27日J1リーグ24第10節が行われ、アルビレックス新潟はホームデンカビックスワンでFC東京と対戦し、1対3で新潟はMF高宇洋率いるFC東京に新潟の弱点のすべてを伝授されており完敗し、3勝3分4敗勝ち点12得失点差-3で暫定12位に後退した。
新潟のすべてを知る選手が相手にいるチームとの対戦は厳しい結果として今後の課題を突き付けられた。
新潟のすべてを知る高宇洋が新潟の長所も欠点も全てFC東京の選手たちに伝えていたという事を痛感した試合でもある。昨年は対戦経験ある監督、選手はいたけれど実際に新潟で3年近くプレーした選手がJ1の対戦相手にいなかった事で新潟のサッカーの特徴を知る選手との対戦はなかった。
しかし今季はFC東京と次の対戦する広島は新潟のサッカーをよく知る選手がいる。そういう選手がいる中でどれだけ対応できるのか?という試合でもあったけれど結果は想像以上に厳しいものとなった。
私も新潟と対戦する側になった昨シーズンは新潟の弱点は何処なのかを語っていたけれど対戦相手となる選手側になると想像以上に違ってくることを痛感した。試合を振り返りながらFC東京の戦い方を振り返りたい。
アルビレックス新潟のフォーメーションは4−4−2
前節と同じメンバーでスタートした。
試合は立ち上がりこそFC東京のプレスに苦しんだが次第にボールを保持しながら攻撃するシーンが増えていく。攻撃する形としては悪くなかったがやはり1番の問題は最後の決定力の部分だ。ここがFC東京の決められる選手とそうじゃない選手の差の質の違いを痛感するシーンだ。
確かにチャンスは作るんだけれど思った以上にゴール前に人がいないシーンも少なくなくグラウンダーやクロスを選択するよりシュートを選択した方が良いシーンも少なくなかった。新潟の悪い癖はゴール前でシュートを選択するよりパスを選択するシーンが多いという事だ。ここ数試合はシュート数も増えてはいるけれど決定的なシーンでのシュートは多くない。
両サイドハーフはシュートよりもクロスを選択している点からももう少しサイドハーフからシュートを狙うシーンは増やしていきたいところだ。
そしてFC東京はボールを持たせながらカウンターを虎視眈々に狙い続けていた。スターティングラインナップこそCFに仲川を起用したのは最初からカウンター狙いだった。途中で寺山が負傷交代した事によりトップ下になったが事実上ディエゴオリヴェイラとの2トップの存在だった。最初から両ウイングからのスピードでカウンター攻撃を狙っていたのが前半39分の失点シーンだった。
シュートで終われなければ途中で奪われるとカウンターのリスクは大きくなる。中央なら即奪還できるが両サイドはそう簡単にはできず突破されたら大きなリスクを受ける事は新潟の弱点でもあったがスピードのある選手が両サイドにいるFC東京はそういうシーンを見事に作り出していた。
中央にはスピードのある仲川がDFより速く前へ出た事からカウンターが成立した。この試合でトミーがいたら防げたかもしれないシーンでもあったけれどメンバー的に裏へのスピードに対応できるDFがこの試合ではいなかった事が最初の失点に繋がった。
2点目も攻撃する時にボールに人を集中させた事によりサイドをチェンジして数的に枚数が少ないところを突かれたシュートだった。このシーンはDFの股の下を抜かれた事によりGK小島亨介の反応が遅れた事でゴールになったがこれも高宇洋から伝えられていた新潟の弱点を突かれたと言っていい。
3点目は高宇洋自ら新潟の弱点を突いてそれを慶がクロスであとは高さで勝るディエゴオリヴェイラが決めるというここ数試合の失点シーンではあの場所を突かれて失点したセレッソ大阪戦同様のシーンを見事に再現された。
新潟は高さがない分厳しい対応になる事は少なくないがあれだけ新潟を崩すお手本をされたらこの試合はこの時点で決まった。
スタミナが落ちたらこのプレーが難しくなるというのは新潟のサッカーはボールポゼッションでボール保持時間を長くして前線を引き寄せてスタミナを奪うからこそ後半に相手がなかなか前へ出れないシーンが少なくない。多くのクラブの控え選手はスターティングラインナップよりも落ちるケースが少なくないが、ディエゴオリヴェイラを後半勝負で控えていた事からも後半で決められる選手を出せる状況を作っていたFC東京は前半は運動量からカウンター狙いに徹して0対0のままならディエゴオリヴェイラによるパワープレーを狙っていたという事だ。
