3月29日公開の映画「白ゆき姫殺人事件」を鑑賞した。

この映画は湊かなえ原作の「白ゆき姫殺人事件」を映画化した作品で

長野の公園で遺体となって発見された美人OLの殺人事件を巡り、

Twitterとワイドショーで様々な展開と憶測が流れ、

ある女性が容疑者として浮上し犯人扱いされていくが、

事件の真相を辿っていくと容疑者の女性の真実が描かれて行くストーリーである。

世の中数多くの殺人事件があるけれど、

実際の殺人事件でこの映画のような事をしたら

何の罪のない人が犯人扱いされ苦しまなければならないという

マスコミ、メディア、そして一般人の冤罪行為も描かれ、

事件を語る上では絶対に避けられない事である事と、

普段の事件に対する発言はそれだけ慎重にならなければならない

という事を痛感させられる事になるだろう。
Twitterを用いた劇場型殺人事件として描かれていく作品ではあるけれど、

普段から色々な殺人事件が報じられているけれど、

本当の殺人事件は映画やドラマと違い実際に起きている事件であり、

本来ならうかつな発言は慎まなければならない。

ドラマや映画の事件については放送中に色々と予想して

ツイートする事はフィクションなので全然良いんだけれど、

実際の事件になった時には勝手な憶測で予想したらいけないし、

その行動1つが何の罪のない人を犯人扱いにしてしまう事は珍しくない。

ある事件では某有名タレントが勝手に犯人と思い込んであなたが犯人!

と公言して訴訟沙汰になったが、

少なくても私たちは警察ではないので犯人を逮捕する場合は

痴漢や暴行、万引きなどの現行犯でしか捕まえる事ができない。

とはいえそういう犯人を捕まえるには相当な力と絶対的証拠がなければならないので

特に痴漢については冤罪行為が後を絶たないケースもある。

痴漢の場合捕まったら99%有罪という

それでもボクはやってないで見事に描かれたが、

この作品もそういう要素を秘めた作品であり、

観た私たちは本当の事件を扱う時にはこういう事をしたら

1人の人生を大きく狂わせる事を認識しなければならない事を痛感する。

果たしてこの白ゆき姫殺人事件の事件の真相とは?

そして行きついた先に待っている結末とは?

キャスト

城野美姫演じる井上真央

赤星雄治演じる綾野剛

狩野里沙子演じる蓮佛美沙子

三木典子演じる菜々緒

篠山聡史演じる金子ノブアキ

前谷みのり演じる谷村美月

満島栄美演じる小野恵令奈

長谷川演じる染谷将太

城野皐月演じる秋野暢子

城野光三郎演じるダンカン

間山演じる宮地真緒

江藤慎吾演じる大東駿介

谷村夕子演じる貫地谷しほり

八塚絹子演じる山下容莉枝

尾崎真知子演じる川面千晶

島田彩演じる野村佑香

小沢文晃演じる草野イニ

平塚演じる朝倉あき

水谷演じる生瀬勝久

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

誰もが認める美人OLが惨殺された。

この不可解な殺人事件を巡って、

一人の女に疑惑の目が集まる。

同期入社の地味な女性・城野美姫。

テレビのワイドショー取材により、

美姫の同僚・同級生・家族・故郷の人々が様々な噂を語り始める。

過熱するテレビ報道、炎上するネット、噂が噂を呼ぶ口コミの恐怖。

果たして彼女は残忍な魔女なのか、それとも……!?

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして白ゆき姫とは最初何なのか?

