11月1日公開の映画「マチネの終わりに」を観賞した。

この映画は平野啓一郎の長編小説で40代のクラシックギター奏者とジャーナリストとの恋が描かれるストーリーである。

40代の恋の行方は50代に向かう上での1つの人生の岐路として捉える事になるだろう。




福山雅治さんと石田ゆり子さんの2人で100歳という青春時代には憧れの存在だった2人が初共演というのは意外なのだが、これだけ月日を重ねても憧れの存在であり続けられる事は凄い事であるし、何よりも2人にここまで大きな問題もなく活動し続けている事も凄い事だ、

さてストーリーはクラシックギター奏者とジャーナリストという偶然から恋に落ちる姿を描かれるが、それ以上にこれだけの年齢になると色々な障害があるという事も知っていく事になる。果たして2人の恋の結末はいかに?

キャスト&ストーリー




結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして蒔野聡史はクラシックギターの奏者として活躍していたがある日友人の紹介で知り合ったジャーナリスト小峰洋子と出会い恋に落ちる。

洋子には当時婚約者がいたが、それでも聡史は猛アタックをして洋子の勤務先であるパリまで足を運ぶほど猛アタックをした。しかし聡史にはマネージャーの三谷早苗が思いを寄せており、マネージャーとして聡史をクラシックギター奏者として成功してほしいという思いがあった。

そんな聡史は突如クラシックギター奏者としての活動を休止する決断をする事になる。この世界何処も同じだと思うけれど、色々な事を抱えて続けて来ても時々休む必要がある。休まず活動を続ける事そのものが難しいという事だ。そんな聡史は洋子との恋でその時間を埋めようとするがその障害となったのがマネージャーの早苗だった。

聡史が師匠として仰ぐ祖父江誠一が病に倒れて駆けつける事になった事から2人はすれ違う事になる。このすれ違いが数年間の思い違いになっていくのだが、人は時として色々な事があって思いが違った方向に進んでしまう事があるという事だ。

そして数年後に2人がすれ違った原因が明らかになるにつれてまた思いを募らせていくが、既に2人には家庭があり状況が変わりながらも再び思いが繋がる事になるのだろうか?

結末は劇場で観てほしいけれど、色々な経緯があって2人はすれ違ってしまったけれど、あのまま一緒になっていたらどうなっていたのだろうか?というのはあると思うけれど、そうじゃないからこそこのストーリーの意味がある訳で、数年後には聡史にも洋子にも子供がおり子供の事で悩む洋子、聡史の妻となった早苗から事実を打ち明けられて揺れる聡史はそれぞれの状況が異なって会うからこそこの40代の恋の意味があるのだと感じる。

40代になると冒険をする年齢ではないのでやはり冒険をするには色々な事を失わなければならない。そんな2人が再び出会う時に新たなる人生の幕が上がるのだった。

総評として40代の恋は時間がないという事だ。本当に決めたら即決断しなければならないほどでなければ恋は成立しない。でも多くの40代はそのような決断をできないものだ。そんな中でも状況が変わっても恋をし続けていく事は年齢は関係ないのだと2人は教えてくれた。



マチネの終わりに (文春文庫)
平野 啓一郎
文藝春秋
2019-06-06



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