1日J2リーグ19第16節が行われ、アルビレックス新潟はホームデンカビックスワンで4位ヴァンフォーレ甲府と対戦し、0対2で今季初の2点差負けを屈して吉永監督就任後1勝2分4敗と4連敗となり、4勝5分7敗勝ち点17得失点差-1で暫定15位に後退した。

甲府の好調さを差し引いてもあまりにも今の新潟は深刻な状態に陥っている事が外からでもわかるような試合内容だった。

社長の言葉をそのまま借りるとすればこの状況は外からでもわかるほど今の新潟は本当に深刻そのものだ。J1最後の年の5か月半勝てなかった時はチームの力不足という点が強すぎたが、今のJ2でのコストパフォーマンスを含めても長年私自身このクラブをベンチの後ろから見続けているけれど、こんなに深刻なベンチは見た事がないほど深刻に感じるほどだ。呂比須時代にも確かに不可解な交代(どうしてこの選択をする)はあったけれど、それでもベンチのムードはそこまで悪くなかった。

しかし今のベンチは正直なところ監督に対する不信感を感じてしまうほど不可解な起用と不可解な交代が続いてしまっている。これで勝っているなら納得するのだろうけれど、片渕監督を成績不振の理由で解任してしまっている以上選手も不信感を抱いてしまうのは仕方ない事だと感じる。

呂比須監督時代は呂比須監督が現役時代に選手としての実績がある事もあり、当時子供だった選手たちは憧れのまなざしがあり、呂比須も不慣れながら懸命に選手を勝たせようと全力を尽くしていたが、吉永監督は選手としての実績もなく、吉永監督を知る人は社長と選手では野澤と柳しかいない。柳の選手経験値では吉永監督の特性を教える事は難しいが野澤選手なら2シーズンGKとして吉永監督の下でプレーしている事で特性はわかるはずですが、やはりベンチ外では伝えきれない部分があるのかもしれません。柳下監督の時の大井健太郎の役割を担えていないという事だ。

選手たちも4年で監督が6人目になっておりその都度戦術やシステムを覚えないといけない状況は流石に名選手でもこれだけ監督が代わると特性も好みも違う訳で経験値で補えるほど単純ではないという事だ。片渕監督の目指したサッカーが否定された今新潟は何処へ向かうのだろうか?試合を振り返りながら語りたい。

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アルビレックスに新潟のフォーメーションは4-2-3-1

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善朗がDMFに入りレオナルドがトップ下に入ってスタートした。

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まず吉永監督になりシステムを4-2-3-1に変更した事にあるが、このシステムを組むJ2のクラブって実はないんですよね。今日の甲府も3-4-3を組んでいる訳で、それ以外だと3-4-2-1、3-4-1-2、4バックだと4-4-2もしくは4-1-2-3を組むクラブはあります。多くのクラブが3バックを採用している中で3バックを攻略するのに多くのクラブが苦戦している現状があるだけに3バックを攻略できるクラブがJ2からJ1へ行ける訳です。

新潟の場合J1時代からとにかく3バック相手のクラブとの戦いに苦戦してきた歴史がある為に現状3バック(事実上5バック)相手のクラブに対して全くと言ってよいほど攻略策がありません。今日の甲府に対してもJ1時代の勝利したのが2017年の2勝だけでそれ以前になると10年以上前にさかのぼる事になります。要するに12年で2勝しかした事のない相手に対して得意意識がないのは言うまでもありません。

甲府のサッカーは一言で言えばピーターウタカシステムです。3バック(事実上5バック)の守備を武器にサイドから突破並びにカウンターで最後はウタカに合わせるというやる事がある意味明確なクラブなのでそこさえ防げば失点しないとなりますが、この試合はそのウタカをアッサリフリーにしてしまえば言うまでもなくゴールを決められて当然だったと言えます。

サッカーが明確な分選手たちに一切の迷いはありません。そのシステムを歴代監督が確り理解して最後に決めるフィニッシャーがいる事が明確であれば良いのです。甲府のように元々資金力に恵まれていないクラブこそそういう原点は絶対に捨てないという事があります。1度は吉田達磨監督でぶっ壊しそうになりましたが監督交代で紆余曲折はあったにせよ原点に戻せて今があるという事です。

その点で考えると新潟は原点と呼ぶべき片渕前監督を成績不振の理由で解任してしまった事で原点を失いました。サポーターにとって3年も監督交代で苦しんだ中で片渕監督が3度目の就任で正式に監督としてクラブを救ってくれたという恩義があった訳ですが、その恩義を見事にぶっ壊したのはまあ言うまでもありません。

少なくてもこれを成績不振で片付けられたら10位以下の監督は全員成績不振で片付けられるという事になるのでそこは確り明確にしたい。

今の新潟はとにかく選手たちに迷いが生じてしまっている。さらには片渕監督のサッカーを否定されたという気持ちが何処かにあるのは間違いない。戦力が揃えばJ2は勝てるという考えをしていた人たちがそもそもJ2を甘く見ていたという事になる訳です。戦力だけなら柏が断トツですが、現在首位でもなく得点力に至っては0点台という戦力に見合った戦いはできておりません。ネルシーニョという名将ですら今のJ2はとんでもなく厳しいリーグと痛感している訳です。

今上位にいる山形、水戸も同じ監督で2年以上継続してようやく目が出てきたところであり、それだけ同じサッカーを継続して初めてJ2を勝ち抜けるだけの戦いができるという事が示されています。

