原作者、監督自らを主人公にするケースは珍しいけれど、

演じるのが片岡愛之助さんという事で確かに自ら主演するには

年齢的にも無理がある訳で、その点では自らをどう描くのか？というところが見所になる。

実際に楳図かずお原作の映画作品ではおろちを見た事があるけれど、

なかなか難しい作品ではある。

今回は自らの母の亡霊に追われるストーリーなので

追われた先にみる結末とはどんなものなのだろうか？

キャスト

楳図かずお演じる片岡愛之助

若草さくら演じる舞羽美海

楳図イチエ演じる真行寺君枝

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

数々のヒット作、名作を放ってきた漫画家・楳図かずおのもとに、

ある出版社から彼の半生を記した書籍の企画が舞い込んでくる。

その担当編集者となって取材を重ねる若草さくらは、

楳図の創作の原点が亡くなった母親イチエにあることを知る。

やがて、別荘の窓に残された謎の手の跡、

タクシーの隣席に存在しないはずの人影、楳図の周りに漂う紫煙、

イチエの葬式の参列者の写真に写る彼女自身の姿と、

調査を進める彼女と楳図の周囲で恐ろしい現象が頻発する。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして楳図かずおは数年前にに母親を亡くしていた。

そんな中で楳図かずおに自身の半生を出版しないか？という企画が舞い込んでくる。

その企画のために取材する編集者若草さくらは取材を通じて

楳図かずおの半生を追っていくが、

そんな中で楳図かずおの周りで不気味な現象が起こり出す。

その現象を調べる為にさくらは楳図かずおの故郷へ取材に向かうが、

そこで待ち受けていたのは死んだはずの楳図かずおの母親イチエだった。

さくらはその前に親族の取材でイチエについてあまり語られない事に違和感を感じるも、

楳図かずおの母イチエが住んでいた家へと向かうと、

そこにイチエが現れあまりの恐怖にさくらは放心状態で発見されたのだった。

それを知った楳図かずおはその原因が自身にあると感じて

自らこの問題を解決しなければならないと感じるも、

イチエの亡霊は次々と楳図かずおとさくらを襲ってくる。

追い込まれた楳図かずおとさくらはイチエが嫌いな絵を描いて、

その絵を持ってかつての母校へと向かうのだった。

果たして楳図かずおとさくらはイチエの亡霊から逃れる事ができるのだろうか？

結末は劇場で観てほしいけれど、

亡霊そのものは楳図かずお自身が起こした現象な訳だけれど、

こうなってしまうと克服するためには自らが克服しなければならない訳であり、

その克服のためにどうしたらよいのか？と模索するものだ。

しかしその亡霊を止める為に多数の犠牲者も出してしまった訳で、

ある意味楳図かずお自身が原因の心霊現象と言える。

しかし心霊現象を振り切るには自らが立ち向かわなければならない

という事を楳図かずお自身が示した格好のストーリーだった。

総評としてストーリーはそれほど複雑ではなかったものの、

どうして亡霊として出てくるような事になってしまったのか？

という点ではイマイチ理解し切れなかった部分があった。

ただどんな理由であれ自ら招いた原因で現象が起きたなら

自ら解決しなければ終わりはないという事を

確り描かれていた事は何事も自ら解決する必要性を説いていた。



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