2月1日公開の映画「七つの会議」を観賞した。
この映画は池井戸潤原作の「七つの会議」を映画化した作品で、ある中堅の電機メーカーが不祥事隠しにより不祥事を隠している事を感じた社員が自らの行動により不祥事を暴いていくストーリーである。
不祥事の先に見るのは日本の悪しき隠蔽体質から抜け出せない企業の利権を守るための決断できない人たちの姿だった。
企業の隠蔽体質はどの企業にもあるものだけれど、その隠蔽体質を暴こうとする社員が立ち向かった事によりこの隠蔽した先には取り返しのつかない事態が待ち構えていた。物事には確かに利益を出さなければならないという側面はあるにせよその前にお客への安全と信頼がなければ成り立たないという事を置き去りにされて成り立っているケースも少なくない。
その中でこれはおかしいと言えない企業ほど隠蔽体質になっていく事になるのだが、果たして不祥事の先にみる隠蔽体質の姿とはどんなものだったのか?
キャスト
八角民夫演じる野村萬斎
北川誠演じる香川照之
原島万二演じる及川光博
坂戸宣彦演じる片岡愛之助
三沢逸郎演じる音尾琢真
新田雄介演じる藤森慎吾
浜本優衣演じる朝倉あき
佐野健一郎演じる岡田浩暉
田部演じる木下ほうか
淑子演じる吉田羊
三沢奈々子演じる土屋太鳳
奈倉翔平演じる小泉孝太郎
星野演じる溝端淳平
飯山高実演じる春風亭昇太
江木恒彦 演じる立川談春
加茂田久司演じる勝村政信
村西京助演じる世良公則
梨田元就演じる鹿賀丈史
宮野和広演じる橋爪功
徳山郁夫演じる北大路欣也
他多数のキャストでストーリーが進行する。
ストーリー
東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、ノルマの最低限しか果たさず、営業会議でも傍観しているだけの、いわゆるぐうたら社員。課長の坂戸はその怠惰ぶりを叱責するが、八角はただ飄々と毎日を送っていた。一方、社内で絶対的存在の営業部長・北川誠は結果第一主義の方針を掲げ、営業部員たちは寝る間を惜しんで働いていた。そんなある日、突然、坂戸がパワハラで訴えられ異動となる。代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任する。
結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして一部上場企業の子会社である中堅の電機メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫はぐうたら社員として一課のお荷物と見られていた。
しかしどういう訳か結果を出す一課に在籍し、処分も受けない事に疑問を持つ社員が多いのも事実だった。残業もせず定時に上がり、さらには有給休暇の権利を平然と行使するという多忙を極める営業課においては異色の存在だった。営業二課で成績が上がらない事で苦しんでいた原島万二は何時も北川誠部長から叱責を受ける日々に耐えかねる毎日を送るとは対照的だった。
そんなある日に営業一課の坂戸宣彦課長が八角係長と対立し八角係長からパワハラで訴えられて更迭人事をされる事態となり、その後任に何故か結果を出していなかった営業二課課長原島が一課の課長に就任する事になりこれはおかしいと感じるようになった。
坂戸課長は営業成績は優秀だったにもかかわらずパワハラで更迭されるという事態に原島課長もこれはどうなっているのか?と引継ぎを受けた女子社員浜本優衣から色々聞き出す。しかし浜本もまた色々おかしいと思いながら調べる事ができずにいた。
今の会社でパワハラで更迭されるケースは必ずしも珍しくないが、ぐうたら社員である八角に仕事態度を注意しただけでパワハラと突きつけられて更迭される事は確かに客観的に見てもおかしいと思う訳だ。
その上で八角係長は以前契約していたねじ製造会社と再び契約をするという事でその上で経費も更に他の会社よりも使っている事を経理課が問題視した事によりさらに八角係長が怪しいという事になり、原島課長と浜本は八角係長を調べ始める。
そこでわかったのは八角係長は以前は優秀な社員として成績抜群の営業マンだった事を知る。しかしある時を境にぐうたら社員となり今に至っている。そんな中で経理の担当者が再び更迭されるという不可思議な人事が起きた事によりこの事件は八角係長が絡んでいる事だけは確かだという事だった。
この時点では八角係長がどういう関わりがあるのかというのがわからないままだったが、ねじ会社との契約を踏まえた時に原島課長はある出来事を思い出した。会議の時に原島係長は椅子に座ろうとした時に椅子が壊れた事があり、その時に北川部長と八角係長の顔はどうも様子がおかしかった。さらには八角係長が横領を疑ったものの住んでいるアパートはとても横領しているようには見えない事で原島課長と浜本は以前使用していたねじに何かが隠されている事に気づいた。
