9日Jリーグ17第25節が行われ、アルビレックス新潟はホームデンカビックスワンで17位サンフレッチェ広島と対戦し、0対0で新潟は後半44分にFWタンキがゴールラインをわずかに割れなかった惜しいシュートがあったもののゴールを割す事ができずにスコアレスドローに終わったが12試合ぶりの完封と広島に勝ち点3を与えなかった事と15位、16位がそれぞれ敗れたため15位との勝ち点差が10となり、2勝5分18敗勝ち点11得失点差−33で最下位のままだった。


MFガリャルドが事実上の戦力外となり新加入したMF小川がトップ下に入りチームは躍動したが改めてシステムを見直す機会になりそうだ。

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絶対勝たなければならなかったのは確かな試合だったが15位、16位がそれぞれ敗れた事と広島に勝ち点1を分け合った事で最悪の事態だけは回避された。勝利していたら勝ち点差8だっただけに今の新潟にとって勝ち点差1で残留しなければならない厳しさを差し引いても1ではダメだという事だ。


このまま広島、大宮、甲府が勝ち点3を獲れる状況にある訳じゃないとはいえ直接対決は縮めるチャンスだったが、縮める事ができなかった。試合数的に勝ち点10点差4試合差という状況に変わりなく残り9試合で5試合しかチャンスがない。


この5試合で最低でも勝ち点5差以内の2試合差に縮めない限り残留は絶望的である事に変わりない。次の直接対決は32節の甲府戦となるがそこまで可能性を残す為にも勝ち点3を何試合積重ねられるか?それが現実だ。


この試合を振り返るに当たり1つの変化としてガリャルドが事実上の戦力外となった事だ。相手を蹴るという規律違反を犯した事で全体練習から外されたという事もあり今後戦力として期待する事はもうなくなったとみてよい。そしてこの試合で起用されたMF小川についても大武、磯村がいる事で連係の不安は他のメンバーより少ないとはいえる。


だた小川がトップ下がベストなのか?と問われるとこれは見直しが必要なのではないかと感じる。守備のベースを考慮した時には尚更そう感じてしまう。それはどういうことなのかは試合を振り返りたい。

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アルビレックス新潟のフォーメーションは4−2−3−1

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小泉が右SBで復帰し、CBに富澤が復帰し、トップ下に小川が初先発してスタートした。

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試合は序盤から膠着状態が続き、新潟はCKからチャンスを掴むも全く決める事ができない。これだけ空中戦に対して高い選手が揃いながら全く決められないという状況は今に始まった事ではないけれどこれだけ長身の選手とそれなりのキッカーがいながら決まらないというのはさすがに考えないといけない状況だ。もちろんそれだけ相手も研究しているからこそ決まらないとは言ってもだ。


この試合ではMF小川が新潟初出場でトップ下に入ったけれど、小川の存在自体は非常に効果的であり良かった。但し果たしてトップ下がベストなのか?と問われるとこれは再考しなければならない。


今季の10試合は三浦監督の下で4−4−2からスタートした。しかし補強した選手との相性もあり、ガリャルドの起用法に苦悩する事になった。私もこの補強を見た時にガリャルドという選手はトップ下が適任と当初思っていた訳だけれど、三浦監督にはトップ下のシステムオプションがなかった。今になって色々詮索するような事は言いたくないのだが、吉田監督まま今季も迎えていたなら強化部も当初は吉田監督の続投で補強を進めていたと思う。


特に外国人は監督の特性に合わせたサッカーが必要となる訳で前年に代わっても支障ないのは外国人選手が残留した場合のみだ。日本に慣れた選手なら監督が交代しても対応できる訳で実際に昨シーズンのレオ、ラファ、コルテースは対応できた。


強化部も3人がいなくなることを想定し吉田監督のリクエストに応えられる選手をピックアップしていたはずだ。ところがその吉田監督が解任となりシーズン終了間際だった事もありここから外国人選手の変更は非常に難しいという状況だったのだと思う。


もし吉田監督のままだったならポゼッションサッカーは継続され、その中でガリャルドはインサイドハーフ、ジャンも同じく、ホニをサイドハーフもしくはウイングで起用しようと考えていたのだろう。確かにそう考えれば3人の補強はマッチしたものになったとは思う。


ところが三浦監督になってから元々三浦監督がリクエストした補強じゃなかった事は容易に想像つく。そうなった時に活かし方が変わるとなると適応できたのは開幕当初ホニだけだったという事実を踏まえると監督を容易に代えてしまう事がいかに予算のないチームでは大変な事なのかを大きな代償として払わされている。


