植物状態による脳死判定である。海外では認められている国もあるが、それは本当にこれ以上回復の見込みのないと医師が判断した場合のみであり、本人の意思確認ができれば本人の同意で行えるケースもあるようだ。

これは国や宗教により判断が異なる為に何が正しく何が間違いというのは難しいのが実情だ。

この事件の経緯の多くはもうこれ以上介護に耐えかねている遺族の状況や本人の耐えがたい苦痛も含まっており遺族がドクター・デスを頼ってしまった心情はわからない訳ではない。遺族にとっては介護が長きに渡ってしまうと疲れ果ててしまう訳であるし、それに対する医療費も相当な負担になる。

ただドクター・デスが最大のミスを犯したとするならそれは犬養の娘・沙耶香を殺そうとした事にあるだろう。難病の子供であるが、ドナー提供者が現れれば助かる可能性がある子なのでそういう子供に対して手を掛けた事がドクター・デスの唯一のミスと言える。

総評として安楽死事件として扱ってしまうと確かにこの事件は何十人も殺した殺人鬼という位置づけになるが、遺族が望んで殺し続けた殺人事件として捉えると果たしてこの事件が本当の殺人鬼による事件なのかはまた話が変わってくる。

遺族の苦しみから救ってくれたという気持ちが遺族にあった中でこの事件は長年表にならなかった事件であるが、誰もが事件を追っていくとこの事件の本当の根源をよく考えなければこの事件は防げたのではないかとも感じる。

もし安楽死=尊厳死が認められるならドクター・デスを頼る事はなかったのではないか?と考えてしまう事件であった。