調べると以前使用していた会社になってからクレームが多数寄せられている事を突き止めた。以前の会社では殆ど起きていなかったが、坂戸課長が就任してからねじ会社を変えてからクレームが多発するようになっていた。
この件はねじ会社にカギがあるという事で原島課長と浜本は前に使用していたねじ会社の製品を保管する工場へ向かったのだった。そこへ向かった2人だったがそれに気づいた八角係長が追いかけてきた事で2人はねじを持ち出して耐久性を調べる研究室へと向かった。そこでわかったのはねじの耐久性が基準を満たしていなかった事だった。
そしてそこに八角係長が現れてこれらのねじは全て基準を満たさないねじだという事を告げられて、八角係長は上層部からの指示により密かにこの件を調べていた事を告げられたのだった。
耐久基準に満たさないねじを使っていた事を調べていた事と、それを密かに動いていた事で八角係長どうして坂戸課長が更迭され、経理課の社員が飛ばされたのか?というのはその事態に気づいた者たちだったという事だった。
問題はここからなのですけれどこの事態を公表するのか否か?というのは会社判断になり八角係長の判断ではないという事です。通常であれば確実にこの事がどういう事なのかは想像できる訳ですが、多くのねじは公共交通機関に使われているという事でリコールを出せば多額の費用で会社そのものが吹っ飛ぶという状況でした。
それでも公表しリコールを宣言するように進言する八角係長だったが、社長の宮野和広がこの件を隠蔽する!という事を告げて八角係長は裏切られたのだった。
裏切られた八角係長はここから原島課長と浜本と共にこの件を親会社に申告すべく動き出していくのだった。果たしてこの件は親会社に申告するまでにどんな大逆転劇があるのだろうか?
結末は劇場で観てほしいけれど、八角係長はぐうたら社員であるというのは表の顔であり、裏の顔は凄腕の始末屋であったという事だ。そうでなければ社長や部長に繋がらない訳で、この事実を知った事によりどうやって後始末をするのか?という所にあったのも事実である。
そしてそれに至るまでの過程が今回の不祥事に繋がったという事を3人で暴いていく訳だけれど、連結子会社というのは親会社のノルマの厳しさに対して苦境に立たされている訳で、その体質は必ずどこかでできてしまうものだ。
この企業体質はどの会社にも存在するけれど、企業体質を大きく変える事は本当に大変な事だ。特に何もないところから始めた会社というのは歴史になるまではどんな事でも融通が利くけれど、これが10年、20年を経てしまうとこれが歴史と伝統になってしまう。私も経験しているからわかるんだけれど、10年以上の歴史を経たところにトップに就任するとそれまでの形を残しつつ変革を行わなければならないが、歴史を1度作った事が常識となってしまい変える事が旧勢力に阻まれる事が少なくない。
そうなると当然衝突が起きる訳であり、事を進めるには旧勢力を切るしかなくなってしまう事も生じる。やりたい事をやる為にはそれに対して理解を得られる人を残してそうじゃない人を残さないというのが1番成功しやすい訳だけれど、会社というのはそう簡単に行かない訳でそういう人たちを人事として異動させて対応するなど苦心するケースは多い。
八角も変えようとしたものの結局のところ理解を得られずに旧態依然の勢力に押し切られかけてしまったという事だ。理解を得られないと変革は難しいという事を知っているとそれを理解しながら立ち回る事に終始するのが会社員の辛いところです。
総評として八角も悪いという事を変えようと動いたが伝統という旧態依然の考え方と対峙しなければならなかった。この問題を解決する為には力ある者が加わらなければ解決しないと最終手段に動く訳だけれど、例え会社を潰す事になったとしても多くの命と利益を守る為ならそれは仕方ない事だと思うし、事故が起きた後では遅いという事を最終的には八角は最大の力を利用して成し遂げていくのだった。
この映画は池井戸潤原作の「七つの会議」を映画化した作品で、ある中堅の電機メーカーが不祥事隠しにより不祥事を隠している事を感じた社員が自らの行動により不祥事を暴いていくストーリーである。
不祥事の先に見るのは日本の悪しき隠蔽体質から抜け出せない企業の利権を守るための決断できない人たちの姿だった。
企業の隠蔽体質はどの企業にもあるものだけれど、その隠蔽体質を暴こうとする社員が立ち向かった事によりこの隠蔽した先には取り返しのつかない事態が待ち構えていた。物事には確かに利益を出さなければならないという側面はあるにせよその前にお客への安全と信頼がなければ成り立たないという事を置き去りにされて成り立っているケースも少なくない。
その中でこれはおかしいと言えない企業ほど隠蔽体質になっていく事になるのだが、果たして不祥事の先にみる隠蔽体質の姿とはどんなものだったのか?
