6月6日公開の映画「予告犯」を鑑賞した。

この作品はネット上でユーザーネームしんぶんしと名乗る人物が犯行を予告し

実際に犯行をLIVE映像で流す事で世間の目を惹き付け、

それを追う女刑事がこの事件の真相を追跡して行くストーリーである。

この事件の真相を辿ると犯行理由を知れば

その原因が個人だけの問題ではない全ての国民の問題である事を痛感するかもしれない。
ネット社会となって15年以上になるけれど、

スマートフォンの普及でさらに身近になって久しい。

今は個人が動画をアップする事も簡単となり、

それが一気に拡散される時代だ。

それが良い方向に向かう場合は良いと思うが、

そうじゃない場合は逆の方向に進む。

この事件は氷山の一角でもある事件ではあるけれど、

最初からこの事件を起こそうというものではなかったというところに辿り着く。

これは失われた20年を経験してきた人たちが経験した事を

リアルに体験してきた事が1つの要因となっている部分だ。

どうしてこの事件が起きて、この事件は拡大し共感を得る様な事態となったのか?

レビューしていきたい。

キャスト

奥田 宏明 / ゲイツ演じる生田斗真

吉野絵里香演じる戸田恵梨香

葛西智彦 / カンサイ演じる鈴木亮平

木村浩一 / ノビタ演じる濱田岳

寺原慎一 / メタボ演じる荒川良々

岡本大毅演じる宅間孝行

市川学演じる坂口健太郎

青山祐一演じる窪田正孝

楓演じる小松菜奈

ヒョロ / ネルソン・カトー・リカルテ演じる福山康平

石田清志演じる仲野茂

北村演じる田中圭

栗原演じる滝藤賢一

加藤演じる本田博太郎

設楽木 匡志演じる小日向文世

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

事件は唐突に始まった。

Tシャツ姿に新聞紙の頭巾を被り、ネット上に現れた“シンブンシ”と名乗る「彼」は、

法では裁かれず、見過ごされがちな罪を犯した者たちを暴露。

そして「彼」なりの制裁を加えていく。

集団食中毒を起こした食品加工会社に対し、

「食い物の扱いも知らないこいつらに、俺がきっちり火を通してやる」と予告。

すると食品加工会社で火災が発生した。

ネット犯罪を取り締まる、警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香は、

この謎の予告犯=“シンブンシ”の捜査に乗り出す。

捜査を続ける吉野はシンブンシが単独犯ではなく、複数犯であることに気付く。

それでも「彼ら」は吉野をあざ笑うかのように、予告と制裁を繰り返していく。

そして予告配信現場に残される“ネルソン・カトー・リカルテ”という謎の文字。

巷には「彼ら」を神と崇める模倣犯も出現し、マスコミの報道は過熱。

遂には政治家殺害予告にまで至り、社会現象へと発展していく……。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとしてこの事件のはじまりは1つの動画から始まった。

こういう悪ふざけ半分の動画は別に珍しい事ではないが、

これが現実に起きるとその状況は一変する。

食品加工業者が食中毒事件を起こした事による事件で

逆切れ会見をして世間の反感を買った直後に

食品加工業者の工場が炎上した事により事件は始まった。

この事件でしんぶんしは予告通りの犯行をしたという事で、

ネット上では一種のお祭りとなる訳だが、

ある意味こういうやじうま的な性格は何処の国へ行ったとしても起こる事ではある。

犯行予告2はある飲食店でゴキブリを揚げる動画を配信し、

その店が閉店寸前に陥った原因を作った張本人に

ゴキブリを揚げて食べさせるという動画だった。

近年冷蔵庫に寝そべったりする悪ふざけ画像や動画を流す奴いますけれど、

警察ではゴキブリを食べさせる罰則はありませんので、

やった張本人がゴキブリを食べさせて気持ちを知れという制裁という点では

ある意味共感を得られやすい部分かも知れませんが、これも犯罪に変わりありません。

犯行予告3は女性が強姦事件を受けた事で女性にも責任があるという発言をした男に対して

元気球注入される動画を流すという予告だった。

実際に元気球は注入され、男は街を歩けないほど後ろ指をさ指される事になった。

確かに女性にとってどんな理由であれ強姦される事は強姦する側に責任があり、

女性側に対して責任が全くないとは言いませんが、

女性側だけの責任と断定するのは言語道断です。

実際に女性が受けた気持ちを実際に感じて

初めて知った男性は軽率な発言だったというべきでしょう。

犯行予告4は職歴が空白期間がある人を面接しネットで侮辱した人事採用担当者だ。

一生懸命になって就職活動をしている人を侮辱した事による制裁ですが、

確かにこの件については相手がどう思っているかを知れば

当然人は言葉次第では恨みつらみを持っても不思議ではありません。

そういう配慮のない人事担当者に制裁をするという点では

確かに落とされた経験のある人にはスッキリする出来事かもしれません。

以上4件の事件についてそれぞれ異なる事件経緯となっているようで

複数犯という事だけは間違いないという事です。

そんな中で警視庁サイバー犯罪対策課の吉野絵里香が捜査に乗り出します。

ここでまずこの犯行がネットカフェを使われている事に着目されます。

しかし4件とも犯行現場に犯人はおらず犯行は別の場所から行われている事で

警視庁は空振りの連続となります。

そんな中で吉野刑事はネルソン・カトー・リカルテという名前に着目します。

ここで犯人が4人である事、そしてネットを通じて行われている事を突き止めますが、

犯人は捕まりません。

しかしある事がキッカケで吉野刑事は彼らがどうして

この犯行に至ったのかを知る事になります。

果たして彼らはどうしてこの犯行を行ったのか?

