10月5日公開の映画「パーフェクトワールド 君といる奇跡」を観賞した。

この作品は事故で車いす生活となった憧れの先輩に付き添う女性が色々な苦難を乗り越えていくストーリーである。車いす生活の大変さを考えると簡単な決断ができないという事も踏まえないといけない。

ある日突然車いす生活になるというのは想像できる事ではないけれど、これは誰にでも有り得る話と捉えなければならないのだと思います。

今年はアイドルの猪狩ともかさんが看板の下敷きになって車いす生活になってしまう事故があったのが記憶に新しいところですが、相当なリハビリと相当な訓練をしないと普通の生活に戻ることは容易じゃないという事は確かです。

そういう人を生涯付き添っていく事がどれだけ大変な事なのかも踏まえていかないといけないと思いますし、その上でこの作品を観ていると少し現実をあまり描いていないのではないか?と感じるところもある訳です。

その点も踏まえてレビューしていきたいと思います。

キャスト

鮎川樹演じる岩田剛典
川奈つぐみ演じる杉咲花
是枝洋貴演じる須賀健太
長沢葵演じる芦名星
渡辺剛演じるマギー
雪村美姫演じる大政絢
川奈咲子演じる伊藤かずえ
川奈元久演じる小市慢太郎
鮎川文乃演じる財前直見

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

インテリアコーディネーターの川奈つぐみは、高校時代の初恋の先輩・鮎川樹に7年ぶりに再会する。しかし彼は、大学生の時に事故にあい、車イスに乗る生活を送っていた。最初は戸惑うつぐみだったが、建築士として前向きに生きる樹と触れ合う中、彼への想いを再び募らせていく。そして、つぐみのひたむきでまっぐすな想いに、一人で一生生きていくと頑なだった樹も心を開いていく。一緒にいる幸せを見つけた二人だったが、やがてある事件が起き…。

結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして高校時代の初恋の先輩である鮎川樹と7年ぶりに再会した後輩の川奈つぐみは再会して車いす生活を送る樹に最初は戸惑った。

しかし猛勉強の末に一級建築士を取得し、今は建築士として働く樹の姿に高校時代の惹かれた樹そのままだと感じたつぐみは仕事を通じて樹と接していく。

憧れの先輩だったからこそという部分があると思うけれど、そんな樹には高校時代から付き合っていた彼女がいたのですが、事故によって別れていたという事が後に描かれています。別れた理由は樹が車いす生活を送る事になったからであり、そんな状況では結婚はできないという事を樹は自覚していたからこそ自ら別れを選択していたのだ。

確かに健全者と障害者では全然生活が違うのは当然であり、いくら長年付き合った彼女でもそんな苦労を掛けたくないという気持ちは樹じゃなくても十分あったと思います。

ここでつぐみが樹と付き合い始める訳ですけれど、正直なところつぐみ自身が樹の介護補助がどれほど大変なのか?という事を実はこの作品ってあまり描かれていない部分が多いと感じています。

ストーリーがラブストーリーという要素もあるのですが、もっと現実を受け止めた上で描いた方が良かったのではないか?と感じてしまうんですよね。樹の車いす生活の姿についてはこれは外から見ると大変そうだなとは映りますが、外で見える部分とそうじゃない部分はある訳ですが、この作品は外でしか見えない部分を中心に描いているんですよね。

つぐみが樹と結ばれていく中で当然両親にも結婚を反対されていく訳ですけれど、それは娘が苦労する事を思ってというのは十分理解できる事です。これについては両親として間違った考えではありませんし、そういう受け止め方をする人は多いと思います。

問題はつぐみ自身が樹の介護補助をするシーンがあまりないという事なんですよね。それは車いすを押すとかいうシーンではなく、そうでないところが本当は介護補助をするシーンを描かないと本当の大変さが伝わらないのだと感じます。

約2時間の作品ですが、つぐみが樹の介護補助がどれだけ大変なのか?という事を感じているシーンが見えないというのがちょっと残念なのかなと感じます。昨年も障害や後遺症を負った人を描いた作品を観ましたけれど、もっと壮絶に描かれていただけにもう少しつぐみが樹の介護補助がどれだけ大変なのかを描いてほしかったというのが正直な気持ちです。

それでもつぐみが樹と一生付き添っていくという気持ちを描いたという点においては家族の反対を押し切ってもという心境までを描いた点では良かったと思いますし、樹とこれからも生きていくという事が相当な覚悟がないといけないという事はつぐみ自身をわかって決断した事だというのは間違いありません。

総評としてつぐみは樹と最終的には結婚していく訳ですが、本当に大変なのは結婚した後の生活にある事を忘れてはいけません。結婚がゴールではないという事です。ここからが本当の大変な生活が待っているという事をつぐみも生活を通じて知っていくのだと思います。

それが樹が亡くなるまで続いていくという事を忘れてはなりませんし、そういう生活が普通と思う位ではないと続ける事は難しいという事が現実にあるという事です。