8月10日公開の映画「少年H」を鑑賞した。

この映画は太平洋戦争直前から終戦後に掛けて

ある一般家族の日常生活を描いたストーリーである。

戦前の日本は上の命令が絶対だった時代において

その考えに捉われない中でも従うしかなかった家族と生きるために

戦争と向き合った家族の絆が描かれており

戦争に行かなかった家族の戦争の視点が描かれており

改めて戦争の悲惨さが知ることになるだろう。
終戦直前に公開されたこともあるけれど戦争は戦場に行く人だけが

戦争ではなく国民も戦争に動員された時代だ。

国民総動員という号令の元で国民は軍の統括に置かれたような時代において

1つの家族が描かれる。

お話しは本当に普通の家族であり、軍人がいる訳でも恵まれている訳でもない。

ただそれだからこそ国民の目線から見た戦争という視点で見られる訳でもある。

果たしてこの戦争で国民はどう見ていたのだろうか?

キャスト

妹尾盛夫演じる水谷豊

妹尾敏子演じる伊藤蘭

妹尾肇演じる吉岡竜輝

妹尾好子演じる花田優里音

うどん屋の兄ちゃん演じる小栗旬

下山幸吉演じる早乙女太一

田森教官演じる原田泰造

久角教官演じる佐々木蔵之介

吉村さん演じる國村隼

柴田さん演じる岸部一徳

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

昭和初期の神戸。

洋服仕立て職人の父・盛夫と、

熱心なキリスト教徒の母・敏子との間に生まれた肇は、

好奇心旺盛で正義感の強い男の子に育っていた。

胸に大きく「H」と編みこんだセーターを着ていたので、

“エッチ”というあだ名で呼ばれるようになる。

やがて世の中は軍事色が濃くなっていき、

ヨーロッパでは第二次世界大戦が始まる。

そんな時、彼にオペラを教えてくれた近所のお兄さんが、

スパイ容疑をかけられ特別高等警察に逮捕される。


結末は劇場で観てほしいけれど

今回のレビューとして妹尾家は洋服屋を営むごく普通の一般家庭だった。

太平洋戦争が始まる前は外国人向けの洋服も手掛ける事もあり

外国人に対するお客も少なくなかった。

そんな事情もあるのか社会情勢については

他の一般家庭と違い国際情勢に関する情報も入ったりしていたようだ。

そんな中で息子肇はセーターにHのマークを付けたセーターを着た事でHというあだ名が付く。

そんな肇も太平洋戦争が近づくにつれて色々な変化に遭遇する。

まず近所に住んでいたうどん屋のお兄ちゃんが突然警察に逮捕される。

子供の肇には全く分からない事態に父の盛夫は

国と考えの違う人は捕まると説き利かす。

この時代は考えが違えば非国民と教師や教官や士官などから

殴られるような時代だった訳である意味戦前の日本は精神論と根性論、そして管理社会だった。

そして妹尾家はキリスト教を信仰する家族でもあった事により

それが太平洋戦争が近くなるにつれて周りの目も次第に変わっていく。

劇中でも出てくるけれど野球もストライクが良し、ボールが駄目、アウトが死、

あとは全てポジションから全て漢字表現に通達された。

それが今の漢字表記に繋がる訳だけれど、

何もかも外国語排除という国策は良くない事は戦後であれば

十分理解するに至る訳だけれど、この時代は国の方針が全てだった。

そんな中で盛夫に外国人との付き合いがあったためにスパイ容疑が掛けられてしまう。

その外国人との付き合いは太平洋戦争が始まる前に帰国しており

情報を流す事は無理な訳だけれど外国人と付き合いがあるだけで

容疑を掛けられた暗黒時代だ。

肇もまた学校で外国人との付き合いがあった事でいじめの対象となる。

それに肇の場合どうしても意見する事で対立するケースが多く

数多く上級生や士官らに殴られるシーンが多い。

そんな中で盛夫も肇も国の為に盛夫は消防団に、肇は学校で軍事訓練を学ぶ。

しかし戦争は次第に悪化し昭和20年に入ると本土空襲が現実のものとなった。

当初は消化版を結成して対応しようとしたが

あれだけの醤油弾を投下されてはどうする事もできない。

あれだけ飛散されたら防ぎようもないし木造家屋の多い日本ではひとたまりもなかった。

一度は消化しようとするも追いつかず肇は母敏子と共に

父盛夫のミシンを外に運び出すがそれが精一杯だった。

結局神戸は焼野原と化して終戦を迎えた。

終戦後それぞれが生活するために必死になっており、

そんな中で肇もこれからどういう道を歩むべきなのか考え込んでいるのだった。

果たして肇はこの戦争をどう見てどんな道を歩んでいくのだろうか?

結末は劇場で観てほしいけれど、1つの家族の戦争体験が描かれた訳だけれど、

元々盛夫は軍に入隊するにも視力が弱く体格も小さかった事もあり

召集令状は届かなかったがそれでも消防団に入団して戦争に関わり、

肇もまた召集令状が届いた人の自殺やいじめや上級生や上官に殴られる事が多く

その不合理とぶつかり続けた。

戦争が無ければ失う事のなかった命もあるし、

戦争が無ければ殴られる事もなかったかもしれない。

そういう苦しさを乗り越えた先に肇にはやりたい事を見つける。

そして焼け野原から再建して行く姿がその先にあるのだった。

総評として毎年必ず数作品戦争に関する作品を観るけれど

戦場に行かなかった家族そのものが描かれる作品はそんなに多くは無い。

そんな中で戦争に行かなくても戦争に関わり

多くの犠牲者を出した戦争はもう二度とやるべきじゃないし

やってはならないと改めて感じる。

戦争に関わらなかった人は誰もいない訳でありその国民すべてが

犠牲者なのだという事を改めて感じる事になった。

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