サッカーJ2アルビレックス新潟2019シーズンが終わった。

今シーズンは17勝11分14敗勝ち点62得失点差+19で10位と昨シーズンの16位で一時J3降格の危機に直面して終わった事踏まえればチーム再建への目途が見えたシーズンだったと言える。

シーズン途中に片渕浩一郎監督から吉永一明監督に交代するという事で良い面もあったがやはり継続して目指すサッカーがそれまで確立できていなかった事とその為に目指す上で新たなる哲学が必要という事を踏まえてアルベルト プッチ オルトネダ氏を新たなる監督として来季スタートする事になった。

色々な観点からシーズンを振り返りたい。
2年ぶりのシーズン総括という事で昨シーズン限りで退団し完全移籍する事を決めていた私にとって是永社長に残留説得を受けて急転直下残留(兼任)を決めた事により総括は見送り兼任する説明に終始して終えていたので今季は確り総括していく事になるけれど、実際に兼任してシーズンを過ごしてみて1つのクラブだけを見るより2つのクラブを見ているとこれまで見えない部分が見えるようになってきたし、その逆に足りないものも見えてきやすくなったシーズンでもあった。

前置きはここまでとして今シーズン振り返れば崩壊していたチームの戦い方を整理する上で重要なシーズンだったと感じている。4シーズンに渡り監督交代が続いた事で戦い方が見えなくなり、J2に降格して1年でJ1へ復帰するという戦いを目指しながら復帰どころかチーム崩壊を招いた昨シーズンから立て直すべく是永社長が就任して1年になろうとしている。

まず是永社長がどう再建しようとしているのか?という事をいかに理解した上でシーズンを観る事ができるのか?というのが最終的には重要になるのだと感じる。本来ならチーム再建に極力したいところでもあったがそれ以上に問題だったのが経営状況だった。

そこを確り理解して語らなければとても最初にチーム再建ではないという事を踏まえていく事になるのだが、本当ならば昨シーズン終了後にアルベルト氏に監督を委ねられたかは別だが、シーズン当初から外国人監督にしたかったのだと思う。

しかしそれを経営状況が許さなかった。昨シーズン終了後に今季の予算について語られているけれど、降格による補助金が無くなった事により5億の削減を余儀なくされた。更にはサポーターの不信感が大きく私のように退団を決意していたサポーターも多数いた訳であり、その中でサポーターの唯一の心の拠り所だった片渕監督を代える事は経営に大きく直撃しそれこそアルビレックス新潟のクラブ存続危機に直面する大きな問題だった。

多くのサポーターは終盤戦の片渕監督の采配により片渕監督ならという気持ちに大きく傾いていた。最も片渕監督になって9月10月負けなしだった訳でこの状況で代える事はリスクという事を踏まえれば代える事ができなかったと捉えるとどうして4月の9試合で監督交代になってしまったのかが読み解ける。

言い方は悪いかもしれないが最初から片渕監督は長くても今季終了までと決めていたのだと感じる。理由は言うまでもなく是永社長が目指すサッカーと片渕監督が目指したサッカーは違うという事だ。

監督交代後に監督交代について対外的に説明が難しいという事を私自身は伝えたし、私自身も継続は力なりという考え方を重視する方なのでどちらにも転ばないような交代劇にJ2の歴史を踏まえてもどう向き合うのか?というのがあった。

是永社長の答えは外から見てもわかるという回答だったから私自身確かに片渕監督のサッカーに満足していた訳ではなかったし、向上できるか?と問われると確かにこれまでの采配を観る上で厳しいというのはわからないではなかった。しかし新潟のこれまでの監督交代劇の多さを踏まえた時に継続したチーム作りが必要という事を重視していた私としてはここで作り直すならシーズン当初からやれればという事も考えた。

でも冒頭のようにそれを許す経営状況ではなかったという事だ。経営状況が許せばそういう決断もできたのだろうけれど、存続させていく上でそういう目途が見えない限りはできる状況ではなかったというのを今にして思えば実は色々考えていたのだとは感じている。

片渕監督を代えるという事がそれだけリスクであったというのはサポーターの姿勢を見ればそれほど多く語る必要はない。このクラブのサポーターは情に深すぎる面があるのでそのリスクを踏まえた時にある程度の落ち込みを覚悟しなければいつ何時決断するのかというのがあったのだと思う。