というところから実は私は考えてしまったんだけれど、

これは殺された美人OL三木典子が務めていた

化粧品会社の大ヒット商品石鹸「白ゆき姫」から取った事件名である。

確かに殺された三木典子はかなりの美人なので

そう呼ばれても事件名としては納得できる。

ただ本題としてこういう事件になると必ずと言って良いほど

ミヤネ屋のようなワイドショーで扱われる。

しかも主婦層に解り易いように・・・

それがあたかも怪しい人物の目撃情報が出てくるようなら

余計主婦層は信じ込んでしまう傾向がある。

もちろんこれは全ての人がそうだというのではなく、

それなりの人たちがテレビやマスコミ、メディアの行っている書かれている事を

信じてしまうという事だ。

そして今回はそこにTwitterでもこの事件が語られる訳だけれど、

Twitterの場合犯人逮捕後というならまだそれなりに状況証拠が揃い、

この事件について短く印象が語られたりする事はある。

私も逮捕後では以前市橋事件をBlogで書いた事があるので、

それはあくまで逮捕後の話であり、逮捕以前の話ではない。

逮捕するという事はそれだけ物的状況証拠が揃った中での話なので

逮捕前に犯人扱いする事は犯人でなかった時のリスクは大きい。

あののりピー事件ですら逮捕されるまでは信じた。

それだけ実際の事件をTwitterやBlogなどでネットで語れる時代である以上は

実際の事件を語る事は時として重みを持つ事になる。

事件のその後についてはその事件が終わったからと言って許される訳じゃない事は

付け加えておきたいところだが、それは事件の経緯を語った上でで終盤に触れる事にする。

事件は三木典子が殺害された事で当然警察は犯人を追う訳だけれど、

追ったのは警察だけでなく、メディア、そして一般のTwitterでもこの事件が取り上げられる。

Twitterは最強の口コミツールなので広がったら格段に広がり続ける。

Twitterにはリツイート機能がある故に1人でも1万フォロワーを超えたフォロワーが

リツイートすると1万人以上の人に伝わる。

故に公に語ると同じ訳だ。この事件は化粧品会社に勤めていた

OLが殺された事でその会社のヒット商品「白ゆき姫」石鹸から

取った白ゆき姫殺人事件として注目されていく。

ここで証言される会社の同僚は4人

狩野里沙子

満島栄美

篠山聡史

小沢文晃


この4人に契約ADの赤星雄治がTwitterアカウント@RED_STAR_07 で

この事件をつぶやいていく事でTwitterとワイドショーで取り上げていく。

今の時代はスタッフや有名人が自らのアカウントで

色々ツイートするのは珍しくないが、

この赤星にはITリテラシーの欠如が見受けられる故に

本来はこういう事を語るのはやってはならない事だ。

まだ犯人像も見えない中でまるでこの4人からある人が犯人じゃないか?

というコメントをもらうような取材は本来ワイドショーではやってはならないし、

ある意味可能性の段階なのでワイドショーも慎重さに欠けた報道をしている。

この同僚4人の証言で浮上したのが城野美姫という地味なOLだ。

三木典子と同期入社で学歴では城野美姫が大卒、

三木典子が短大卒という学歴差があった事で学歴差による妬み、

そして城野美姫の好きなものを三木典子が横取りしたという証言が得られたのだった。

こういう美人で人当たりの良い三木典子のような人と

城野美姫のように人見知りで印象に残らない人では

なかなか周りの印象度が違ってくる。

印象に残らない故に逆に怪しいのではないか?

という周りの思い込み的なコメントが目立つが、

それを追えば追うほど城野美姫が怪しく映る。

人って怪しく見れば見るほど怪しく見えてしまうものだ。

そしてさらに悪いのは見かけだけで決めてしまうという点だ。

確かに見かけは印象に残らない。

けれどだからと言って見かけだけで犯人と決め付けてしまうのは

ある意味怖い部分がある。

よく世間ではあの人がある事をやっているなんて記事が躍る事がある。

誰とは言わないが、それにより順調だった仕事がなくなるというケースも珍しくない。

それが実際に逮捕され事情聴取で認め、決定的な証拠があるのなら仕方ないが、

そうでない以上容疑者でも重要参考人でもない。

それをあたかにあなたはやっている的な犯人扱い的に取り上げるマスコミは

どういう決定的な証拠を得て報じているのか?という部分がある。

実際に報じられた人でも逮捕されていない人は少なくない。

ただここで1つ言えるのは真実は1つであり、

その真実を知っているのは本人のみぞ知るという事だ。

もちろん私も語れない情報を持っていたりする。

それは口止めされているのではなく語るべきことではないからだ。

そんな祭り状況になり次に赤星が追ったのは高校時代の同級生、

中学時代の同級生、小学校時代の同級生や近所の人だ。

しかしネットではどこでそんな詳しい情報を持ってくる奴がいるけれど、

どこでその情報を仕入れているのか?

同級生やそれに近い人なのか?

そうでなく相当な情報通の人たちなのか?

そんな情報を入手した中で

大学時代の友人

前谷みのり

高校時代の同級生

尾崎真知子

島田彩

中学時代の同級生

江藤慎吾

小学時代の近所の住人

八塚絹子

小学時代の同級生

谷村夕子

そして城野美姫の両親
も登場する。

ここで摩訶不思議なのは小中高とそれぞれの時代の人たちの中に

城野美姫は怪しいという証言をしている事だ。

小学校時代にある事件をキッカケにある親友と絶縁になり、

中学校時代にはサッカー部だった少年が交通事故、

高校時代にも影が薄かったというからまるで犯人で間違いない的なコメントばかりが並ぶ。

それが真実なのか?

とこれまた赤星がこの取材をワイドショーで流した事により

城野美姫はTwitterで犯人と断定されて本人が追い込まれるのだった。

そしてここで城野美姫自身がこの事件について語り出していくシーンが始まる。

果たしてこの事件の真相とは何なのか?

そして犯人は本当に城野美姫なのか?

結末は劇場で観てほしいけれど、

事件を追っていく事で真相が見えて行く訳だけれど、

まずどうして城野美姫が犯人扱いをされなければならなかったのか?