そして吉野刑事は彼らの闇をどう見る事になるのか?

結末は劇場で観てほしいけれど、

まずこの事件についてはネット上で事前予告するのですけれど、

この事件を成立するためには予告前に完了していなければならないという事です。

事件を起こすには事前準備が欠かせませんが、

既に予告されていた時には事件は完了しているという事です。

そうでなければこの事件は成立しません。

故に4件の事件については予告段階で既に完結済みでした。

そしてこれを可能にするには言うまでもありません

ネットの知識に詳しくなければ成立しません。

そこでワンタイムパスワードのUSBメモリを差す事で

1回しか使えない仕組みの端末を彼らは偶然手にします。

これが結果的に彼らが犯行予告を可能にしたという事でもあります。

普通に私たちが自宅からやった場合はアッサリ捕まります。

捕まらないと思うなら試せば?と言いたいところですが

犯罪者を作るような真似はできませんでの絶対に止めてくださいね。

そして犯行を行った人物にその事に詳しい人がいたという事が1番大きいです。

そうでなければこの犯行は成立しません。

そしてその犯行を行った人物たちこそ実は犯行を行うような人たちじゃなかったというのが

この事件の本当の闇であるという事です。

犯行を行うような人ではないというのは本来就職して仕事をしていれば

このような事をやる事は無かったという事でもあります。

最初に書きましたけれど、失われた20年という歳月は想像以上に多くの事を失いました。

その中で言えるのは若い世代の就職先です。

不況により人事採用を控える企業が増えた事で

彼らは正社員として就職できませんでした。

中には転職しようとした人もいますけれど、

簡単に転職できるほど今の日本は転職が難しいのです。

余程実力があれば別ですが、そんな人はほんの一握りしかいません。

その一握りが吉野刑事でもありますけれど、

吉野刑事のように東大卒ができれば就職で困る事は殆どないでしょう。

そんな彼女も小さい時は給食費も払えないほど貧乏だったとストーリーで語られていますが、

彼女のように東大に入って卒業するまで至ったならそれは幸せな方です。

ただご存じのように東大は日本最高の大学です。

そこに入れるのは本当に一握りの人間しかいません。

殆どは全国トップを経験した人たちです。

ただ現実そんな有名大学へ行ける人を基準にしたら

吉野刑事のようなセリフになると思います。

しかし現実は下がれば下がるほどゲイツらのような人たちになってしまうのです。

私もリストラを経験し社会人から離れた時期もありましたし、

就職活動を再開して再就職まで8か月要しました。

しかもその状況はゲイツたちと変わりません。

学校に行っていたとはいえその期間は事実上空白扱いですからね。

しかも経験のない職種にいこうとすれば尚更難しい訳です。

早い話吉野刑事の目線や経験とスキルではそれが理解するのは難しいと思いますし、

自分ならそこから抜け出せるという経験からふざけているという事になるでしょう。

しかし現実は吉野刑事のような人は一握りです。

その立場にならないと理解できない事は少なくありません。

どんなに頑張っても評価されない事がどういう事なのかも

吉野刑事の目線では解らないと思います。

故に途中でゲイツたちに手を貸した人たちもまた彼らと同じ境遇だからこそ

彼らが何かを訴える力があるから手を貸した。

自分にはできなくても他の人ができるならそうしてほしい。

それが何人か彼らに手を貸した人の理由です。

本当の純粋に働いて普通に暮らしたいと思っている人たちが

それに辿り着けないのが今の日本なのです。

正社員でいる面々のシーンがありますが、

それなりの企業に働いていたらあのような見方をしても不思議じゃないでしょうし、

ああいう人が正社員や職を失えば明日は我が身だという事を知らないと思います。

そこにいる人にしかわからない心境がそこの派遣社員が語っていた通りです。

私も務めている会社に派遣社員が来た事ありますけれど、

私は条件は違っても同じ職場で働く人という意識で接しました。

そういう気持ちがない人が首都圏や都市部の大企業では多いと感じられてしまうなら

それは今の社会に問題があるというべきでしょうし、

そういう経験をした人にはゲイツらの行動はある種共感を得ても不思議はないと思います。

総評として1つの出来事をキッカケに起きた事件ですが、

吉野刑事も事件の要因を辿るうちに彼らが本当に求めたかった事を理解したと思いますし、

最終的にはゲイツが残したメッセージを読み取れたと思います。

世の中にはできる事とできない事があります。

その中で自分ができない事をできる人がやっているとなればそれが小さなことでも共感し、

そして何かを変えるキッカケになるなら協力しても不思議はありません。

失った20年の負の連鎖が目の前にある事を

私たちはこの事件から学ばなければならないと感じます。

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