6月24日公開の映画「いつまた、君と 何日君再来」を観賞した。

この映画は俳優向井理の祖父母の半生を綴った作品で戦前戦後を舞台に祖父が生きた時代の出来事を祖母が振り返るストーリーである。向井理のルーツを知る作品として描かれるこの作品は女優野際陽子さんの映画出演最後となる遺作となった。
自分のルーツを映画化するケースはあまりないんだけれど、この映画は向井理自ら持ち込んだ企画で自らも祖父を演じる事で亡き祖父がどういう人だったのかを知り、演じる事で自分が今あるのは祖父母が生き抜いた時代があったからという想いを演じ切った。誰もが祖父母がいたから自分がいる。そういうルーツを辿った先にみる真実とは?

キャスト

尾野真千子演じる芦村朋子

向井理演じる芦村吾郎

野際陽子演じる芦村朋子

岸本加世子演じる芦村真美

駿河太郎演じる高杉幹夫

イッセー尾形演じる芦村忠

成田偉心演じる芦村理

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

81歳になった芦村朋子は、不慣れな手つきでパソコンにむかい、亡くなった夫・吾郎との思い出を手記として記録していた。しかし、朋子は突然病に倒れてしまう。そんな朋子の代わりに、孫の理が『何日君再来』と題された祖母の手記をまとめていくことに。綴られていたのは今まで知ることのなかった、戦中・戦後の困難な時代を生きてきた祖母・朋子と祖父・吾郎の波乱の歴史と、深い絆で結ばれた夫婦と家族の愛の物語だった…。

結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして祖母の芦村朋子は81歳となり残された時間で半生を綴り始めた。物語はその中から途中まで記載したノートを孫の理が記入していくところから始まっていく。朋子は戦前は満州に渡りそこで理の祖父に当たる芦村吾郎と結婚して満州で暮らすも戦争の激化により無一文になって戦後本土に帰国している。それまで逃げてくる過程は相当大変なものだった。

しかし実家の愛媛では居場所がなく吾郎らは福島で再起を図ろうとした。そしてそこで繰り広げられる生活で足を痛めてしまい思うように働けなくなる吾郎の苦悩も描かれていくが、ついに福島でも生活が困難となり大阪へ引っ越す事になる。

大阪では満州時代の知り合いである高杉幹夫の計らいで仕事ができるようになったもののその幸せな生活は長く続かなかった。事故で負傷した傷の具合が思わしくなかった事もあるけれど、この時代は医療体制が良くなかった時代でもあり痛みを抱えながら生活してもそれが原因で亡くなる人は少なくなかった。そんな状況で祖母の朋子は苦渋の選択をしなければならなかった。果たして苦渋の選択とは何だったのか?

結末は劇場で観てほしいけれど、戦後苦しい時代を生き抜いて今に繋がっていくのだけれど戦後直後の時代は色々大変な時代であり何もない中で色々な苦難を経験した人が多くいた。無一文から再起した五郎と朋子もまた色々と苦労しながらも五郎が亡くなった直後に朋子が女手一つで子供たちを育てなければならなかった苦労は計り知れない。孫の世代になるとそういう家族のルーツを知る事はあまりないものだけれど、それぞれの家庭に歴史があるという事だ。

総評として向井理さんのルーツを映画として残した作品は祖母を演じた野際陽子さん最後の映画出演作品となる遺作になったけれど、この作品最悪お蔵入りの危機にあった事は知る人は知ると思います。でも向井さんがどうしても映画として残したいという想いが野際陽子さんの遺作となったというのは彼の俳優人生を続ける上で大きなターニングポイントになる作品になったと思いますし、俳優を続ける上で映画として祖父母のルーツを残せたというのは大きな財産になったのではないかと思います。