12月23日公開の映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」 を鑑賞した。

この映画は1941年に日本帝国軍がハワイ真珠湾を攻撃を指揮した

連合艦隊司令長官山本五十六が開戦直前まで

戦争に断固反対の信念を貫きながらも苦渋の決断で

早期講和を目指して日本を守ろうとした姿が描かれている。

70年前に日本はアメリカに開戦し、

その後広島、長崎原爆を投下される世界初の国となったが、

どうして戦争に突き進んだのか?

そして山本五十六はそれに断固反対した真実が描かれ、

3.11で第2の戦後となった日本にとって今年最後の作品で

ブレない信念とリーダーシップの必要性を

今の日本人に語りかけている作品となるだろう。
今年最後の劇場鑑賞作品は地元新潟長岡出身で

太平洋戦争に最後まで断固反対した山本五十六の姿がその真実が描かれている。

3.11で第2に戦後となった日本に今リーダシップを取れる政治家がいない中で

真のリーダーシップとは何なのか?

そして本当に必要な事は見て、聞いて、知る事なのだという事をこの映画では確り示している。

当時の日本は日露戦争で勝利した後大きな敗北が無く、

国連を脱退し日独伊3国同盟という泥沼の戦争へ突入して行った。

その中でアメリカとの戦争だけは絶対反対した山本五十六はアメリカの力を良く知り、

そして今の日本の戦力では勝ち目がない事を知っていた。

それを知らない軍上層部との攻防を経て苦渋の決断を迫られる事になるのだが、

山本五十六が今日本人に一体何を語り、

そして何をすべきなのかをこの映画を通じてレビューしていきたい。

キャスト

山本五十六(連合艦隊司令長官)演じる役所広司

堀悌吉(海軍中将、五十六の同期)演じる坂東三津五郎

米内光政(海軍大臣)演じる柄本明

井上成美(軍務局長)演じる柳葉敏郎

三宅義勇(作戦参謀)演じる吉田栄作

山口多聞(艦隊司令官)演じる阿部寛

宇垣纏(参謀長)演じる中村育二

黒島亀人(先任参謀)演じる椎名桔平

南雲忠一(航空艦隊司令官)演じる中原丈雄

永野修身(軍令部総長)演じる伊武雅刀

牧野幸一(五十六と同郷の零戦パイロット)演じる五十嵐隼士

秋山裕作(「東京日報」記者)演じる袴田吉彦

真藤利一(「東京日報」記者)演じる玉木宏

草野嗣郎(「東京日報」編集長)演じる益岡徹

宗像景清(「東京日報」主幹)演じる香川照之

谷口志津(小料理屋「志津」の女将)演じる瀬戸朝香

神埼芳江(「志津」の常連客のダンサー)演じる田中麗奈

高橋嘉寿子(五十六の実姉)演じる宮本信子

山本禮子(五十六の妻)演じる原田美枝子

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

昭和14年の夏。2年前に始まった支那事変が泥沼化しつつあった。

陸軍が日独伊三国軍事同盟の締結を強く主張する中、

海軍次官の山本五十六、海軍大臣の米内光政、事務局長の井上成美は、

信念を曲げることなく同盟に反対の立場をとり続けていた。

日本がドイツと結べば、何倍もの国力を持つアメリカと戦争になる。

それだけは何として避けなければならないと考えていたのだ。

だが世界情勢は急転、第二次世界大戦が勃発してしまう。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして日本が中国との戦争に突入して出口が見えない中で