という点から入るけれど、城野美姫は小学校から中学、高校までは

本当に不運な学校生活を送っている。

小学校では意地悪な教師によりいじめられる環境を作られてしまっている。

あれほどいじめの温床を作る教師も珍しいけれど、

城野美姫の親友だった谷村夕子が当時あかねという美少女の存在により

たこというあだ名を付けられて後々いじめと引きこもりに追い込まれている。

これは正直教師の傲慢と言うしかないし、

当時の教師が谷村夕子を引きこもりに追い込んだ犯罪者と言うべき存在だ。

それにより城野美姫自身も不遇の小学校時代を送っており、

この時代に不運にも神社で呪いの儀式をやった事で火事を引き起こしてしまっている。

逆に言えばこの火事もまた教師の傲慢なあだ名付けが招いたものであり、

教師の罪は大きい。

これが城野美姫のその後の不幸の始まりと言うしかない。

これは私も学生時代のいじめられた経験があるのでわかるけれど、

城野美姫にとって教師や同級生という存在そのものが忌まわしいものである。

そして当時の同級生たちも同じくだ。

城野美姫はこの時代の人たちとの交流は現在ほぼない訳で、

証言の多くは当時のイメージしか持たない同級生たちのイメージで語っているという事だ。

当時の城野美姫の周りで起こった行動が10年以上の時を経ても

そのイメージしか残っていないという事なのだ。

多分私の場合も今の私を知らない人の多くは当時のイメージのまましかないだろうし、

当時の印象を聞かれればあんな奴だったみたいな言い方をされるでしょうね。

それが中学、高校と続いていく訳だけれど、

城野美姫にとって唯一大学時代だけは友人と言える人と出会っている。

城野美姫に関する中で唯一親友、友人として登場するのは

谷村夕子、前谷みのりだけという事なので

いかに城野美姫に対する印象が良くなく、

薄いのかというのが小中高の時代で語られている。

私ももう20年以上前の話にはなるものの、当時の出来事って正直思い出したくもない。

それが故に当時の人とは誰とも交流すらない訳であるし、

そんな最中にどういう事なのか同窓会の案内の連絡が届いているんだけれど、

もちろん欠席で投函する。

好き好んで出席する事でもないし、

それよりも今は大切な事もあるのでこの劇中で登場する

城野美姫も今の自分の方がやりたい事、

好きな事を見つけられている印象がある。

周りの印象はあるものの、それは観た人の印象によって変わる訳であり、

その印象のまま受け入れると本当の本質が見えなくなるものだという事を

この作品では描かれている。

殺された三木典子については何でも自分のものにしてしまうような人時々いますよね。

それが良いのか悪いのかは人それぞれですが正直人の好きなものを

色々真似ている姿には確かに違和感を感じるし、

それをあれだけの美人に真似られたらそれはたまったものではない

と思う人はいるでしょう。

ただその反面こういう人は自分の好みというものが実は無かったりする。

身近な人が良いと思ったものを次々を真似ているという感じだからね。

劇中から感じる限り三木典子と言う人物は真似るのは

上手いがその反面自分の好みというものが無い人なのだと感じる。

故に最終的にはそれぞれ身近な人の真似過ぎた事により

嫉妬心を買って殺されてしまっている。

これはわたしか感じた部分なので他の人が観れば

違う感じ方をするのだろうけれど、

他の人にはない個性を出していたなら

このような嫉妬心を招かなかったのかもしれないと感じる。

総評としてこの事件は最終的には三木典子は城野美姫が殺した事に

仕立てようとした人物がいたのは事実であり、

それ故に城野美姫は不幸に不幸が重なって知らぬうちに

世間に完全容疑者とされてしまった。

色々な人の思い込みによる断定容疑者というものだけれど、

これが本当の殺人事件で逮捕される前にこれをやったら

追及した人が犯罪者同然になってしまう。

あの夫人のようにね。

城野美姫がどうして行方不明になったのかという経緯は劇場で観てほしいけれど、

不幸が不幸を呼ぶ事はあるものの、

これは不運が不運を呼んでしまったと言うしかなく、

城野美姫もまた被害者なのだ。

私たちはBlogやTwitterで色々な批評や意見をしたりする。

それも理由を述べての意見、批評故に成り立つ。

しかしこういう殺人事件では逮捕されるまでは容疑者扱いしてはならない。

その時点で疑いを掛ける事そのものが私たちが無実の罪の人を追い込んでしまう事になる。

赤星のようなメディア関係者が色々な取材をするのは結構だが

こういう取材はあくまで逮捕後もしくは指名手配、

逮捕状が出た後の話だという事を忘れてはならない。

それを忘れて暴走してしまうと今回のような事態になるという事を

この映画で私たちに警告している。

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