11月2日公開の映画「のぼうの城」を鑑賞した。

この映画は1590年に豊臣秀吉が北条小田原攻めの時に

石田三成が攻めた成田長親守る忍城の攻防戦を描いた実話のストーリーである。

天下統一目前の秀吉相手にわずか正規の兵500と農民だけで

守り抜いたその攻防戦は地の利並びに城主の民衆を引き付ける

人間性が無ければ成し得なかっただけに、人徳の大事さを知る事になるだろう。
戦国時代は強き大名同士の争いになれば生き残るために強き方へつくのが当然だった。

北条氏の関東小田原一円を本拠地として支配し続けたが

常に越後の上杉、甲斐の武田、駿河の今川という大大名との争いの中で

戦国一堅守と言われた小田原城で守りを固めて時を見て

勢力を戻していくという戦いを繰り広げた。

ゆえに関東の諸大名は常に時には上杉に時には武田に寝返ったりもした。

それも全て生き残るために・・・

そんな戦国も天下統一目前だった秀吉が

秀吉時代最後の国内での戦いとなったのが北条攻めだった。

その中で次々と落城して行く中で最後まで落ちなかった城が存在した。

それが武州・忍城だった。

ここを守るは成田長親という馬にも乗れるでくのぼうと揶揄されたが

民衆には人気のある城代だった。

成田長親がどうしてこの城を守り抜く事が出来たのか?

そしてわずか精鋭500で精鋭20000の軍勢にどう立ち向かったのか?

レビューしたい。

キャスト

成田長親演じる野村萬斎

正木丹波守利英演じる佐藤浩市

酒巻靭負演じる成宮寛貴

柴崎和泉守演じる山口智充

甲斐姫演じる榮倉奈々

珠演じる鈴木保奈美

ちよ演じる尾野真千子

ちどり演じる芦田愛菜

たへえ演じる前田吟

かぞう演じる中尾明慶

石田三成演じる上地雄輔

大谷吉継演じる山田孝之

長束正家演じる平岳大

豊臣秀吉演じる市村正親

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

天下統一目前の豊臣秀吉は、関東の雄・北条勢を圧倒的軍勢で攻めようとしている頃、

周囲を湖で囲まれ「浮き城」の異名をもち、人々が平穏に暮らす武州・忍城には、

領民から“のぼう様”と呼ばれ、誰も及ばぬ人気で人心を掌握する成田長親という城代がいた。

やがて石田三成は、秀吉より預かった2万の兵を進め、忍城に迫ろうとする。

武将に求められる資質を持たず、まさに“でくのぼう”のような長親は戦いを決意、

たった500人の軍勢で迎え討とうとするが……。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして秀吉は天下統一のために

最後の抵抗勢力だった小田原北条氏攻めに着手した。

この時代の秀吉には既に徳川、上杉などなどの諸大名がおり

戦力的にも北条氏が降伏するのは時間の問題だった。

しかも関東は越後や甲斐と違い兵を繰り広げやすい地域であり、

守るのは困難な地方でもあった。

その中で堅守と呼ばれた城小田原城に殆どの勢力を北条氏は終結させた。

そんな中残された支城は残った兵で守る事になった訳だが、その多くは落城していった。

そんな中当初は降伏をする予定だった成田氏は城代だった

成田泰季の急死で急遽城代となった成田長親だったが

評判では民衆には人気はあるが武勇はいまいちという人物で

どうみても勝てる戦ではなかった。

しかし秀吉方である三成の理不尽な要求に対して

成田長親は降伏から一変戦を選択したのだった。

確かにこの状況からして500の精鋭に対して20000の精鋭相手に

戦うなんて誰もが無謀と思った。

しかしここから弱者は弱者なりの戦い方があったのだった。

武州忍城は一円沼で囲まれ入口が限られている事もあり天然の要塞でもあった。

ゆえに多少の軍勢があればそれなりに守り切れる城でもあった訳だが、

さすがに500では守り切れない。

そんな時代には平時は農民でも戦時には農民も兵士の一兵となって

戦場で戦ったのがこの時代である。

当初精鋭500だったのが、

農民を咥えて3000となりこれで堅守の天然の要塞はより固くなった。

さらにこの城の事を熟知している忍城の兵たちは数多くの秘策を練っていた。

それがおびき寄せた火攻めであったり、狭い道で戦い数的有利を作らせないなど、

地の利を生かした戦い方だった。

まさかの苦戦に三成は力づくでの攻撃を回避し

水攻めを敢行するもこれが逆に泥沼化する事になった。

確かにこれなら犠牲者は出ないものの逆に攻める事がより

困難になるばかりか戦費が大きくかかり金の無駄である。

こういう戦いはとにかく持久戦でじわじわ押していくのが

本来の戦い方であり自らも攻め手を無くす戦い方はこの城攻めでは合っていない。

備中高松城攻めでは相手側の大軍が来る事もあり

城から打って出られては困るという事もあり水攻めとして高松城から打って出られなくした。

これにより相手側も助ける事もできずただ対峙するしかなくなった。

ただ今回は援軍もない。

兵も少ない中では水攻めはただの無駄攻めに過ぎなかった。

そんな中成田長親は小舟から踊りを披露して敵味方関係なく魅了する。

一見無謀な策ではあったが常日頃慕われていた

成田長親に両軍成田長親の為ならという機運がここで高まり、

成田長親が撃たれた事で両軍さらに成田長親へと味方して行った。

そして三成側に一度はついた農民たちは反逆して

堤を破り三成側に多大に被害をもたらした。

これにより水が引き攻めれる状況であったが

これまた攻めるのに俵を踏み固めなければならず人でを要した。

しかしそこで小田原城が落城した事により忍城は開城したのだった。

結末は劇場で観てほしいけれど、

戦った内容をみても兵力を考慮すれば完全に三成方の大敗という戦だった。

確かに最終的には開城したもののそれまで戦っていた訳だから

完全なる成田長親側の勝利だった。

総評としていくら大軍で攻めたとしてもその地の民衆を味方につけなければ

戦には容易に勝利できない事、

そして民衆を味方につければ弱者でもそれなりに戦える事を示した攻防戦だった。

人を魅了する統治をしてきた成田長親が人にも勝利し、

戦にも勝利したその人心掌握は三成には到底及ばないものだった訳で

武勇がなくても人心掌握すれば人々はその人のために

戦えるという事を歴史は示してくれた出来事でした。

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