8日サッカーJ2アルビレックス新潟は鈴木政一監督の監督解任を発表した。

鈴木監督は2001年から2シーズンジュビロ磐田の監督を歴任しJ1で驚異的な成績を残し、世代別代表の監督などを歴任して14年ぶりに現場復帰したが、J2のカテゴリーは未経験だった事もあり当初の予想以上の苦戦を強いられ戦術も思うように浸透せず時間を要し現在19位と低迷しクラブは解任を決意した。

これでアルビレックス新潟は3年で4度目の監督交代となり国内で新監督を探すのは極めて困難な状況となった。


新潟人はここまで我慢弱い訳じゃないはずだが、近年の新潟人は本当に我慢の言葉すらないという位に毎年のように監督解任が口癖になってしまった。

1度崩壊した状況を短期間で立て直せる監督はそうそういない訳でいかに我慢して見る必要があったが、昔を知らない人ほど監督解任すれば良くなるという根拠のない理由で解任を叫んでいたという状況だ。

サポーターの声を無視する事は難しくこの状況では続投させる事は困難になったから解任したという所だが、このチームの最大の癌は実際のところサポーターなのだという事だ。

新潟の場合今現在予算がある訳でもない訳でもないところにいるのでJ2に降格した時に本来ならリーグ戦に専念できる状況なら良かったが、何より今年からJ2も参加する事になったルヴァン杯が想像以上にチームを苦しめた。

J1の時は全チーム同じ条件で戦っているから条件は一緒だったけれど、J2の場合は新潟と甲府は他のJ2のチームと条件が異なる中で戦う事になった。当然負けていいという訳じゃないのでどうしても試合をする事でかなり疲弊してしまう事をあまりにもわからない人が多すぎた。

同じ監督で挑んだ甲府に対して(途中解任こそあったが)新潟は土台から作らなければならない時に試合ばかりになってしまった事でチームの完成が大幅に遅れた。ルヴァン杯が終わる時には他のJ2クラブと比べると1週間練習が半分しかできなかった。

これではチーム作りどころか試合をする為の調整だけになってしまうので他クラブが6月までに完成したところで新潟は大幅に遅れた。ようやくやりたい戦術が見えてきた矢先に成績が伴わずに解任に至ってしまった事はこの成績ではどんな説明をしても解任をしないと収まらない状況まで来たという事だ。

私はルール上止む無く戦うしかなかったが、これまでJ2を戦ったクラブの苦戦からルヴァン杯を戦っている場合じゃないという事を常々言っていたが、多くのサポーターは戦える事を喜んでいる現実知らずな人があまりにも多すぎた。

当初からJ2の戦いを舐めていたサポーターが案の定騒ぎ出したというのがこの事態になったと言える。このような態度を取るサポーターである以上もう日本でS級ライセンスを持っている方で引き受けてくれる方はいないと言わざる得ない。

私が監督のオファーを受けてもキッパリ断りますね。こんな我慢弱く、誰かをいじめなければ気が済まない弱い人たちの為に闘ってくれる監督なんて日本にいるのでしょうかね?私は次の監督は片渕ヘッドをそのまま監督にするか?外国人監督を招聘する以外にないと考えています。

とはいえどうして鈴木監督はチームを再建できなかったのか?という事を言うと鈴木監督が目指した状況判断を求めてスペースを探すポゼッションサッカーはあまりにも新潟の選手のレベルに適さなかったという事です。

一言でポゼッションサッカーと言いますが、簡単に言うとボールを保持して主導権を握りパスで相手を崩すサッカーですが、このサッカーは個々の能力が高くなければ機能しない側面がある戦術です。

代表レベルの場合はポゼッションサッカーが適しているのはそれだけのレベルの選手が揃っているからで、ロシアW杯でもポゼッション志向のサッカーで機能したのがその典型です。

西野監督はガンバ大阪で10年間成功できたのは遠藤という稀代の司令塔がいたからこそであり、神戸、名古屋で成功できなかったのは遠藤に匹敵する選手がいなかったからでありポゼッション志向のサッカーほど選手の能力に委ねられてしまう側面が強いサッカーなのです。

