2月15日公開の映画「半世界」を観賞した。

この映画は地方都市で炭火職人として働く中年の男性が故郷に戻ってきた男性と共にこれからの人生を向き合っていくストーリーである。人生の半分を折り返そうとする中で何を感じ何を見ていく事になるのか?




人生の半分を折り返した中で見るとこの作品の見え方が違ってくるとは思いますが、私ももう半分を折り返しているだけにこれからの残りの人生をどう向き合っていくのか?というのがあります。そんな中で田舎で育った親友の3人が久しぶりに再会した事で残りの人生を向き合う事になる訳ですが、その中で3人がそれぞれのその後を考えさせられていく中で起きる不測の事態に何を思うのか?

キャスト

高村紘演じる稲垣吾郎
沖山瑛介演じる長谷川博己
高村初乃演じる池脇千鶴
岩井光彦演じる渋川清彦
岩井麻里演じる竹内都子
高村明演じる杉田雷麟
奈月演じる菅原あき
藤吉郎演じる牧口元美
池田演じる信太昌之
津山演じる堀部圭亮
大谷吉晴演じる小野武彦
岩井為夫演じる石橋蓮司

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

「こんなこと、ひとりでやってきたのか」。山中の炭焼き窯で備長炭を製炭し生計を立てている紘は、突然帰ってきた中学からの旧友で元自衛官の瑛介から、そう驚かれる。何となく父から継いだ紘にとって、ただやり過ごすだけだったこの仕事。けれど仕事を理由に家のことは妻・初乃に任せっぱなし。それが仲間の帰還と、もう一人の同級生・光彦の「おまえ、明に関心もってないだろ。それがあいつにもバレてんだよ」という鋭い言葉で、仕事だけでなく、反抗期の息子・明に無関心だったことにも気づかされる。やがて、瑛介の抱える過去を知った紘は、仕事や家族と真剣に向き合う決意をするが…。

結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして田舎で炭火職人をする高村紘は何もない田舎で毎日備長炭の製炭をしていた。そんな中で突然戻ってきた元自衛官の旧友である沖山瑛介と再会する事になる。ずっと田舎暮らしをしていた紘と海外まで行って厳しい戦場も経験した瑛介とでは当然価値観が違うのは必然だったが、そんな中でもう1人の旧友である岩井光彦と共に酒を飲んでこれまでの人生を振り返る。

突然の旧友との再会により当然昔のあの頃の話をするようになる訳だけれど、人によっては昔を思い出したくない人もいますからね。そんな中で紘には中学生の息子がおり、もうすぐ中学卒業を控えていたが、反抗期の息子に対して紘は無関心な態度を取っていた。

それを外から見ていると完全に態度がバレバレというのがあり、更には今の仕事である炭火職人の仕事も瑛介に手伝ってもらった事でこの仕事の大変さを初めて他人から感想を述べられて初めてこの仕事の大変さがわかるというものでもあった。

1人でずっとやってくるとこれが当たり前と思う事でも、他人が入る事によりこの仕事がどれだけ大変なのかを知っていく訳であり、紘の仕事がいかに大変な仕事であるかという事を知っていく。しかし時代と共に備長炭の需要は減っていき経営的にも苦しい状況にあった。そんな状況でも妻の初乃は懸命に支えようと奔走する。どうしても成り手のいない産業は後継者不足や需要不足により無くなっていく産業は少なくありません。

それにこの田舎で仕事を見つける事がどれだけ大変なのかも瑛介のケースで良く分かる訳で、旧友を頼らなければ生活もできないほど田舎で仕事をする難しさが描かれています。そして田舎だからこそ色々と人間関係の面倒さも描かれていく訳であり、人の多いところでは起きない事でも人の少ない場所だと別の意味で息苦しさがあります。

そんなこれからの人生を見つめている時に紘の身に異変が起きてしまいます。果たしてその先に見る世界とはどんな世界なのか?

結末は劇場で観てほしいけれど、この年齢になってくると突然亡くなる人もいる訳で、私の身近でも突然亡くなってしまった人もいます。数日前まで全然元気にしていた人が突然亡くなるというのは人生の半分を折り返すと必ず迎える事態であり、改めてそういう時に人生の今後について考えるようになる訳です。残された人生はそう長くないという事を・・・そんな中でこれからの人生をそれぞれ見つめていく上でこれまでの人生は何だったのか?という事を振り返る時間が必ず来るという事です。

特に田舎を故郷とする人にとっては何時の日か故郷と向き合わないといけない日が来ます。そんな時これまでの人生を振り返る時間が必要なのだという事です。

総評としてストーリーの終盤は色々な意味でこれまでの人生を考えさせられるシーンになると思いますが人生の半分を過ぎた時に見える世界は人生の半分を折り返す前の世界とは少し違って見えるものです。これまでの人生を振り返る事でこれからの残された人生をどう向き合っていくのかを改めて考える作品だったと思います。




半世界 (キノブックス文庫)
豊田美加
キノブックス
2018-12-09


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