ディエゴオリヴェイラを最初から起用するとどうしても後半に運動量が落ちて動けないからね。
決定力の違いを出せる選手が2人以上いるクラブの違いをこの試合では突き付けられた格好だ。
新潟のサッカーはボールポゼッション率を高めて前半で相手のスタミナを奪って後半は前線がプレスに行けないようにする戦術でもあるだけに先制すれば無類の強さをみせるものの先制されるとこの戦術の脆さも見せてしまう。
多くのクラブはスターティングラインナップに良い選手を投入するので後半に殆どボールを奪いに行けないケースになるがFC東京はそうなる前に試合を決する戦い方をしてきた。それも違いを出せる選手が前線にいるからこそできると言える。
新潟の場合は相手がゴール前で堅める相手程苦しんでいる訳でゴール前を堅めたら簡単にゴールを奪えないという課題を今後どうやって克服していくのかはJ1で2シーズン目となる今季は更なる課題として突きつけられている。
攻撃のチャンスを作れているだけに最後の決めるシーンを決める力が今のチームに必要だ。しかし違いを出せる選手がいない現状では全員で解決する術を見つけ出す事が必要になっている。
これだけの大敗をしたけれどその中でも収穫はDF稲村隼翔がJ1リーグ初出場をして思った以上のプレーをしてくれた事だ。既にルヴァンカップで新潟デビューをしていたけれどこれだけ判断能力があってプレーできる事はCBの選手層を厚くするしそれ以上にCBに怪我人が多いので埋められるだけの選手だ。今後起用していく事も十分考えられるだけにこの試合で30分以上プレーした事は彼にとっていい経験になったし、チームも大敗の中で良い収穫になった。
次節はホームで広島と対戦する。色々問題が起きそうな試合だけれどFC東京戦同様新潟のサッカーを知る選手が相手だ。新井直人の徳島時代にも同様のケースを経験しているが勝ち切れていない。しかも今回はシーズン中に移籍しているのでスキッベ監督は情報を入手してFC東京以上の対策を練ってくる事は間違いない。昨シーズンは誰も知らないまま戦い戸惑いを見せたが今回はそうはいかない。
厳しい戦いになるがここを乗り切らないと更に厳しい対戦相手が続くだけにチーム一丸となって違いを出せる試合にしていきたい。
新潟のすべてを知る選手が相手にいるチームとの対戦は厳しい結果として今後の課題を突き付けられた。
試合終了
— アルビレックス新潟 (@albirex_pr) April 27, 2024
🏆明治安田J1リーグ 第10節#アルビレックス新潟 1-3 #FC東京#albirex pic.twitter.com/90NntI90Gt
新潟のすべてを知る高宇洋が新潟の長所も欠点も全てFC東京の選手たちに伝えていたという事を痛感した試合でもある。昨年は対戦経験ある監督、選手はいたけれど実際に新潟で3年近くプレーした選手がJ1の対戦相手にいなかった事で新潟のサッカーの特徴を知る選手との対戦はなかった。
しかし今季はFC東京と次の対戦する広島は新潟のサッカーをよく知る選手がいる。そういう選手がいる中でどれだけ対応できるのか?という試合でもあったけれど結果は想像以上に厳しいものとなった。
私も新潟と対戦する側になった昨シーズンは新潟の弱点は何処なのかを語っていたけれど対戦相手となる選手側になると想像以上に違ってくることを痛感した。試合を振り返りながらFC東京の戦い方を振り返りたい。
アルビレックス新潟のフォーメーションは4−4−2
前節と同じメンバーでスタートした。
試合は立ち上がりこそFC東京のプレスに苦しんだが次第にボールを保持しながら攻撃するシーンが増えていく。攻撃する形としては悪くなかったがやはり1番の問題は最後の決定力の部分だ。ここがFC東京の決められる選手とそうじゃない選手の差の質の違いを痛感するシーンだ。
確かにチャンスは作るんだけれど思った以上にゴール前に人がいないシーンも少なくなくグラウンダーやクロスを選択するよりシュートを選択した方が良いシーンも少なくなかった。新潟の悪い癖はゴール前でシュートを選択するよりパスを選択するシーンが多いという事だ。ここ数試合はシュート数も増えてはいるけれど決定的なシーンでのシュートは多くない。
両サイドハーフはシュートよりもクロスを選択している点からももう少しサイドハーフからシュートを狙うシーンは増やしていきたいところだ。
