5月24日公開の映画「空母いぶき」を観賞した。この映画はかわぐちかいじ原作の漫画を実写化した作品で架空の軍事国が日本の領海に侵入して島を占拠し奪還の為に日本の空母が向かうというストーリーである。

国を守るという事はどういう事なのかをよく考える作品になるだろう。

戦後日本国内で戦闘態勢になった事はないけれど、北朝鮮などの情勢を踏まえるといつ何時戦闘状態になっても不思議はないのが今の世界である。もちろん中国の尖閣諸島問題などもあり領土を守る上で軍事力は絶対に必要という事は言うまでもないが、戦後74年経てしまった今国をどうやって守るのか?というのがなかなか理解されにくくなっている。

この作品は空母いぶきという架空の空母が日本にある事を前提としたストーリーであるが今の戦闘というのはある程度計算された戦闘である事を示されているだけに戦闘態勢になっている事を踏まえてレビューしたい。

キャスト

秋津竜太(航空機搭載型護衛艦「いぶき」艦長) 演じる西島秀俊
新波歳也(航空機搭載型護衛艦「いぶき」副長)演じる佐々木蔵之介
湧井継治(第5護衛隊群群司令)演じる藤竜也
中根和久(航空機搭載型護衛艦「いぶき」船務長)演じる村上淳
葛城政直(航空機搭載型護衛艦「いぶき」砲雷長)演じる石田法嗣
淵上晋(第92飛行群群司令)演じる戸次重幸
迫水洋平(アルバトロス隊隊長) 演じる市原隼人
柿沼正人(アルバトロス隊パイロット) 演じる平埜生成
井上明信(海幕広報室員)演じる金井勇太
浦田鉄人(護衛艦「あしたか」艦長) 演じる工藤俊作
山本修造(護衛艦「あしたか」砲雷長)演じる千葉哲也
浮船武彦(護衛艦「いそかぜ」艦長)演じる山内圭哉
岡部隼也(護衛艦「いそかぜ」砲雷長) 演じる和田正人
瀬戸斉明(護衛艦「はつゆき」艦長) 演じる玉木宏
清家博史(護衛艦「しらゆき」艦長) 演じる横田栄司
滝隆信(潜水艦「はやしお」艦長)演じる高嶋政宏
有澤満彦(潜水艦「はやしお」船務長) 演じる堂珍嘉邦
大村正則(RF-4EJ偵察機ナビゲーター)演じる袴田吉彦
備前島健(RF-4EJ偵察機パイロット)演じる渡辺邦斗

垂水慶一郎(内閣総理大臣)演じる佐藤浩市
石渡俊通(内閣官房長官)演じる益岡徹
城山宗介(副総理兼外務大臣) 演じる中村育二
沢崎勇作(外務省アジア大洋州局局長) 演じる吉田栄作
赤司徹(外務省アジア大洋州局局員) 演じる三浦誠己

本多裕子(ネットニュース記者)演じる本田翼
田中俊一(大手新聞のベテラン記者)演じる小倉久寛

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

20XX年の日本。日本の最南端沖で国籍不明の漁船20隻が突然発砲、日本の領土である波留間群島の一部が占領され、海保隊員が拘束される事態が発生する。未曾有の緊張感に包まれる中、政府は初の航空機搭載型護衛艦「いぶき」を中心とした護衛艦群を現場に派遣することを決める。空がうっすらと白み始めた午前6時23分。この運命の一瞬から、日本はこれまで経験したことのない一日を迎える。極限の緊張状態の中、最前線の自衛官はどうするのか……。

結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして本の最南端沖で国籍不明の漁船20隻が突然発砲、日本の領土である波留間群島の一部が占領され、海保隊員が拘束される事態が発生する。という状況から空母いぶきは救助の為に向かうという事になる。

これだけ領海が広い日本にとってこれだけの範囲を守る為にはやはり空母は必要というのはわかるし、何よりも相手が攻撃して来た時に反撃できる力が無ければ国を守る事はできない。70年前の戦争はどちらかと言うと人員を必要としたが、今の戦闘はミサイルや戦闘機を中心とした戦闘になってしまうので人間同士が銃を打ち合うというよりも来たミサイルをどう迎撃するか?ということが焦点となる。

政府もギリギリの範囲で戦闘回避のために奮闘するが正直なところ仕掛けてくる相手に対して交渉の余地があるなら最初から戦闘にならない訳で話し合いで解決する問題ばかりではない。

今回登場する軍事国家という架空の国はISのような相手と捉えると解り易いかもしれない。国連が国として認めていないが自ら国を名乗ろうとする相手である。そしてどうしてこれだけ短期間の間に武器や兵器が揃うのか?と捉えるとこの世界は何処かで武器や兵器を売る商人がいるという事だ。

ISだってそういう相手がいるからこそ自ら国を名乗った訳で戦闘機や空母などを保有する事はそれだけどこかの後ろ盾があるからできると捉えるとこの話あながちない話ではないという事だ。

原作では中国が相手という事になっているらしいが、いま中国の物量を相手に戦闘になったらどちらもかなり大きなダメージを追う程になるだろうから日本も中国もそんな不毛な戦闘をする選択肢は持たない。

こういうテロリスト的な集団が日本を襲うという事は十分考えられる事だという事だ。これだけの軍備をしている相手に対して当然躊躇していたら自らも犠牲者を出す事になる訳だが、この作品では長年戦闘になった事のない国らしく攻撃する事に躊躇するシーンが多く描かれている。ただ忘れてはいけないのは戦争戦闘になった場合は日本では自衛隊に当たる人になるが相手を殺したとしても罪に問われない。戦争は元々人を殺す事も前提にされているので軍人がそういう行為を行う事は認められている。

もちろん民間人がそういう事をしてはならないのは言うまでもないが、戦闘状態になった時には躊躇いは捨てないと犠牲者を出すという事だ。そして戦闘シーンについては戦闘航空機とミサイルと主砲が殆どであり、そのコントロールはCICや艦橋で行われる。なのでどうしてもミサイルの発射や手法の発射位しか映像にないのはそういうのが今の戦闘だという事だ。

唯一戦闘機による戦闘シーンはあるけれど、これも無傷で戦闘する事はほぼ不可能な訳で相当訓練をされたパイロットでない限り被弾せず帰還できる状況にないとも言える。

1度戦闘になってしまったらその終わりはそれだけの軍事力がない限り終わらないという事である。

結末は劇場で観てほしいけれど、この中では平和な日本がパニックになるシーンも描かれているが、戦闘とは無縁の人たちと戦闘に巻き込まれている人達との違いを描く上で描いたのだろうが正直なところ両極端な描き方をする必要があったのだろうか?とも感じる。それだけ今の日本が平和ボケをしている現実を描きたかったのだろうが、本当の戦闘になったらそんな状況にならないと感じるのだった。

総評として今の戦闘は殆どミサイルや戦闘機の性能で勝敗が決まる時代だという事だ。日本はそれだけの武器や兵器を備えている訳であり、これもアメリカとの同盟関係があるからこそ成り立っている事を忘れてはならない。もし自国だけで守ろうとするとなれば間違いなく物量に勝った国に敗北するだろう。アメリカとの同盟により日本が守られている事を今一度真剣に考える時なのだと感じる。