9日サッカー日本代表はバヒド・ハリルホジッチ監督の4月7日付けでの解任した事を発表し、西野朗技術委員長を監督にする事を発表した。

バヒド・ハリルホジッチ監督は2015年3月にアギーレ監督の八百長問題による解任により新監督として招聘されて就任し縦への速い攻撃を軸に少ない準備期間でW杯予選を戦い6大会連続W杯出場に決めた。しかしその後の強化試合では新戦力の底上げを図るも思うように結果を残す事ができずに最近は選手との溝が深まる事態となっており残り2か月となった中でのまさかの電撃解任となった。

これで日本代表は残り2か月で西野朗監督にチームを託し最終発表は1度も選手を試す機会のないままメンバー選考される異例の事態となった。

確かに最近成績が振るわなかった事については色々な人が思う所があったと思います。ザックによるポゼッション主体のサッカーからアギーレを経てハリルとなりこれまでと全く異なる縦への速いサッカーという事でパス主体のサッカーから大きく変わった訳ですが、アジア予選の中では確かにこのサッカーは強豪国がやるサッカーというのは不釣り合いなサッカーではあると思いますが、W杯予選が終わるまで日本は1度も欧州の強豪国や南米の強豪国との試合をする事ができなかったという事を忘れてはなりません。


その中で本当に結果が出なかった事については今の日本の力としてこれが現在地だという事を知ったに過ぎずハリルの3年間組み立ててきたサッカーじゃなければ結果が伴ったのか?と言われると非常に難しい思います。確かに日本は進化をしてきていますし選手のレベルも向上していますが、それ以上に他の国もレベルが上がってきている訳で、W杯予選も決して楽な試合は1つもありませんでした。


私としては確かにこの状況で本田、香川、岡崎が起用されない事に対して周りから多くの不満が多かった事も事実ではありますが、では彼らがこの4年間で代表で活躍したのか?クラブでどういう活躍をしたのか?と振り返ると本田は確かにこの1年こそメキシコで復活しましたがそれまでの3年はミランで不遇の時を過ごしたのは誰もが知るところです。ただザック退任後本田はどういう訳か3トップのWに起用されるなど彼にとって不釣り合いなポジションでミランでも代表でも起用されてきましたが、メキシコでは本来の中央のポジションであるトップ下及びインサイドハーフで起用されて復活していますが、ハリルになってからそういうポジションで起用された事はありませんでした。


香川に至っては好不調の波が激しく、代表ではこの4年輝けるシーンが殆どありません。トップ下でも輝けない状況では例えハリルでなくても香川の起用をせず他の選手を起用するケースも考えられたでしょう。


岡崎選手についてはレスターに移籍後レスターのリーグ優勝に貢献するなど数字に表れない活躍もしていますし、代表でもここ1番の得点力を見せてきましたが、レスターでは2トップの一角でプレーする選手であり、代表では1トップでは身長が低く、両Wでプレーするにもドリブルが得意という訳ではないので起用するポジションを失ったというのが真相だと思います。


但しこの8年間代表を観てきていますが、世界の主流は確かに1トップ主体であり、両Wかサイドハーフにトップ下というスタイルが主流です。世界的に見ても2トップで戦っている国を探す方が難しいほどなのはそれだけ相手の攻撃を防ぐ事と、パス主体のサッカーをする上では中盤に人数が多い方が良いという点と、サイドから突破する事で中央より打開しやすいという側面が強い事もあります。


日本の選手構成を考えた時に果たして日本は1トップというシステムが本当に適したシステムなのだろうか?という疑問が残るのも事実です。ジーコジャパンを最後に1トップ主体となったシステムは日本に1トップに適した選手が現れたとはいえずにここまで10年以上来てしまったという印象が拭えません。


色々な観点を含めて2トップで戦う事を考えても良いのではないかと思う次第でもあります。岡崎や香川を起用するにも現在のシステムでは起用しづらいのも事実ではありますし、2トップの方が意外に良いのではないかという部分もあります。


その上で西野監督については名古屋、神戸では確かに上手く行きませんでしたが、柏、ガンバでは大きく成功した監督である事は紛れもない事実です。特に印象的なのはガンバ時代の10シーズンになりますが、私も対戦した試合を良く観ていましたが、西野監督用いたシステムは主に4−2−2−2ですが、ガンバ初期の頃は3バックで戦った時代もあります。宮本恒靖が絶頂期の頃に3バックの中央のリベロとして起用しボランチに遠藤を中心にした攻撃サッカーを展開したシーズンもありました。


色々考えられるのは守備的に戦うとしたら長谷部をクラブでもやっているリベロで起用した3−4−1−2というシステムを組む可能性もあります。ボランチに柴崎、山口を起用する事でパスの供給源としてトップ下に本田、中島を起用し、2トップに岡崎や大迫、久保を起用する事でカウンターを狙うサッカーを展開する事もできない事はありません。


西野監督のサッカーを体現するという点ではやはり遠藤に近い役割を担えるのは本田しかいないと思うし、攻撃的な事を踏まえると乾、柴崎、中島は欠かせないピースになるでしょうから結果的にそういう選手を起用する上でどういうメンバーがベストなのかを考えていく必要があるとは思います。


いずれにしても次のメンバーが選ばれる時は25人を先に選んで最終メンバーを選ぶ事になっているので西野監督がどういうシステムを組み、どういうサッカーをするのか?を考えた時にはガンバ時代のサッカーを考慮するとメンバー選考基準が見えてくるのかもしれません。


もう火中の栗を拾って頂いた西野監督には2か月でできる事を精一杯やってほしいと思いますし、これで選手が結束してプレーにいい影響を与えてくれることを信じて選ばれるまでの期間クラブでいいプレーを続けてほしいと思います。


ここで協会批判をしても始まりませんし、誰が組織のトップだったとしても様々な事情でこうなってしまったという以外にない訳で最終的にはW杯終了後に田島会長には確り後任人事を進めて頂きやる事をやってけじめをつけてほしいと思います。



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