10月15日スタートのドラマ「下剋上球児」を視聴した。

このドラマは「下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル」のノンフィクション作品をドラマ化した作品で10年連続、県大会初戦敗退の弱小校が2018年夏の甲子園に初出場した三重県立白山高校の実話をドラマ化した作品である。

実際にどうやって10年連続初戦敗退していた高校が甲子園に出場できるまでに至ったのか見ていく作品となる。
2018年に実際にあった甲子園に初出場した三重県立白山高校がそれまで10年連続初戦敗退していた高校がどうして三重県大会を勝ち上がり甲子園出場する事ができたのか?当時の三重県大会のトーナメント表を見たけれど61校が参加し3校が2回戦から登場と決勝まで6試合を戦うという事からもそう簡単に勝ち抜ける大会ではない。

最少が鳥取の24校だと踏まえればその倍以上の高校が甲子園を目指した訳で鳥取県大会は4回勝てば甲子園出場だったが、三重県大会は6回勝たなければ甲子園に出場できない。

昨今の子供不足で次第に出場高校数が減少しており部員不足の高校は連合チームで戦っているケースも増えた事で今後チーム数も減っていくが、それでも61校が出場する大会で10年連続初戦敗退してきた高校が突如甲子園に出場するのは並大抵な事ではないのは十二分に理解できる。

そんな三重県立白山高校をモデルにした越山高校が甲子園に出場するまでを描いたドラマである。

100年以上の歴史がある高校でも1度も出場する事ができない甲子園の舞台に出場した弱小高校がどうやって出場するまでに至ったのかレビューしていく。

キャスト



ストーリー



今回は2016年3月に越山高校に赴任した社会科教師・南雲脩司は翌年度の野球部の顧問兼監督に打診されていたところから始まる。南雲はかつて高校球児だったが怪我などの影響で野球を辞めて大学も1度退学しているが教師になる夢を諦めず32歳で教師になった変わり種である。

当時の越山高校は部員は1人しかおらず部員名簿にはあるが殆ど練習に参加しない幽霊部員だった。

そこから2年後に奇跡が起きる訳だけれど、ここで重要なのは2016年に入学した生徒の中に有望な投手が入ってきた事だった。犬塚翔という生徒は元々強豪校へ行けるはずだったが結局入学する事ができずに越山高校に入学する事になっていた。私立だと実力さえあれば学科試験すら受けずに形式的な面接だけで入学できるけれど、最終的にはその高校の監督がその生徒を欲しいかどうかになる訳でその当時の監督がどう考えたのか知らないけれど少なくてもそれ以外の生徒の実力を考慮したら勉強が劣る事などからもそこまでして入学させる必要はないとしたと考えるのが普通だ。

実力主義は非常に厳しく怪我をすれば退学になり在籍する事ができないし、嫌になっても辞める事ができないのでこういう特待生制度も個人的にはどうなのかという事だ。結局のところ3年間野球漬け生活で終わり高校生活をどうこうというものではない。

これは野球に限った事ではありませんが、そういう特待生で入学した生徒の全てとは言わないけれど多くがスポーツ漬けにされて社会に必要な事を学ぶ機会や経験もなく社会に出てくる。私もそういう人たちを見ているけれど社会人になったら事務職なんて戦力にならないほどだからね。

私は目の前で現実を見てしまっているから厳しく書くけれどスポーツ選手も何時かは引退の時が来るわけで引退後本当にパソコンも事務職もできないでセカンドキャリアを送る人は珍しくありませんからね。

この越山高校はそういう特待生制度らしいものはありませんから部活を退部しても退学する事はないのですが、その代わりこの高校の場合は卒業まで至る生徒がかなり少ないという冒頭のナレーションからも〇高ランクの高校だという事だけははっきりしています。

〇高ランクの高校は授業すら成り立たないほどだという話を聞いていますが、私が行った高校は当時偏差値は低かったもののそういう事はありませんでしたけれど全国にはそういう高校が存在するだけにここの教師の方々は普段から相当苦労されていると思います。

それでも高校でしか体験できない社会経験をこの高校の人たちは経験している事を踏まえるとそれがスポーツだけやってきた人よりは色々知識を得ていると感じます。

ドラマに戻りますが、犬塚翔という生徒がもし加入していなかったら恐らく越山高校は甲子園に出場できなかったのではないかと思います。この年って覚えている人は多いと思いますが秋田県の金足農業の吉田輝星投手が甲子園でたった1人で投げ抜いて高校野球ファンを感動させた大会でもありました。

私はたった1人で投げ続ける事を美化する事を批判していたので立場は違うのですが、吉田輝星投手はその後北海道に入団するも3年間活躍できず4シーズン目にようやくシーズン51試合登板をしたぐらいの活躍しかできていません。甲子園大会はそれだけ1人の投手を潰してしまうほどの酷使する大会という訳です。

でも酷使を度外視すれば1人いい投手がいれば勝ち抜けるという事でもあります。野球は打っても3割競技なので7割以上抑える事が可能な競技です。采配戦術で戦い方は変える事こそできますが、基本主導権は投手が握っている競技です。どんなに凄い打者でもいい投手に当たったらそう簡単に打てるものではありません。

そして監督が唯一できるのは投手の配給及び守備位置の指示、選手交代、走者が出た時の走塁や打撃指示になります。ボールを振るなという指示はできてもボールを撃てという指示をしても打てるものではありません。打てと指示してもボールを当てる事ができない可能性の方が高い。

しかし投手の場合は指示をする事である程度投げるコース及び球種は投げさせる事ができるので抑える事は可能なので失点さえ防げば1点をどうにかして取れれば勝つ事は可能です。多少選手の力が劣っても投手がよければ勝てるのが野球の醍醐味です。

しかし問題はそれ以上に生徒たちをどうやって野球を続けてもらえるかという点に最初は尽きました。強豪校と違い元々野球をやりたい生徒たちの集まりではないだけに9人以上集める事がそれだけ難しいという事です。

サッカーの場合は11人揃わなくても8人までなら試合が成立します。理由はサッカーには退場処分がある為に試合中に10人以下で試合を余儀なくされる事があるからです。野球の場合は退場処分になってもそのポジションを控え選手で埋める為に9人揃わなくなった時点で試合不成立となり没収試合となります。

それに近年は投球数制限も加わっており現実的に9人だけで試合を成立させる事が1試合できたとしてもそれ以降勝ち続ける事は不可能に近い状況です。やはり最低でもベンチ入りメンバー15人必要と考える事です。

そんなメンバーが集まって最初の試合で犬塚翔が6回まで無失点で抑える好投を見せた事で試合が纏まり7回に守備の乱れで大量失点したもののその裏に数点返して完封負けは避けられています。

この事からもこのチームはまず守備を確り練習するところから始めないと試合を成立させる事が難しいという事がわかります。

南雲も守備練習に最初は重点を置きながら試合になるようにしていく事になると思います。守備が向上すれば犬塚翔の投球からして大きな失点はしないチームになっていくのを予感させた初回でした。

次回は越山高校野球部の顧問を引き受けた南雲だったが彼にはある過去があった。その過去とは何なのか?南雲の過去に注目だ。





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