7月14日公開の映画「ヘルタースケルター」(R15+指定)を鑑賞した。

この映画は岡崎京子原作の作品で全身整形で芸能界のトップに立った

モデルが整形の後遺症に苦しみながら芸能界の厳しさに飲み込まれていくストーリーである。

沢尻エリカ5年ぶりの主演作品として話題でもあり、

芸能界の厳しい現実と華やかさを描かれており明暗が分かれる作品として描かれている。

頂点を獲ったモデルの結末とは・・・
一時はお蔵入りも有り得ただけにとにかく公開された事はある意味ホッとしているし、

是非観たかった作品なので評価が変わらないうちにレビューしてしまいたいと思う。

芸能界は浮き沈みが激しい世界ゆえに1度トップになったとしても

何時かトップは代わる訳でそれを覚悟して生きて行かなければ生き残れない世界だ。

収入という点でも売れなければ稼げない現実がある訳で

現状の駆け出しのアイドルの給与実態が記事になったりもする。

そんな世界で全身整形してトップにのし上がったりりこというモデルのストーリーだが、

全身整形した後遺症で後々苦しむ事と、枕営業などの実態が描かれている。

果たしてりりこはこの芸能界で辿り着く先とは?

キャスト

りりこ演じる沢尻エリカ

麻田誠演じる大森南朋

羽田美知子演じる寺島しのぶ

奥村伸一演じる綾野剛

吉川こずえ演じる水原希子

沢鍋錦二演じる新井浩文

保須田久美演じる鈴木杏

塚原慶太演じる寺島進

浜口幹男演じる哀川翔

比留駒千加子演じる住吉真理子

南部貴男演じる窪塚洋介

和智久子演じる原田美枝子

多田寛子演じる桃井かおり

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

完璧なスタイルと美貌を持った人気ナンバー1モデルのりりこ。

実は彼女の美貌は全身整形で作られたものだった。

副作用に苦しみ整形を繰り返す彼女は、日本中から愛されながらも、

後輩のこずえに人気ナンバー1の地位を奪われるのではないかと恐れ、精神的に不安定になっていた。

自分に心酔するマネージャーの羽田美知子とその恋人を利用し、

こずえを陥れようと企むりりこ。

そんなりりこを通じて美容整形業界の闇を暴こうとする男がいた…。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとしてりりこはトップモデルとして世間の女性のあこがれの的だった。

売れる雑誌でりりこを真似た人たちで溢れ、りりこが表紙になるととにかく雑誌は売れた。

そんなりりこにはある秘密があった。

それは彼女は全身整形によって美が保たれていたのだった。

そのクリニックにはある臓器売買の疑惑が持たれており、

それを追って麻田、保須田両検事が事件を追っていた。

りりこは仕事を取るために枕営業すらいとわないように社長の多田に仕向けられていた。

まあまことの噂の域を出ない枕営業だが、

この実態がどこまであるのかは一般人の私たちには知り得る部分にない。

ただ明らかなのはプロデューサーに気に入られなければ使ってもらえないという事だ。

大手事務所なら事務所の力でキャスティングを入れる事は可能だが、

そうでなければ1度のチャンスを活かして知名度を上げなければ簡単にはトップに上がれない。

ただ1度その立場を掴めば使いたいというプロデューサーは多いだけにそこまでの過程は容易じゃない。

ゆえに枕営業をするタレントがいるようだが、

その実態を知った時には芸能界という世界がいかに汚く見えてしまう事になるだろうとは感じる。

それはあくまで現実は有り得るが、暗黙の了解でないというのが現実だ。

そんな中でりりこは色々な男との性も溺れていく。

それを管理するのがマネージャーだが、マネージャーの羽田はどちらかというと

気弱でリリこの言いなりになっている。

仕事はそれなりにこなしているようだが、時としてスクープを流す当て付けをする事もある。

まあマネージャーとの信頼関係はかなり重要だからね。

そんな中りりこに異変が起こる。

それは整形の後遺症だった。

確かに全身整形をするという事は感染症や手術の後遺症など数多くの症状が出てくる訳で、

りりこも例外ではなかった。

元のりりこはとにかくブスで見れないような平凡な女性だった。

それが整形をしてここまで変わるのだから整形手術の賜物だが、

その後遺症が出ないように維持するには莫大なメンテナンス料金が

必要で維持管理費とギャラの稼ぎを差し引いた金額はかなり厳しい状況にあった。

そんな中でりりこの前にこずえという新人モデルが現れる。

こずえは生まれながらにして美人のモデルだった。

一緒に仕事をするようになり、それに危機感を覚えたりりこは次第に焦り出してくる。

そんな矢先に整形の後遺症が出て手術をする事になったが、

この頃からりりこの精神状態が悪化していく。

それは整形の後遺症を止めるための薬の副作用によるものだった。

一方そんなりりこの精神状態をキャッチした麻田、保須田両検事は

自らりりこに接近して証言を得ようと試みる。

麻田から渡された資料によりりりこは自らの事を完全に調べ上げられている事に危機感を覚え、

りりこは羽田とその彼氏である奥村を使って次々とモデルを襲わせる。

そんなりりこについに全身整形の報道がされた事によりりりこは完全に追い込まれた。

はたしてリリこが辿り着く先とは?

結末は劇場で観てほしいけれど、

人は美しさを求めてしまうとここまでできてしまうものなのか?

という事になるけれど、りりこは自分を変えたかったのは事実だろうけれど、

はたしてそれが世間に注目を浴びたかったからなのか?

と言われたらまた違った道があったかもしれない。

人は1度頂点に立ってしまうとそこに縋りたいという気持ちがどうしても強くなってしまうものだ。

それが無理な事だとしても・・・

そしてりりこは精神崩壊していく事となる訳だけれど、

自ら手に入れた肉体が後遺症で衰えていく姿に愕然としながら

りりこは衝撃の記者会見場で誰も予想しない行動を起こす。

これは自暴自棄になった成れの果てとなる訳だが、

その後リリこは表舞台から姿を消してりりこが受けた美容整形外科は長きに渡る訴訟が続くのだった。

総評としてりりこは1度は確かにトップに君臨した。

しかしそれは長いものではなかった。

彼女にとっては自らがわかりたいと望んで入り込んだ芸能界という世界で1度は輝いた。

しかしそれが自らの身を亡ぼす事になるという事も解っていたのだとは思う。

それでも1度頂点を掴んでしまったりりこはそこから落ちるのが恐怖だった。

その恐怖を超えたとしても彼女は死ぬまで自ら望んだ痛みと戦い続けていく事になるだろう。

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