キャスト
八角民夫演じる野村萬斎
北川誠演じる香川照之
原島万二演じる及川光博
坂戸宣彦演じる片岡愛之助
三沢逸郎演じる音尾琢真
新田雄介演じる藤森慎吾
浜本優衣演じる朝倉あき
佐野健一郎演じる岡田浩暉
田部演じる木下ほうか
淑子演じる吉田羊
三沢奈々子演じる土屋太鳳
奈倉翔平演じる小泉孝太郎
星野演じる溝端淳平
飯山高実演じる春風亭昇太
江木恒彦 演じる立川談春
加茂田久司演じる勝村政信
村西京助演じる世良公則
梨田元就演じる鹿賀丈史
宮野和広演じる橋爪功
徳山郁夫演じる北大路欣也
他多数のキャストでストーリーが進行する。
ストーリー
東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、ノルマの最低限しか果たさず、営業会議でも傍観しているだけの、いわゆるぐうたら社員。課長の坂戸はその怠惰ぶりを叱責するが、八角はただ飄々と毎日を送っていた。一方、社内で絶対的存在の営業部長・北川誠は結果第一主義の方針を掲げ、営業部員たちは寝る間を惜しんで働いていた。そんなある日、突然、坂戸がパワハラで訴えられ異動となる。代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任する。
結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして一部上場企業の子会社である中堅の電機メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫はぐうたら社員として一課のお荷物と見られていた。
しかしどういう訳か結果を出す一課に在籍し、処分も受けない事に疑問を持つ社員が多いのも事実だった。残業もせず定時に上がり、さらには有給休暇の権利を平然と行使するという多忙を極める営業課においては異色の存在だった。営業二課で成績が上がらない事で苦しんでいた原島万二は何時も北川誠部長から叱責を受ける日々に耐えかねる毎日を送るとは対照的だった。
そんなある日に営業一課の坂戸宣彦課長が八角係長と対立し八角係長からパワハラで訴えられて更迭人事をされる事態となり、その後任に何故か結果を出していなかった営業二課課長原島が一課の課長に就任する事になりこれはおかしいと感じるようになった。
坂戸課長は営業成績は優秀だったにもかかわらずパワハラで更迭されるという事態に原島課長もこれはどうなっているのか?と引継ぎを受けた女子社員浜本優衣から色々聞き出す。しかし浜本もまた色々おかしいと思いながら調べる事ができずにいた。
今の会社でパワハラで更迭されるケースは必ずしも珍しくないが、ぐうたら社員である八角に仕事態度を注意しただけでパワハラと突きつけられて更迭される事は確かに客観的に見てもおかしいと思う訳だ。
その上で八角係長は以前契約していたねじ製造会社と再び契約をするという事でその上で経費も更に他の会社よりも使っている事を経理課が問題視した事によりさらに八角係長が怪しいという事になり、原島課長と浜本は八角係長を調べ始める。
そこでわかったのは八角係長は以前は優秀な社員として成績抜群の営業マンだった事を知る。しかしある時を境にぐうたら社員となり今に至っている。そんな中で経理の担当者が再び更迭されるという不可思議な人事が起きた事によりこの事件は八角係長が絡んでいる事だけは確かだという事だった。
この時点では八角係長がどういう関わりがあるのかというのがわからないままだったが、ねじ会社との契約を踏まえた時に原島課長はある出来事を思い出した。会議の時に原島係長は椅子に座ろうとした時に椅子が壊れた事があり、その時に北川部長と八角係長の顔はどうも様子がおかしかった。さらには八角係長が横領を疑ったものの住んでいるアパートはとても横領しているようには見えない事で原島課長と浜本は以前使用していたねじに何かが隠されている事に気づいた。
