25日J2リーグ18第6節が行われ、アルビレックス新潟はホームデンカビックスワンで6位徳島ヴォルティスと対戦し、1対0でアルビレックス新潟がFW河田のゴールを守り切りJ2では2003年11月23日以来となるホームでの勝利となり、3勝2分1敗勝ち点11得失点差+4で6位に浮上した。

大宮、甲府を破っている相手に苦戦を強いられたものの河田のゴールを守り抜いた先に待っていたのは勝利に喜ぶサポーターの歓喜だった。


愛媛戦に敗れチームに重苦しいムードが漂った中で迎えた徳島戦は本当にここで勝つと負けるでは大きく違ってくる分岐点の試合でもあった。勝てば2位以内が見えるが、敗れると2位以内が大きく後退してしまうという状況だ。徳島はここまで千葉、大宮、甲府に3連勝と開幕2連敗した事が嘘のように強豪と思われた3クラブに連勝しここで新潟が敗れると昨年のJ1クラブは全部敗戦する事になる試合でもあった。


ロドリゲス監督の下スペイン流のポゼッションサッカーを展開し支配率はJ2トップクラスという相手であり、これまでの対戦したクラブとは全く異なるサッカーで来る事は間違いなかった。当然それだけの苦戦は予想できたけれどそれが予想通りとなった中でどうゴールを奪うかがカギを握った。ここまで課題になっているシュート数の少なさもあり色々振り返る部分もある試合だったが勝ち点3をどうして獲る事ができたのか振り返りたい。

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アルビレックス新潟のフォーメーションは4−2−2−2

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前節からDF富澤に代わり輝綺がCBに入り、DMFに戸嶋がリーグ戦初先発となった。

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試合は当初の予想通り徳島がボールを持つ時間が長い展開となった。最初の数分で徳島の洗練された戦術が選手に浸透しておりロドリゲス監督の手腕の素晴らしさを立ち上がりでよくわかったが、確かにボールポゼッションについてはこの試合徳島の方が支配しており新潟は徳島の中盤の守備に苦戦を強いられた。


足元に優れた選手が多くないとこの戦術はなかなか実現しないが昨年のベースがある故にそのベースが今季さらに残った選手と加入した選手が上手く融合している。試合中に3バックだったり、4バックだったりと比較的3−5−2という感じのシステムで攻守で掛ける人数が異なった点も試合前に記事で色々拝見したがボールを自ら試合する時間を長く作るサッカーを目指している事が伺えた。


これが長い時間0対0が続くと個人的には嫌な感じがしたものの、この均衡を破ったのは個人の仕掛けからだった。前半30分中盤でFW河田がそのままボールを奪うとドリブルから中央突破しロングシュートを放った。これがGKカルバハルの手に弾かれるもボールはポストに当たりそのままゴールに吸い込まれ河田はこれがホーム初ゴールとなり新潟が先制した。


このシーンだけれど、再三私も言っているけれど多少遠目でもシュートを放つ事でサッカーは何が起きるかわからない。仮に弾かれてもそのボールがそのままゴールラインを割ればコーナーを獲得できるし、ディフェンスも戻り切れなければ他の選手が詰める事もできる。徳島のGKカルバハルの動きを見ると比較的ポジションが前気味にいる事が多かった。これも徳島のボールを保持する戦術の一環であるけれど、遠目から観ればゴールから離れている事で仕掛けどころから観ると枠を狙えるように見える。河田の位置からこの位置から狙えばGKが反応し切れないかもしれないととっさに判断した結果GKカルバハルは弾いたもののゴールポストの内側に転がってしまいゴールとなった。GKカルバハルの印象は確かに足元には優れていると感じるけれど、セーブ力は多少落ちる感じだ。シュートを放てば何かが起きるという事が証明されたシーンであった。


