2月9日公開の映画「脳男」を鑑賞した。

この映画は感情を持たないが知能指数の高い男が自らの正義と判別し、

悪と判断した相手を殺すストーリーである。

個人で善悪を判断するのは確かにあるけれど、

それを自らの正義の基準で人を殺して良くないが、

このまま悪と明らかに判別できる相手に対してこのまま活かして良いのか?

という事も考えらせられる内容となっている。
物事には多くの場合善悪が存在するものだけれど、

その善悪の裁きを下せるところは現在において法治国家では裁判所となる。

私たちも裁判員として参加できる時代になったものの、

そこでどう裁くべきなのか非常に困難なケースも少なくない。

特に少年犯罪になればその事案で本当に更生できるのか?

と問われるところもあるが、

果たしてこの映画を観終わった後に精神科医が下した結論が本当に正しいものだったのか?

と問われる内容でもある。そんな中で感情を持たない男が

悪と判断した相手を殺すという存在もまた考えさせられるものである。

果たしてこの事件の結末を見た時私たちはどうすべきなのか?

キャスト

鈴木一郎演じる生田斗真

鷲谷真梨子演じる松雪泰子

緑川紀子演じる二階堂ふみ

水沢ゆりあ演じる太田莉菜

広野演じる大和田健介

志村演じる染谷将太

黒田雄高演じる光石研

空身演じる甲本雅裕

伊能演じる小澤征悦

藍沢演じる石橋蓮司

入陶倫行演じる夏八木勲

茶屋刑事演じる江口洋介

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

精神科医の鷲谷真梨子が乗り遅れたバスが突然爆発した。

都内近郊で起きていた連続爆破事件のひとつで、犯行には人間爆弾が使われていた。

刑事・茶屋は遺留品から犯人のアジトを見つけ出すが、

踏み込むと同時にアジトは爆発し犯人は逃走。

代わりに傷を負って現場にいた男を逮捕する。

男は“鈴木一郎”と名乗るが、肝心なことは何も話さない。

一郎の精神鑑定を担当した真梨子は、

「彼には生まれつき感情がないのではないか」と疑いを抱き、一郎の生い立ちを調べる。

そして連続爆破犯の緑川紀子も、その後を追っていた。

結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして

精神科医鷲谷が乗ろうとしたバスが突然爆発して多くの犠牲者を出した。

犯行には人間爆弾が使われ、

人間を爆弾にした連続爆破事件と言う事で世間を震え上がらせる。

刑事の茶屋が遺留品からアジトを発見するも突然の爆発で犯人は逃走するも、

現場にいたある男を逮捕する。

その男は鈴木一郎と名乗り、肝心な事は全く話さず、

これまでの精神鑑定からも全く異なる人物だった。

感情が無いという共通点、

そして痛いという感覚が無いという事でアドレナリンが出続けているという事らしいが、

その所在を突き止めようと鷲谷は色々調べ始める。

そこで辿り着いたのは鈴木一郎の育った環境だった。

元々誰かが銘じなければ何も行動しない一郎は

まず規則正しい生活をするための行動から始めた。

そこで発見されたのが彼の脳は一度見たものは全て記憶できる

というデータベースと呼べるほどだった。

それに目を付けた祖父が様々な本を読み与え瞬く間に記憶して行った。

問題はこの部分だけれど、記憶できるという能力があるのは確かに良い。

しかし問題は感情がない人に対して感情を記憶させる事をしなければ

間違った方向に進む事だ。

その祖父はやはり間違った方向を教えてしまい。

悪は殺すべきという教えを一郎に施したのだった。

これは教育上の洗脳と言うべき部分だけれど、

こういう人物をどう教育すべきか?

という部分を間違ってしまうととんでもない人物が出来上がってしまうという事だ。

仮な話例え知識があったとしてもその知識の活かし方を間違ってしまったら何の意味もない。

特に法治国家の中では法に則った行動が求められる訳で、

その行動に対して行動しなければいくら正しい知識も活かしているとは言えない。

知識を活かす基準という部分ではいくら知識があっても

感情表現という部分を欠損してしまってはその基準すら本来は作れないという事だ。

そして一郎はこれまで学んだ知識が正しいと認識し、

悪なら殺していいという認識を覚えてしまった。

問題はここからなんだけれど、その中で凶悪犯罪犯が一郎を襲う訳だけれど、

その凶悪犯もサイコパスのような人物たちであり、

特殊な精神状態を持ち合わせながら無差別に人を殺す。

その点では確かに一郎は悪でなければ手を加えないのだが、

そこで戦う事となる一郎とさらに鷲谷、茶屋がこの事件の結末を見届ける事となる。

果たしてこの事件の結末の先に見る真実とは・・・

結末は劇場で観てほしいけれど、

まず考えさせられたのは犯人である相手に対してどうすべきなのか?という事だ。

現状としてこのまま逮捕できる可能性は難しく精神鑑定も待たず死刑以外にないのだが、

射殺すべきなのか?と問われると、

この状況では射殺止む無しという事になるだろう。

そうでなくても多くの犠牲者を出している以上生かしたまま捕えるのはまず困難だ。

そしてその後一郎が取った行動は精神科医鷲谷の判断は

間違いという正義の下で行動している。

確かに私もこれまでの多くの事件について見てきたけれど、

この事例はあなたたちは1度凶悪犯行を犯した人物を再び世に出す事は

どれだけのリスクがあるのかわかりますか?という事だ。

性犯罪による再犯率が高いようにこの事件でも児童殺害による

未成年者の更生の是非が描かれた訳だけれど、

正直カウセリングだけでは更生したのかを判断するのは困難だという事を示している。

アメリカではGPSを埋め込み24時間監視体制にして釈放するらしいが、

私自身もこの事例では一郎の行動が間違いだったとは言い切れない。

犯人が生き続ける限り再犯する可能性が残される事と、

亡くなればその脅威が無くなるという事を

比べてしまうとどうしても完全否定しきれないという事だ。

再犯した時の責任の問われ方という点で再び考えさせられた作品だった。

総評として一郎の正義の行動が正しいとは言わない。

しかし現法治体制において全てを更生を前提とする

少年法のあり方に疑問定義があるのも事実であり、

例え少年だからと更生できるものでない事も考えなければならない。

私は死刑制度の是非を問われるけれど、死ぬまで刑務所にすると税金が掛かる。

死刑が執行されればその脅威は無くなる。

例え遺族の傷は癒えなくてもその遺族は

これ以上の犠牲者が出ない事を望んでいる事が殆どだ。

凶悪犯に死刑宣告をするという事はこれ以上の犠牲者を出さない為であり、

一郎の行動が今の世に対してこういう脅迫犯を更生させようとするのを

一度頭を冷やして考えるべきだろうという行動なのかもしれない。

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