調べると以前使用していた会社になってからクレームが多数寄せられている事を突き止めた。以前の会社では殆ど起きていなかったが、坂戸課長が就任してからねじ会社を変えてからクレームが多発するようになっていた。
この件はねじ会社にカギがあるという事で原島課長と浜本は前に使用していたねじ会社の製品を保管する工場へ向かったのだった。そこへ向かった2人だったがそれに気づいた八角係長が追いかけてきた事で2人はねじを持ち出して耐久性を調べる研究室へと向かった。そこでわかったのはねじの耐久性が基準を満たしていなかった事だった。
そしてそこに八角係長が現れてこれらのねじは全て基準を満たさないねじだという事を告げられて、八角係長は上層部からの指示により密かにこの件を調べていた事を告げられたのだった。
耐久基準に満たさないねじを使っていた事を調べていた事と、それを密かに動いていた事で八角係長どうして坂戸課長が更迭され、経理課の社員が飛ばされたのか?というのはその事態に気づいた者たちだったという事だった。
問題はここからなのですけれどこの事態を公表するのか否か?というのは会社判断になり八角係長の判断ではないという事です。通常であれば確実にこの事がどういう事なのかは想像できる訳ですが、多くのねじは公共交通機関に使われているという事でリコールを出せば多額の費用で会社そのものが吹っ飛ぶという状況でした。
それでも公表しリコールを宣言するように進言する八角係長だったが、社長の宮野和広がこの件を隠蔽する!という事を告げて八角係長は裏切られたのだった。
裏切られた八角係長はここから原島課長と浜本と共にこの件を親会社に申告すべく動き出していくのだった。果たしてこの件は親会社に申告するまでにどんな大逆転劇があるのだろうか?
結末は劇場で観てほしいけれど、八角係長はぐうたら社員であるというのは表の顔であり、裏の顔は凄腕の始末屋であったという事だ。そうでなければ社長や部長に繋がらない訳で、この事実を知った事によりどうやって後始末をするのか?という所にあったのも事実である。
そしてそれに至るまでの過程が今回の不祥事に繋がったという事を3人で暴いていく訳だけれど、連結子会社というのは親会社のノルマの厳しさに対して苦境に立たされている訳で、その体質は必ずどこかでできてしまうものだ。
この企業体質はどの会社にも存在するけれど、企業体質を大きく変える事は本当に大変な事だ。特に何もないところから始めた会社というのは歴史になるまではどんな事でも融通が利くけれど、これが10年、20年を経てしまうとこれが歴史と伝統になってしまう。私も経験しているからわかるんだけれど、10年以上の歴史を経たところにトップに就任するとそれまでの形を残しつつ変革を行わなければならないが、歴史を1度作った事が常識となってしまい変える事が旧勢力に阻まれる事が少なくない。
そうなると当然衝突が起きる訳であり、事を進めるには旧勢力を切るしかなくなってしまう事も生じる。やりたい事をやる為にはそれに対して理解を得られる人を残してそうじゃない人を残さないというのが1番成功しやすい訳だけれど、会社というのはそう簡単に行かない訳でそういう人たちを人事として異動させて対応するなど苦心するケースは多い。
八角も変えようとしたものの結局のところ理解を得られずに旧態依然の勢力に押し切られかけてしまったという事だ。理解を得られないと変革は難しいという事を知っているとそれを理解しながら立ち回る事に終始するのが会社員の辛いところです。
総評として八角も悪いという事を変えようと動いたが伝統という旧態依然の考え方と対峙しなければならなかった。この問題を解決する為には力ある者が加わらなければ解決しないと最終手段に動く訳だけれど、例え会社を潰す事になったとしても多くの命と利益を守る為ならそれは仕方ない事だと思うし、事故が起きた後では遅いという事を最終的には八角は最大の力を利用して成し遂げていくのだった。