片渕監督解任後吉永監督に代わる訳だが、吉永監督は是永社長が目指すサッカーを理解していたからこそ是永社長は吉永監督には土台作りをしてもらう監督として今シーズンまでの契約をしたというのが私なりの考察だ。

土台なきところに是永社長が考える哲学を持つ監督を持ってきても仕方ない訳で、その為の土台作りが始まったというのがこの交代劇だった。そして何よりこの監督交代で片渕監督より情が深くない事により外国人監督を招聘しやすくなったという事だ。

サッカーの監督を代えて劇的に良くなるほどサッカーは簡単な事ではないし、下平監督のような事例は本当に少数なのでこれを軸にしてはいけないという事だ。仮にこの状況でJ1に上がったとしてもすぐに落ちてしまうクラブになってしまう可能性もあるだけに、土台を作るという事はとても重要で低予算だから勝てない、予算があるから勝てるほどサッカーは簡単ではない。いかに自分たちがどういうサッカーをやるのかという事を重視しないとならない。

その上で新潟が目指すサッカーをアカデミーからトップまで同じにする必要があったという事だ。これまで堅守速攻という以外は監督に左右されるサッカーに終始した感は否めない訳で、同じサッカーを継続するにはアカデミーからトップまで同じ戦術、システムを理解するようでないと戦い方が確立しない。

昨シーズンの是永社長就任時に語ったメゾット部門というのがそこにあるという事だ。全ての年代で同じ哲学を持ったサッカーを目指す!という趣旨の説明をされていたのだが、サポーターによってはそれを理解できない人も少なくなかった。1度染み付いてしまった堅守速攻のサッカー以外のサッカーの理解度はそれなりに時間が掛かるものだと感じている。実際にスタンドで試合を観ているとボールを回しているシーン特にバックパスにイライラしている人がいるからね。

スペイン特にバルサのサッカーはボールポゼッション率を上げて主導権を握り守備の時間を少なくする事が求められるサッカーではあるけれど、その為には足元に優れ、予測力を養い、判断力が求められる。それはいきなりやれと言って養えるものではないからこそアカデミーから養っていく必要があるという事だ。

それは戦力補強という意味ではユースからの昇格を今後軸にして予算を掛けずに強化していく方針を作るなら当然アカデミーの強化が必需になる。そしてそれを操れるトップの監督が必要という事でそれに耐えうる土台が必要だった。シーズン終盤の戦い方を見ればその土台作りに終始していたという事を感じた訳で満を持してアルベルト氏を招へいしたという事だ。

吉永監督が作ってきた土台は必ず次のアルベルトに活かされていくのは間違いない。その上で足りないピースを補強していくけれど、その上で決断しなければならないのは堅守速攻時代の象徴でもある貴章などの戦術に適さない選手の退団になって表れた。

足元に優れる選手中心になっていく事を踏まえると堅守速攻で活きてきた選手は不利になる。まだ伸びしろのある選手なら改善の余地はあるけれど、ベテランになるとそう簡単にはいかない。堅守速攻の時代からボールポゼッション志向への時代になっていく。もちろん時代は変わろうとも新潟の前線からの守備、走るという部分は変わらない事は吉永監督がやっていたサッカーを見ればそれは継承されていく。

来季は今季主力に成長した祥郎、新太、至恩、秋山、新井に復活した史哉、そして帰ってきた舞行龍と経験値を積んだ舞行龍以外は大きく成長していく可能性を秘めている。そして1番の懸案事項はレオナルドの残留だ。これが実現できれば来季得点源を確保できる事になり守備が徹底すればJ1昇格は見えてくると思う。

補強ポイントとしてはアルベルトが何処を必要としているかにもよるけれどアルベルトが1トップトップ下なのか?2トップなのかでかなり戦術が変わってくるけれど、1番必要なのはDMFで攻守の軸になれる選手だが今のJ2の立場では外国人選手以外に難しい。次に貴章に代わる高さあるFWだけれど、これは宗の復帰で対応する可能性がある。

来季はさらに厳しい経営状況となる中で若手主体でどれだけの成長を見せてくれるのか?そしてアルベルトによる新たなる創生はいかにして実現していくのか?新たなるヒーローたちの活躍が新たなる時代を作っていく。





FCバルセロナの人材育成術
アルベルト・プッチ・オルトネーダ
アチーブメント出版
2011-10-04

しょうかく