19日(日本時間20日)FIFAコンフェデレーションズ杯日本対イタリア戦がレシフェで行われ

3対4でイタリアが歴史と経験の差で勝利したものの

日本はMF本田のPK、香川のボレー、岡崎のヘッドで

イタリア自慢のカテナチオを3度も破りイタリアにとって敗北に等しい内容に

世界と戦うための攻撃と守備の課題をこの2試合で屈辱と共に体感した。

試合は序盤から日本は挑戦者としてイタリアゴールに迫る。

そして前半21分MF岡崎がPKを獲得してこれをMF本田が決めて

日本が先制すると前半33分CKのこぼれ球からMF香川のボレーが決まり

日本がまさかの2点リードを奪った。

しかしイタリアも反撃に転じ、前半41分CKからMF デ・ロッシに決められ1点リードで折り返した。

後半イタリアは立ち上がりを攻めて後半5分にDF内田のオウンゴールで同点にされると

後半7分MF長谷部がハンドを取られてPKを与えこれをFWバロテッリに決められ逆転を許す。

しかし諦めない日本は何度もイタリアゴールを目指し

後半24分FKからMF岡崎のヘッドが決まり再び同点に追いついた。

しかしイタリアは後半41分MFジョビンコに勝ち越しゴールを許し、

日本も最後までゴールを目指したがイタリアの壁の前に予選リーグ敗退が決まった。

これで日本は予選リーグ敗退が決まり

ブラジルとイタリアに世界で戦うために必要な事を魅せつけられたが、

イタリアから3ゴール奪った事は今後に向けて大きな3ゴールとなった。
悔しい試合だったけれど、これが歴史と世界の差である事も同時に痛感した試合だった。

セルジオさんに言わせれば厳しい言葉を掛けるべきだというが、

そもそもがJリーグが発足してから20年でイタリアと真剣勝負の場で

ガチンコ勝負で3点を奪った事をまず評価すべきであり、

これからさらに20年、30年で日本選手が

欧州のCL、ELに出場するクラブチームのレギュラーがスタメンで

11人以上揃った時に初めて私は

ブラジル、アルゼンチン、イタリア、ドイツ、フランス、スペイン、オランダ、イングランドなどの

トップ10と互角に渡り合えると考えている。

特にこの3年でスタメンの8人が欧州主要リーグに所属して

レギュラーを獲っているだけでも4年前には考えられなかっただけに

ここ数年の成長は欧州での経験があるからこそである。

この試合でやはり1番輝いたのは欧州リーグに所属する選手達だった。

昔ジーコは言った日本には欧州でプレーする事が必要だと・・・

それが現実になりつつある訳であり、

これからさらに上を目指す上でも必要な事だ。

もちろんこの試合の悔しさは絶対に忘れてはならない。

その上で希望と今後の課題について振り返りたい。

ザックジャパンのフォーメーションは4−2−3−1

GK川島

DF

右SB内田 CB吉田 CB今野 左SB長友

MF

ボランチ 長谷部 遠藤

右SH岡崎 トップ下本田 左SH香川

FW前田

ザックジャパンベストメンバーで集大成としてイタリアに挑んだ。

試合は前半から日本が前線からのプレスでイタリアを苦しめる。

自由に組立させなかった事は日本にとって良かった部分だったし、

元々前線からのプレスが日本の持ち味だった訳でそこは上手く機能していた。

そして前半21分の岡崎の飛び出しはブッフォンの危険なタックルによるファウルでPKを獲得し、

これをMF本田が決めて日本が先制する。

イタリアからどんな形でも先制する事が必要だっただけに

これで日本は自信を持って攻撃を仕掛ける事ができるようになった。

そして前半33分にはセットプレーのこぼれ球をMF香川がボレーで決めた。

このシーンは岡崎がプレーに関わっていないので香川が上手く飛び出した。

見事なゴールだったし、マンチェスターでプレーしているプレーを

ここで見事に披露した事は香川の価値を高めるプレーでもあった。

しかしその後イタリアも攻勢に転じて前半41分CKから

MF デ・ロッシにゴールを決められる。

さすが一瞬の隙を逃さないイタリアの強かさだった。

前半は1点リードを折り返した。

しかし後半ここで世界の差を見る。

後半5分DF吉田の1つの判断が明暗を分けた。

ここで確りクリアしていたら少し違ったのかもしれない。

DF内田のオウンゴールで失点してしまったがこれは責められないプレーだ。

そして2分後には今度はMF長谷部のハンドでPKを献上し

これをFWバロテッリに決められ逆転を許す。

