11月1日公開の映画「閉鎖病棟 それぞれの朝」(PG12指定)を観賞した。

この映画は色々な事情で入院している患者の日常が描かれた閉鎖病棟の現実を描いたストーリーである。

知的障害者や精神疾患を持つ人たちも1人の人間なのだという事を確り受け止めなければならない作品として描かれている。




色々な訳があって入院している閉鎖病棟だけれど、この病院は精神的な疾患のある人や知的障害を持つ人など様々な事情の人が入院している。人は普通に生まれてくる訳じゃないというのはこういう現実を知って健全に生まれてくる事がそれだけ奇跡であるという事でもあるけれど、それはそういう世界を知らないと解らないものだ。

そんな中で色々な事情を抱えて入院してくる中に不登校になった少女が入院してきた事によりある事件に巻き込まれる事になる。果たしてその事件の経緯とはいかなるものだったのか?

キャスト




ストーリー




結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして梶木秀丸は死刑囚として死刑になるはずだったが、まさかの死刑執行に失敗して生き延びる事になった。しかし法令上一度死刑を執行された者がもう1度死刑執行を受ける事はできない仕組みとなっており、その事実を伏せるために秀丸は閉鎖病棟に入る事になった。

確か昔欧州でスキーのジャンプ台が死刑台だった時代があるけれど、ある死刑囚がそのジャンプ台を飛んでしまった事により死刑を間逃れたという歴史があり、それにより今のスキージャンプの起源となっているという歴史もあるけれど、このような死刑執行に失敗するというのは歴史上あるという事だ。

ただ一度執行してしまった以上再執行できない法律とは意外な事実として知る事ができる。

そんな秀丸が入院する閉鎖病棟には塚本中弥という精神的に疾患を抱えた人も入院しており、そこに島崎由紀という不登校で社会適応障害を抱えた少女が入院してくる。

この施設には色々な事情により精神的な疾患を抱える人、生まれつき障害を持つ人など様々な人が入院している。そんな中で毎日の世話をする医師や看護師の方々は本当に大変な事だと思います。

そんな状況でもある程度の判断ができる中弥はそんな中で普通に買い出しに行ったりするなど様々な事で入院中の患者たちと接していた。

そんな状況で入院してきた由紀は閉ざした心を次第に取り戻していく事になるがある日事件に巻き込まれる。入院していた患者にレイプされたのだった。まあ由紀のような見た目は健全者と同じような人は逆に狙われてしまうケースがあるというのも事の難しさを示している。

ここに入院している人達は世間でいう弱者に当たるかもしれないけれど、弱者は弱者でもそれぞれの関係がある訳で、中弥のような事情で入院している場合でもそこでトラブルを起こさなければ何気ない毎日になる訳ですが、そういう精神的に安定しない人の集まりになると毎日がトラブルになってしまう。

結末は劇場で観てほしいけれど、中弥が由紀がレイプされた事により意を決した行動をする事になる。その行動については色々賛否はあるのかもしれない。しかし元々1度は死刑になるはずだった命である事を踏まえると由紀を救うためにやった行動については情状酌量の余地があるのかもしれない。

それは劇中でも描かれている事なのでそれは観た人それぞれの感じ方だと思うけれど、少なくても由紀は中弥の行動によって救われた事は間違いない。やはりそういう経験をした人はそういう存在が生きている間は不安な夜を送る事になるだろうから、その存在がいなくなったとわかったところで安心をもたらす事にはなるという事だ。

総評として色々な障害を持つ人、精神疾患を持つ人が入院する閉鎖病棟だけれど今の世の中色々な辛い事が多く大変な世界となっている。その中でもその世界で生きている人がいる事を知る事で今の置かれている状況がいかに恵まれているのか?自身が健全であるという事をいかに幸せな事なのかも感じる事が必要だ。もちろん生まれつきそういう疾患を持った人もいる事も理解する必要がある。そういう人も暮らせる世の中になっていく事こそが私たちの社会は理解していく必要があると思う。



閉鎖病棟 (新潮文庫)
帚木 蓬生
新潮社
1997-04-25

安楽病棟 (集英社文庫)
帚木 蓬生
集英社
2017-08-22