そしてFC東京はボールを持たせながらカウンターを虎視眈々に狙い続けていた。スターティングラインナップこそCFに仲川を起用したのは最初からカウンター狙いだった。途中で寺山が負傷交代した事によりトップ下になったが事実上ディエゴオリヴェイラとの2トップの存在だった。最初から両ウイングからのスピードでカウンター攻撃を狙っていたのが前半39分の失点シーンだった。
シュートで終われなければ途中で奪われるとカウンターのリスクは大きくなる。中央なら即奪還できるが両サイドはそう簡単にはできず突破されたら大きなリスクを受ける事は新潟の弱点でもあったがスピードのある選手が両サイドにいるFC東京はそういうシーンを見事に作り出していた。
中央にはスピードのある仲川がDFより速く前へ出た事からカウンターが成立した。この試合でトミーがいたら防げたかもしれないシーンでもあったけれどメンバー的に裏へのスピードに対応できるDFがこの試合ではいなかった事が最初の失点に繋がった。
2点目も攻撃する時にボールに人を集中させた事によりサイドをチェンジして数的に枚数が少ないところを突かれたシュートだった。このシーンはDFの股の下を抜かれた事によりGK小島亨介の反応が遅れた事でゴールになったがこれも高宇洋から伝えられていた新潟の弱点を突かれたと言っていい。
3点目は高宇洋自ら新潟の弱点を突いてそれを慶がクロスであとは高さで勝るディエゴオリヴェイラが決めるというここ数試合の失点シーンではあの場所を突かれて失点したセレッソ大阪戦同様のシーンを見事に再現された。
新潟は高さがない分厳しい対応になる事は少なくないがあれだけ新潟を崩すお手本をされたらこの試合はこの時点で決まった。
スタミナが落ちたらこのプレーが難しくなるというのは新潟のサッカーはボールポゼッションでボール保持時間を長くして前線を引き寄せてスタミナを奪うからこそ後半に相手がなかなか前へ出れないシーンが少なくない。多くのクラブの控え選手はスターティングラインナップよりも落ちるケースが少なくないが、ディエゴオリヴェイラを後半勝負で控えていた事からも後半で決められる選手を出せる状況を作っていたFC東京は前半は運動量からカウンター狙いに徹して0対0のままならディエゴオリヴェイラによるパワープレーを狙っていたという事だ。
ディエゴオリヴェイラを最初から起用するとどうしても後半に運動量が落ちて動けないからね。
決定力の違いを出せる選手が2人以上いるクラブの違いをこの試合では突き付けられた格好だ。
新潟のサッカーはボールポゼッション率を高めて前半で相手のスタミナを奪って後半は前線がプレスに行けないようにする戦術でもあるだけに先制すれば無類の強さをみせるものの先制されるとこの戦術の脆さも見せてしまう。
多くのクラブはスターティングラインナップに良い選手を投入するので後半に殆どボールを奪いに行けないケースになるがFC東京はそうなる前に試合を決する戦い方をしてきた。それも違いを出せる選手が前線にいるからこそできると言える。
新潟の場合は相手がゴール前で堅める相手程苦しんでいる訳でゴール前を堅めたら簡単にゴールを奪えないという課題を今後どうやって克服していくのかはJ1で2シーズン目となる今季は更なる課題として突きつけられている。
攻撃のチャンスを作れているだけに最後の決めるシーンを決める力が今のチームに必要だ。しかし違いを出せる選手がいない現状では全員で解決する術を見つけ出す事が必要になっている。
これだけの大敗をしたけれどその中でも収穫はDF稲村隼翔がJ1リーグ初出場をして思った以上のプレーをしてくれた事だ。既にルヴァンカップで新潟デビューをしていたけれどこれだけ判断能力があってプレーできる事はCBの選手層を厚くするしそれ以上にCBに怪我人が多いので埋められるだけの選手だ。今後起用していく事も十分考えられるだけにこの試合で30分以上プレーした事は彼にとっていい経験になったし、チームも大敗の中で良い収穫になった。
次節はホームで広島と対戦する。色々問題が起きそうな試合だけれどFC東京戦同様新潟のサッカーを知る選手が相手だ。新井直人の徳島時代にも同様のケースを経験しているが勝ち切れていない。しかも今回はシーズン中に移籍しているのでスキッベ監督は情報を入手してFC東京以上の対策を練ってくる事は間違いない。昨シーズンは誰も知らないまま戦い戸惑いを見せたが今回はそうはいかない。
厳しい戦いになるがここを乗り切らないと更に厳しい対戦相手が続くだけにチーム一丸となって違いを出せる試合にしていきたい。