11月23日公開の映画「火花」を観賞した。この映画は又吉直樹原作の火花を映画化した作品でお笑い芸人として頂点を目指した2人の芸人の夢と現実を追い続けた10年間のストーリーである。

芸人として10年以上活動する事がいかに難しいのかを良く描かれた作品として観ると良いと思います。

お笑い芸人は本当に安いギャラで頂点を目指していく訳だけれど、相当なお笑い好きな人じゃない限りこの世界で成功する人はほんの一握りであり、多くの人は志半ばでこの世界から去っていく。


去ってしまう理由は様々だけれど売れない芸人の多くはバイトをしながら続けている人が殆どだという現実だ。実家が相当余裕がない限りはは・・・その中でお笑いの世界でもがき続けた2人の姿が描かれる。果たしてもがき続けた10年の軌跡とは?


キャスト

徳永演じる菅田将暉

神谷演じる桐谷健太

真樹演じる木村文乃

山下演じる川谷修士

大林演じる三浦誠己

鹿谷演じる加藤諒

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

まったく芽が出ない芸人の徳永は、営業先の熱海の花火大会で先輩芸人の神谷と出会う。「あほんだら」というコンビで漫才を披露する神谷の姿に魅了された徳永は、神谷に弟子入りを志願する。「伝記を作る」ことを条件に弟子入りを承諾したで神谷。人間味にあふれ、天才的な奇想の持ち主でもある神谷に、徳永はだんだん惹かれていく。ふたりは毎日のように飲みに出かけては芸の議論を交わし充実した日々を送るようになるが……。


結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして全く芽が出ない芸人の徳永は営業先の熱海で先輩芸人である神谷と出会った事で始まる10年間がある。それまでも殆ど売れない中で続けてきた訳だけれど、まだ20代前半なら夢を観続けられるが、神谷は既に30代に近づいていた。そんな中でお笑いのステージに立ち続けるのだが、2人はそれぞれ別のコンビを組んでおり、組んだ中で上手くいかずにもがき苦しみ続けていた。


そんな転機に徳永は神谷と出会ったのだが、神谷は徳永のお笑いの才能を評価していた。ただお笑いというのは自分が面白いから周りがうけるという事ではなく、周りがそのお笑いを面白いと思ってもらえるかどうかなんですよね。だからそれはやっている本人がわかる訳じゃないので多くの芸人はその一握りの可能性を引き当てるために日々切磋琢磨しているんですよね。


しかし徳永もお笑いコンビ「スパークス」で力をつけてちょくちょくテレビ出演もするようになったものの、なかなかそれが続かない。お笑い芸人は一発芸を1つでも当たると表向きはあの人は今になる人もいますが、一発芸の威力は凄まじくその後地方営業でガッポリという方々も実際にいるんですよね。営業も数をやれば本当に利益になるので逆にテレビに出ているより儲かっている芸人がいるのも事実です。問題はそこまで辿り着けるか付けないかでもありますが、ここに登場するスパークスの徳永もあほんだらの神谷もそこに辿り着けずに終わってしまうんですよね。


でもそれが芸人の本当の現実だと思いますし、この作品は芸人の現実を描いたからこそ価値があると思うんですよね。成功した事例を描いてもこの作品って正直面白くないと思うんですよね。


結末は劇場で観てほしいけれど、芸人の世界は本当に狭き椅子を巡る戦いという表現が正しいと思います。どんなに頑張ったとしても頑張っただけ報われる可能性が実際に低いんですよね。それはアイドルにも言える事ではあるのですけれど、アイドルの場合ファン次第で大きくも成れる可能性は秘めているのでそれがお笑いとは少し違うのかもしれません。


正直なところお笑い芸人が売れない芸人としてできるのは35歳ぐらいまでだと思うんですよね。それ以上になると相当な事がない限り売れる可能性は限りなく0になると思いますので35歳を目途に活動しないといけないんでしょうね。


総評として夢を追いかけた2人は現実の前に見事に散った訳だけれど、こういう経験をしたからこそ第2の人生で成功するケースも十分ある訳で芸人で成功しなかったからその後の人生が成功しないという訳ではありません。何をもって成功とし、何をもって失敗とするかは人それぞれです。でも人生に無駄はない。現実を知ったからこそ次の人生を歩める!そう描かれた作品だったと思います。





火花 (文春文庫)
又吉 直樹
文藝春秋
2017-02-10



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