吉永監督はJ2でのコーチ経験はありませんし、甲府のヘッドコーチ経験はあるものの甲府の戦い方と新潟の戦い方は全く別物です。J2を知らない方でも全くコーチ経験なしでやる方はいますが、そういう方はある程度キャンプを経験した上でチーム作りをしていく訳でJリーグで監督経験のない方が突然途中登板して勝てるほど甘くないという事です。

片渕監督がやっていたサッカーは選手たちにとって明確だっただけに破れなければパワープレーという位にハッキリした部分がありました。正直3バック(5バック)で守る相手にはそれ位力で押し切らないとゴールを破れない事は昨年存分に痛感していた訳です。

ところが吉永監督になってからは縦への速い攻撃よりもボールを回す事に重点を置いてしまいました。ある程度ボールを回せる事は必要ではありますが、正直なところ新潟にポゼッションサッカーは合わないと昨年口酸っぱく言い続けているだけに、是永社長もバルサと時にして口にしているほどだからどうしてもバルサ好みの人はそういうサッカーに魅了されてしまうのでしょうね。

ちなみに私はバルサのサッカーは好きではありません。サッカーはゴールを決める競技なのでボールを支配する競技ではない。何よりこのシステムが機能する為にはリーグ得点王を獲る位の決定力を持つ選手がいなければただボールを回し続けるだけのサッカーになってしまうという事は新潟の歴史でも痛感している訳で誰をゴールを決める中心にするのかを明確にしなければなりません。

個人的に運動量と言いますけれど、運動量にはメリハリが必要という事です。奪いに行く位置取りと相手に回らせる時間を作る事が必要ですし、無理やり何でもボールを奪いに行く事は正直体力の無駄と言えます。中央に位置取りしているだけでも十分ゴールを奪えるだけの守備になっている事を気づかない人も実は少なくありません。確かにファーストディフェンダーとしては動きは少ないが、位置取りしている事でゴールに近い位置でゴールを目指せるという事です。

この試合ではCFに貴章を起用し、レオナルドがトップ下という起用でしたが、これなら2トップ起用で十分だと感じます。貴章に2桁得点をするだけの力があるなら良いですが、残念ながら過去1度も2桁ゴールをリーグ戦でした事がなく起用には無理があると感じます。本来トップ下システムはシルビーニョシステムと位置づけを感じましたが、起用法を観ているとどうもそういう感じでなくなってきています。

守備も片渕監督の時のような明確さがなくなり、守備のやり方が変わっている事で選手たちに迷いが生じてしまっている感じです。守備のやり方は当然監督によって違う訳でマンツーマンなのか?ゾーンなのかで変わります。片渕監督はゾーンプラス前線からのプレスでしたが、吉永監督はその辺があいまいにしてしまっている感じです。それに愛媛戦でも指摘しましたが適材適所なのか?という部分でレオナルドをトップ下で起用するあたりに意図が見えない訳です。

そして今日の交代カードで選手たちの不信感は更に上がったシーンを見てしまいましたが、最初の交代カードで2か月で4ゴールを上げて守備でも貢献していた渡邊凌磨選手を後半の早い時間で交代するシーンでは凌磨が相当不満な顔をして下がっていたシーンはどうして俺なんだ!という気持ちになったと思います。私が観ても凌磨の攻守に渡る動きは今の右サイドに欠かすことができないほどです。同じ変えるなら先発起用が少ない新太選手が妥当ではないかと感じます。片渕体制ではフランシスは左で起用されて結果を出していたシーンもあった訳で私もこの交代は納得し難い側面がありました。

そして交代カードで1番ビックリしたのが最後のカードで交代したのが本間至恩選手から新井選手への交代でした。これによりカウエが新潟に来てから初めてセンターバックに下がり、善朗が殆ど経験のないアンカーという4-1-4-1を組んだ訳です。これはある程度サッカーを観ている人なら???となると思いますし、完全に守備を度外視した起用です。片渕体制でもカウエをアンカーにはしましたがDFの交代はサイドバックだけでした。

こういう事になると練習でやっているなら良いと思いますが、選手の守備位置の確認を見てもとてもやっているとは思えない状況でした。練習でやっていない事をぶっつけ本番でやって上手くいく訳がなく敗れて当然の結果となりました。

1番心配になったのは1番結果を出している選手を1番最初に交代した事だ。私が監督でも今の凌磨のプレーを観る限り体力的に厳しいという理由がない限りは外す理由もないし、何より何度も劇的なゴールを決めてチームを救ってくれた。守備もハードにしてくれるし、右サイドの守備の貢献度はかなり高い。それなのに交代ですからそれは本人も納得がいかないでしょう。

交代カードの切り方についても代える意図が選手たちも混乱するほどですし、私もスタンドから観ていてもこの交代はバランス的にどうなのか?となってしまったりしています。

少なくても今の状況は選手が吉永監督に対して不信感を感じるほど関係は良くないという感じですし、これだけ外から見ても?が付くような交代は片渕監督の時にはなかっただけに今後に尾を引きそうな状況である事は間違いないと思います。

次節はアウェイで岐阜と対戦する。現在どん底同士の対決となる訳ですけれど、昨年岐阜のアウェイでは痛い目にあっている訳でここで敗れるような事があるとチームは空中分解しかねないほど深刻な状況になる。踏ん張れるのか?それとも崩壊してしまうのか?崖っぷちな戦いになる。





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