監督が代われば良くなると勘違いしている人が多いんだけれど、それは少なくてもトップクラスの選手が揃ったチームならまだしも、新潟のような予算が下位チームではそういう考え持ってはいけないという事だ。常に継続でやってきたチームにとって監督の途中交代はチーム崩壊に至る訳で、サッカーほどチームが代わると適合するかしないかは実際にプレーしないとわからない部分が強い。すぐに適合できるケースは本当に色々な諸条件がその選手に合っていたからであり、もしくは以前所属していたチームの監督だった事で熟知しているかだ。


残念ながら今の呂比須監督の下では誰1人指導を受けた事もなければ、日本でのコーチ経験5試合はほぼなしと考えても事実上誰もいない訳だ。日本とブラジルでは全然環境も違う訳で日本でのプレー経験と指導経験は全然別物という事を十分理解しないといけないという事だ。


この試合では連係ミスが多かったのはそれだけ選手がキャンプもなしに途中加入した選手ばかりになったからであり、これは広島にも言えた事だけれど、広島もまたこれまで10年積重ねたミシャシステムと決別し選手構成にはないサイドバックシステムである4バックを採用したが、正直サイドバックが機能していたとは言えなかった。


広島の場合は10年ミシャシステムである3バックをやってきたからこれを4バックにするというのは確かに千葉、水本はかつて4バック経験者ではあるけれど、6シーズン以上4バックを経験していない。そうなると動きはギクシャクであり、攻撃も変わっただけに機能不全に助けられた。


連係ミスからピンチを招いたがGK大谷の好セーブやDF陣の踏ん張りでゴールを許さなかった点はこの試合1番評価できる点だ。守備はかなり改善された。和成も復帰してディフェンスラインは統率が獲れるようになると思う。


一方攻撃面については冒頭でも語っているように連係ミスで繋がらないシーンが目立った。先発したメンバーの半数以上は開幕スタメンじゃない訳で同じポジションで先発したのが富澤だけというあまりにメンバーが代わり過ぎた。


これで連係を良くしろと言われても唯一大武、磯村、小川のラインについては名古屋でやっていたから連携は取れるけれど、それ以外は簡単に取れない。ホニやタンキの連係ミスが目立つのも合流して連係の精度を向上させる最中だからだ。


堀米、山崎についてはキャンプからプレーしたので問題ないが、ホニ、タンキの連係を考慮した時に果たして今のポジションがベストなのか?という部分がある。貴章の怪我が完治したら右SBに戻して慶を本来のボランチに戻る事になれば右サイドの連係問題はかなり解消されると思う。


右サイドを名古屋でプレーした4人が並ぶ事で連係問題は無くなるし、左サイドも慶が入る事で堀米、山崎の3つの連係も解消される。そう考えた時に出る結論は1トップトップ下をやめて2トップにする事だ。


この試合では途中から大に代えて富山を投入し、小川が事実上のボランチの位置に入った。大の守備力を踏まえれば小川が入っても守備力はむしろ小川の方が上だ。やはり小川のトップ下という部分を考えた時に小川が1番躍動するポジションは何処か?と問われるとやはり右サイドハーフになる。


名古屋時代は特にピクシー時代は右サイドハーフ、右W、右インサイドハーフとしてプレーした。小川の特徴を活かすなら右サイドハーフがベストだと思う。


ホニのスピードを活かす事を考えるとホニ、タンキの2トップが今はベストだと感じるし、2人が近い位置でプレーする姿はスピードのホニ、高さのタンキと2人だけの連係でゴールを狙えると思うし、やはり相手としても中央付近にホニがいてサイドに流れられる方が嫌だと思うんですよね。


右や左限定だと抑えられてしまうケースが目立つし、これだけメンバーが入れ替わったので連係にも苦労している姿がある。途中で富山という手がある事を踏まえれば今の新潟には4−4−2が適切ではないかと思う。

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ガリャルドを事実上の戦力外にしたなら尚更トップ下廃止を考えた方が良い。そうでなくても守備時は4−4−2で守っている訳だから尚更だ。


どちらにしても射程圏に近づかない限り最下位から抜け出す事はないので今は15位だけ目指す事だけ考える。次は首位鹿島という事で鹿島にとっては貯金シリーズになるだろうが、新潟にとっては犠牲を払っても勝ち点3を獲らなければならない。今持てる力を出し切って挑もう!

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