3月7日公開の映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」を鑑賞した。

この映画は宮部みゆき原作のソロモンの偽証を映画化した作品で

前編では事件の概要が描かれ、

事件が隠ぺいされかけている中で生徒たちが

自ら校内裁判で真実を知ろうとするストーリーである。

事件の概要をまず知らなければ裁判を開廷できない訳で事件の経過を追っていく事になる。
今は川崎市の少年による殺人事件について色々騒がしいが、

この映画でも少年法の中で1990年を舞台に描かれる作品な訳だけれど、

当時は今のように学校に監視カメラを付けられていなかった時代で、

更には学校への出入りも容易だったが、

今は監視カメラが付き、さらに個人情報保護法により

連絡先を教えられないなど実に難しいものとなった。

これも1997年のサカキバラ事件などを契機に色々と変わっていった訳だけれど、

1990年当時は携帯もポケベルもない時代で丁度バブルの終焉を迎えた時代だ。

その時代には今と違い情報はテレビは新聞でしか知らない時代であり、

生徒たちも何を信じ、何を信じないという判断が難しかったと思う。

その中で発生した生徒の自殺?殺人事件で生徒たちは学校の隠ぺい体質、

そして警察の隠ぺい体質に大人に対して不信を抱いていく。

果たしてこの事件の経緯とはどんなものだったのか?レビューしていきたい。

キャスト

藤野涼子演じる藤野涼子

神原和彦演じる板垣瑞生

三宅樹理演じる石井杏奈

大出俊次演じる清水尋也

浅井松子演じる富田望生

野田健一演じる前田航基

柏木卓也演じる望月歩

倉田まり子演じる西畑澪花

向坂行夫演じる若林時英

井上康夫演じる西村成忠

橋田祐太郎演じる加藤幹夫

井口充演じる石川新太

藤野剛演じる佐々木蔵之介

藤野邦子演じる夏川結衣

三宅未来演じる永作博美

森内恵美子演じる黒木華

佐々木礼子演じる田畑智子

茂木悦男演じる田中壮太郎

垣内美奈絵演じる市川美和子

高木演じる安藤玉恵

楠山演じる木下ほうか

上野素子演じる余貴美子

北尾演じる松重豊

今野努演じる大河内浩

津崎正男演じる小日向文世

中原涼子演じる尾野真千子

他多数のキャストでストーリーは進行する。

ストーリー

1990年のクリスマスの朝。中学二年生の藤野涼子は、

クラスメートの柏木卓也の死体を発見する。

柏木は自殺したと思われていたが、涼子と校長のもとに匿名の告発状が届く。

柏木は自殺ではなく、大出俊次という生徒に殺されたと言うのだ。

学校と警察は告発状の件を伏せていたが、マスコミに漏れてしまう。

やがてその告発状を書いたと疑われた生徒の浅井松子が事故死。

涼子は事件の真相を暴くため、学校内で裁判を開くことを決意する。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとしてまず事件の経緯から観て行くと、

1990年のクリスマスの朝に当時中学2年生の藤野涼子が

クラスメートの柏木卓也の死体を発見する事から事件は動き出す。

この事件により警察は現場検証をするも、警察の見解は自殺というものだった。

そしてこの事件はマスコミにも報じられることになるのだが、

この直後の正月後に1月7日に藤野涼子の元に告発文が届く。

どうして藤野涼子の元に届いたのか?と一瞬謎なんですけれど、

実は藤野涼子の父は刑事という事で彼女に届ける事で

警察が動いてくれると考えたからだと推測できる。

しかし学校ではこの告発文について公表しない事を校長が決めて、

この件を知っていたのは校長と学年主任の2人だけだった。

そしてさらに警察にはこの件は伏せるようにと要請している。

まずこの対応についてだけれど、まず確り捜査しなければならない。

当然この情報についての出所がわからなければいたずらなのか?