しかしその後は全くチャンスらしいチャンスは作れず押し込まれるシーンが続くも前半は1点リードで折り返した。後半は立ち上がりにビックチャンスを掴むも活かし切れず、徳島にボールを支配される苦しい時間が続いた。そして後半28分にこの試合2度目の最大のチャンスが訪れたが完全に崩した中で2点目を決められなかった。崩し間では100点というプレーだったが、最後の最後で決められない。これは開幕戦の完全フリーの坂井が枠にシュートを打てずに終わったシーンと同じぐらい決めなければならない場面で決められなかった故に苦しい試合となった。後半28分で決めていたら徳島も相当なダメージを受けていただろうし、この試合ほぼ決まったような試合だっただけに今の新潟は2点目が課題であり2点目を獲れるか獲れないかで苦しくするか?楽にするか?が決まるシーンで全く決まられない。


それでもディフェンスは1点リードしていた事で無失点に抑える自信は十分も持っていた。何度もピンチを迎えながらもゴールを許さずに新潟はホームで今季初勝利を掴んで7連戦のラストを飾った。

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試合全体として確かに徳島にボールを支配された試合であったけれど、逆に支配させたと捉える事もできる。これは新潟がこれまで対戦した相手が感じた事かもしれないけれど、徳島は確かにボールを保有する時間は圧倒的に長かった。しかしいざシュート数を振り返るとわずか5本しかない。最大に決定的なシュートは後半45分のFW山崎のシュートが最もゴールの予感を感じさせたシーンだった。それ以外については確かにボールを持たれゴール前まで迫っているんだけれど、クロスは確りはね返していたし、直接シュートは前半のシーンとFKのシーンがピンチだったが確り防いだ。


これは守っているとわかるんだけれどボールを回されていてもシュートを打たれないならゴール前を確り固めてしまえばそれほど怖くはない。ペナルティエリア外でいくらボールを回そうと回すだけなら怖さはない。そこからシュートを打たれたら怖いが徳島にはそういうシーンは後半45分のカウンター以外ではセットプレーからのシーン以外は僅かだった。迫っているがシュートは打たれないのは新潟のような状況と同じだという事だ。


新潟は6試合連続1桁シュート数という状況になり1試合平均7本という状況だ。前後半で分けた場合は3.5本という事になるけれど約13分に1本というシュート数をどう考えるか?というのがある。川崎のような毎試合2桁シュート当然であり、場合によっては20本以上の試合もある事を踏まえるとシュートを打たれる時間が長いのは相手にとって嫌がられる要素となるし、ゴールにならなくてコーナーを獲得できる可能もある。枠外ならカウンターを受けない。ボールを回しているとその分カウンターを受ける可能性が高まる訳だからシュートで終わるという鉄則が今の新潟にできているとは言えない。


この試合で収穫があったと言えば戸嶋がリーグ戦初出場を果たしボランチとして躍動した事だ。本来トップ下やサイドハーフが主戦場らしいけれど、トップ下経験があるのなら守備力さえ身につけばボランチでのプレーは全然可能だ。鈴木監督の戦術にトップ下はないのでCMFという位置づけで考えれば良いだけで今日の試合を観る限り90分間動き回って時にはボールを持って突破を計るなど随所でいいプレーを見せてくれた。これだけのプレーができるならサイドハーフとして出場させても良いのかもしれない。坂井が戻った時にどういう起用法をされるのか楽しみではある。


苦しい試合展開だったけれど、勝ち点3を獲れた事は1番の収穫だったと言える。J2ではどんなに内容が伴わなくても勝ち点3を重ねなければJ1昇格はない。判定も色々と不利な判定があったものの、そういうのを割り切ってプレーしないといけないし、これがJ2の普通なのだという位の心構えが必要だと思う。少なくても主審に八つ当たりしても中傷してもいい事は何1つ無い。


次節はアウェイで熊本と対戦する。熊本の2トップの得点力はかなりあるし、何より大宮を破っただけに油断ならない。今季初の九州遠征だがアウェイの洗礼は確実に待っている。アウェイの洗礼を乗り越えて勝ち点3を持ち帰ってきてほしい。





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