選手が代わってしまうと突然上手くいかなくなるのは出場する選手の能力差があるからです。故に新潟のような個々の能力ある選手が揃わないクラブではこの戦術は不向きだったと言えます。

能力ある選手が揃うクラブは司令塔と兼ねて得点も狙える選手がいますが、新潟では複数の役割を求めてできる選手はいないだけにパスを中心にしてしまうとパスばかりになるのは吉田監督時代に経験していただけに誰が決めるのか不透明になってしまう側面が強くなり過ぎてしまいます。

鈴木監督が磐田を率いた時には名波浩という稀代の司令塔が君臨し、そこに高原、中山というJリーグ最強のFWがいた訳であの時代に唯一の弱点と言われたのがGKだけというチームでした。

その時代の成功をそのまま新潟に持ち込んでしまった事が正直なところ鈴木監督の失敗だったと言えます。磐田時代の選手達は経験豊富で、鈴木監督が求めた状況判断は当然抜群の経験値で機能し、スペースを探す事も名波浩という稀代の司令塔が真似できない想像力で打開していた訳ですから、これを今の新潟の選手真似できる選手はいない訳で土台からかなり難しいサッカーという印象を与えました。

鈴木監督が求めたサッカーはJ1トップレベルでもかなり厳しいものであり、A代表レベルでようやく実現できるレベルのサッカーだったと言えます。J1で史上最高の成績を上げたからJ2でも上手くいくとは限らない訳で新潟の現状のレベルを考えたら完成する頃には選手が入れ替わってしまうだけに長期的な視野を考えたら長続きしない選出だったと思います。

選手個々についてはハイレベルな事を求められてしまったがために迷宮に迷い込んでしまった選手も何人も出てしまったために結局のところ経験豊富なベテランばかり起用されて、若手は控えやベンチ外になってしまったというのがここ最近の戦いでした。

状況判断をするためにもそれだけの経験値が必要であり、想像力に優れた選手はそんなにいない訳で、頭を使え!考えろ!という言葉を言われた時点でこの監督の求めたハードルは想像以上に高すぎたと言えます。

物事それだけの経験を積まないと考えても答えが見つからない訳で、私も若い時代には同じ事を言われましたが全然できませんでした。でも今は多くの経験を積んだ事により色々な引出しから考えて判断できるようになりましたが、普通の人がやってそれなりの年月が必要な事をわずか1年でやろうとしていた訳ですから若手の多い新潟にはあまりにも課題が大き過ぎた。

J2を戦って感じた事ですが、やはり越したる戦術が必要であり、決まった攻撃戦術、守備戦術を用いる事で決まり事を作っておく事が必要という事です。既に私は新潟にはポゼッションサッカーは合わないという結論を出しているので、カウンターだけではどうにもなりませんが、カウンターとサイド攻撃を併用する攻撃戦術、守備戦術はポジショニングを重視したゾーンディフェンスでやった方が良いと思います。

守備戦術のマンツーマン、ハイプレスですが、今のサッカー事情を踏まえると夏場ではFWが走れなくなってしまう事と、プレッシャーを掛けても簡単に奪えないシーンが多くJ2では多くのクラブが中盤省略というサッカーをされてしまうだけに前から奪いに行こうとするとFWとMFの間が大きく空いてしまう弱点でボールを拾えないシーンが多かっただけに私はポジショニング重視の守備戦術にした方が良いと思います。

元々J2では能力ある選手が揃っているので無理にポジションを空けるよりもポジションを重視した方が相手も攻め所を失うし、真っ向から行くと手づまりなクラブもあるので下手に動いて体力を消耗するサッカーはしない方向にした方が良いと思います。

決まった攻撃戦術、守備戦術があれば加入する選手もその戦術をマスターすれば良いだけで、ないとやはりチームとして機能しないという事です。

新潟のクラブとしてこれまでの傾向を考慮した時に加入しても入りやすい戦術の構築を改めて目指さなければ選手も大変だし、迷ってしまうだけにポゼッションサッカーは断念し、カウンターとサイド攻撃の併用したサッカーを構築していく事を目指すべきだ。

なってしまった事は仕方ないので再びリセットされた中でこの半年間経験した事を次に活かせるように選手たちは全力でプレーしてほしいと思います。

そのためにもアルビファミリーの一員として全力でサポートしていきます。




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