しかしここで日本は諦めなかった。

後半21分セットプレーからMF岡崎が鮮やかなヘッドで再びイタリアゴールを破る。

ここでイタリアディフェンスに競り勝ったのは本当に大きなプレーだし

日本にとっても今後破れないゴールはないと自信を持ってプレーできるシーンだった。

しかしイタリアは最後までゴールを目指せる体制を残して

後半41分MFジョビンコにゴールを許して再逆転される。

日本もその後決定的なシーンがあったけれど

オフサイドと判定されたが日本はイタリアとの公式戦で

はるかに大きな差があったイタリアに対して屈辱的な3得点を上げて

日本のサッカーの力を見せる事はできた。

まず攻撃面では最後まで挑戦できていた。

特にイタリアが3失点する事そのものがなかなか見られる光景ではない。

これは全て欧州でプレーする選手達の力によるものであり

欧州でレベルの高いサッカーを経験して行けば

十分欧州の強豪と渡り合えるだけの力がある事は証明できた。

しかし守備に関してはこのままでは対抗できない事も同時に突きつけられた。

前線のプレスは良いけれど最終ラインのプレスはやはり強豪とやる時には不向きだ。

その点を考慮しても2列目では前線の守備をして

ボランチ以下はポジショニングをしていく事が必要だと感じる。

イタリアの守備をみればわかるが、

ゴール前では徹底的なポジショニングで守備をしているし、守備が統率されている。

ゴール前では確実に人数を掛ける必要性と守備面の重要性を教えられた。

まず1年後に日本が決勝トーナメントへ行くためにはセンターラインの守備の強化だ。

現状サイドバックはこの大会でも内田、長友がレベルの高いプレーを見せる事ができていたし、

これも2人がCL、ELでプレーしレベルの高いチームでプレーしているからだ。

控えも高徳、宏樹がいるのでサイドバックについてはこのままで良い。

但しことセンターバックは見直しが必要だ。

特にフィジカルで競り勝てるだけのセンターバックではないというのが

セットプレーの弱さに繋がっている。

吉田はプレミアでプレーしているので今後も成長が見込めるし、

高さ対策としても必要だが、

今野については高さが無い分世界と戦うにはフィジカルで競り勝てるだけの力はどうしても劣る。

今野はセンターバックとしてはアジアで通用しても世界では厳しいという見方をしてしまう。

その点を考慮するとセンターバックはそろそろ闘莉王のカムバックを考えた方が良い。

今野は控えとしてセンターバックとボランチを兼務できるという点では

重要視されるので残すとしても、

問題は6年間コンビを続けている遠藤、長谷部のボランチコンビの見直しだ。

やはりここの守備力が低いとどうしても全体的な守備に影響を及ぼす。

実際に南アフリカの時はアンカーに阿部が入っていたから

気にならなかったがアンカーを入れてしまうと前線の枚数を1枚削らなければならず

その点を考慮してもダブルボランチの入替えは1番の課題だ。

細貝が来季ブンデスで常時レギュラーでプレーすれば細貝を入れるべきだろうけれど、

それ以外では続く選手がいないのが実情だ。

特に遠藤の運動量の低下はこの大会でも見てとれただけに

本来は遠藤はスタメンで起用せずサブから出場させても良いのではないかと思う。

さすがに日本は本田に依存していると言われるが、

実は遠藤に依存しているところが大きい。

ここの見直しがサックにとって1番の課題だ。

ダブルボランチの守備を見直せば十分世界と戦えるだけの守備力を得られる。

そして2列目については人材が豊富で色々な組み合わせができるけれど、

ことFWに関しては前田とハーフナーの併用だが、

ここも現在不調の前田以外のFW探しが重要だ。

1トップができて183cm以上のFWをこの1年で探せるか?

これが攻撃面唯一のポイントとなる。

日本は確実に成長の階段を上がっている事だけは実感できた。

今度は互角に渡り合いそして競り勝てるサッカーを展開して行く段階になったのかもしれないし、

ならなければならない。

次はメキシコ戦だけれどここでこれまで出場機会の少ない乾、清武、

そして高徳、細貝らを先発させて経験を積ませる事が重要だ。

ここからブラジルとイタリアから課せられた宿題をどう克服して行くのか?

注目して行きたい。

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