そうでないのか?はわからない。

そして差出人が特定されて

初めてそこから事件の真相への扉が開かれる可能性だってある訳だ。

この告発文が事実なら警察はとんでもない捜査ミスを犯した事になり、

犯人を逃がす事になる。

しかしここでは警察も学校もこれ以上やる事で自らの保身に走ったというのが

この告発文隠ぺいの1つだ。

そして亡くなった生徒のクラス担任森内恵美子が

非常に頼りなさ過ぎるというのもある意味生徒たちに不安を増殖させている。

確かに自分のクラスの生徒が亡くなるというショッキングな事件ではあるけれど、

その前にクラス担任森内が教師としての器量を持っていなかった事も

生徒たちにとって心の拠り所を失っている側面がある。

学校の教師は難しい職業なので本来教師は

リーダーシップを持った人じゃないとなるべき職業ではない。

教える仕事をしたいなら家庭教師のマンツーマン指導の方が適任だろう。

今は少子化になった事もあり、40人の生徒を抱える事は少なくなったけれど、

それでも川崎市の事件のように担任が30人以上の生徒の1人を気にしても

対応し切れないという事が取り上げられたように

正直これだけの生徒を1人1人特長を理解してみる事そのものが

実は難しいという事を学校教育の問題点として捉えられた事が実はあまりない。

現状として考えると1人の教師に対して25人が限界点だと感じる。

それ以上になるとどうしても目に行き届かない。

これはこの劇中の事件だけでなく実際の教育現場も

30人以上の生徒を見切れる状況じゃない事を理解して行かなければならない。

そんな中で劇中では告発文を送った人の事も描かれている。

一言で言ってしまえばクラスの中の弱者という部類に当たる人たちなのだけれど、

学校のクラスというのは立ち位置次第ではいじめる側、

いじめられる側に立つ事も少なくない。

私の場合はいじめられる側になるケースが多かったけれど、

ほんの些細な事で立場が逆転する。

それだけ学校という場所は不安定な場所なのだ。

その中で生きて行くという事が予想以上に大変だという事でもある。

特にいじめる側の面々が当時は不良グループと

呼ばれた人たちがいじめている訳だけれど、

いじめられた側というのはそこでどうやっていじめた側に仕返ししようか考えるものだ。

ただ今思えばそれは意味を成さないという事に辿り着く訳だけれど、

この年齢の少年少女たちには理解する事が難しいものだ。

私の場合はそんな経験から友達は必要ないという結論に辿り着いた訳だけれど、

ここでいじめられている君へ送るなら言うまでもない逃げろ!と言いたい。

関わって良い事は1つもない全ては無駄だと教えたいね。

そして藤野涼子も亡くなった生徒からある一言を言われて

校内裁判へと気持ちが傾いていく。

藤野涼子も実はいじめられていた人を目撃している。

しかしここで常にいじめは止めましょうと言っていた藤野涼子も

いじめられている人を救えるほど力はなかった。

普通に考えればこの時代止めに掛かれば間違いなく餌食にされる。

当然それに対抗できるだけの柔道有段者などの力があれば別だが、

立ち向ったり止めたりすれば間違いなくやられる。

かと言って叫べば仕返しが待っている。

それが学生時代の現実なので行けなかった気持ちは良くわかる。

今なら携帯やスマホで警察に即連絡したりできるけれど、

当時は助かるとすれば偶然警察が通りかからないと無理だった。

そういう人たちに関わりたくないという気持ちは誰でも持っているということだ。

少なくてもこの不良たちは弱い者いじめする者たちで強い奴らではないが、

人数がいるとさすがに弱い者たちも強くなるという数の論理になってしまうのが

日本の陰湿ないじめの実態だ。

そんな中で藤野涼子は校内裁判を行うと

亡くなった生徒の小学校時代の同級生も参加して行おうとするも

学校はこれを良しとしない。

これが行われるという事は学校の不祥事として見なされる訳だから当然保身に走る。

校内裁判なので警察は介入しない訳だけれど、

その中で藤野涼子は被告人として生徒を殺した疑いがある大出俊次を被告人にし、

その他の重要参考人として裁判が8月15日に開廷する事になったのだった。

詳しい内容は劇場で観てほしいけれど、生徒の多くがこの作品がデビューだったり、

数作品目という人ばかりなんだけれど、

演技経験が少ないなりにリアルな中学生を演じている。

主演となった藤野涼子がこの役名でデビューするという力の入れようなので

この生徒たちが裁判編でどう演じるのかは注目したいところだが、

事件の経緯から見ると疑問点は非常に多い事に気づかされる。

警察は自殺だが、告発文は殺人という通常屋上から落ちたとして

犯行時刻は深夜という事で目撃者は多くないし、

何よりこの時間に学校へ入れた事を差し引いてもどう目撃したのか?という部分もある。

2つ目は完全な事故なのでこれが逆に事件を難しくさせているのだが、

2つ目の生徒の死亡はただ単に死亡事故と結論付けられるので

この件は亡くなった人が何を知っていたのかだけが今後焦点となる。

それでも学校では校内裁判に反対する教師たちの抵抗に生徒たちが

当初関わりたくなかったのがそのやり方に疑念を抱き

逆に自分たちも信じるを知る権利があるという事を感じたのは大きい。

世の中少年法により知る事のできない情報もあるが、

部隊となった学校内ではそういう訳にはいかない。

関係者として真実を知る権利は私にはあると感じている。

総評は裁判編でするけれど、この事件にはいじめというキーワードがある。

そのキーワードが真実をあやふやにしているようにも感じるし、

そうでないようにも感じる。

色々な思惑が交差した先にみる生徒たちによる校内裁判の行方から目が離せない。

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ソロモンの偽証 第I部 事件
宮部 みゆき
新潮社
2012-08-23



ソロモンの偽証 第I部 事件
宮部 みゆき
新潮社
2012-08-23