日本はドイツ、イタリアとの3国同盟を締結しようとしていた。

この時日本は既に国連を脱退しており、日本は世界から孤立していた記事でもあった。

この時代は朝鮮は日本と併合し、

満州を制圧していた時代で燃料の確保のため戦線を拡大していた時代だ。

さらに日本にとって1番拙かったのはロシアとの戦争に勝利してから

大きな敗北が無かったという事だ。

それ以来日本は勝ち続けられるという驕りが出てしまっていた事は否定できない。

五十六もアメリカとの戦力差を確り熟知しており、

アメリカと戦争になれば資源のない日本にとって

長期戦争は完全な不利となり確実に敗戦するだろうというのは目に見えていた。

この時代は戦艦から航空攻撃機の時代となっており、

戦艦大和、武蔵を建造するよりも航空機と空母を建造した方が良いと主張している。

確かにこの後に行われた真珠湾奇襲は航空機の性能を

証明してしまった訳でその時点で軍上層部は過去の栄光に縋っていた。

その戦力分析が解るからこそ五十六以下米内光政、井上成美は断固3国同盟に反対し、

アメリカとの戦争を避けようとした。

しかしこの時代の日本はとにかく勝つ続けていた事もあり冷静に分析しようとする

軍上層部の姿勢もなく、とにかく戦争を続けて利益を得ようという事しか考えていなかった。

そして命が狙われ出した五十六は海軍省から外れる事になり、

海軍も最終的には3国同盟を了承し3国同盟が成立した。

その間五十六は新聞記者に世界の事を見て、聞いて、知る事が大切だと説いている。

確かに3.11以降色々な事を知ったけれど、

人々はとにかく知ろうとしてもそれが長続きしない事が少なくない。

現実に政府はまるで原発事故が終息したかのような

大本営発表をしているようではまるで

大日本帝国軍の末期症状と同じ感覚だ。

実際に見て、聞いて、知ろうとしているとは到底思えない事ばかりだ。

そして五十六はそんな状況でも戦争をしなければならない苦悩を綴っている。

確かにトップが決めた事は従わなければならないのが

軍人ですからそれは五十六にとっては苦渋の決断だった。

そしてそこで1番危惧していたのはどうやってこの戦争を終わらせるのかという事だった。

実際に五十六が望んだ講和に持ち込むためには

上層部がそれを認めなければならなかったがそれも叶わなかった。

それでもやらなければならなかった五十六はその中で最善の作戦を実行して行く。

それが真珠湾の奇襲攻撃だった。

この攻撃こそ成功したものの、結局本来の目的であった空母を撃墜する事ができなかった。

そしてそこから数か月間は日本の優勢で戦局は進むものの、

本土空爆により五十六はミッドウェー海戦で

ミッドウェー攻略を作戦を遂行するも空母の不手際や油断が

大きな致命傷となり主力空母「赤城」を含めて4隻を失う結果となり、

これ以降日本は不利な状況に追い込まれていくのだった。

確かにこの太平洋戦争ではミッドウェー海戦が全てという感じだけれど、

その前にアメリカは戦争への口実を探していた時でもあり、

実は真珠湾攻撃でアメリカは世界へ戦争を仕掛ける口実を作った事で

世論が戦争支持へと回った事も大きかった訳で、

その時点で日本の運命は決まっていたのだろう。

仮にこのミッドウェーで勝利し、空母を1隻も失わなかったとしても

その後のアメリカの反撃で同じ結果になったとは思う。

それだけ物量も違えば燃料の確保もできないほど

日本は深刻な物資不足となっていたからだ。

確かに1年だけなら対抗できても、2年、3年と続けば

勝てない戦になっただけにこの敗戦で日本はドラック諸島で

ソロモン諸島での攻防戦に集中するしかなくなった。

それでもその時点で考えられる作戦を遂行するも

補給路が断たれ後退するしかない状況が続いていた。

それでも本国ではこれを転戦として扱い国民を欺いていたのだった。

国民を最後まで守ろうとした五十六は最期に何を思って戦死したのだろうか?

結末は劇場で観てほしいけれど、

五十六から学ぶ事はとにかく物事を確り見て、聞いて、知る事こそ必要で、

それを得た上で分析し総合的に判断する必要性を解いているという事だ。

物事をただ根拠もなく勝てる。

根拠もなく安全というほど危険な事はないという事だ。

五十六はアメリカでアメリカの国土と戦力を見ている訳であり、

この国と戦って勝てるほど日本の戦力はないという事を良く解っていた。

ゆえにもし対抗するなら空母と航空戦闘機を今の2倍建造する必要性を解いている。

でもそれを理解せず受け入れなかった。

何事もどうしてそうなるのか?

という事を理解せずに否定するのはやはり良くないし、

相手を知った上で自らの戦力はどうなのか?

という事を把握する事こそ勝つためそして守るための近道だという事だ。

そして日本を守るために五十六は最後まで最善の作戦を立てた時には

守るために犠牲を払ってでも多くの兵を救うために撤退作戦も実行している。

この最後のシーンでは五十六の死後全体の戦争の死者の9割が

五十六死後だったというものだ。

それだけ五十六に代わる指揮官がいなかった事と戦争を終わらせる事が

できる人がいなかった事も日本が焼野原になっていった1つだった。

そしてそういう歴史があって今の日本がある。

それを私たちは絶対忘れてはならない。

総評として五十六は常に相手の国を見て、聞いて、知って分析し学んで判断した。

今この国を守るために何が必要で、何を目指すべきなのかを・・・

そういうリーダーシップがあったからこそ追い込まれても

最後まで最善の作戦を指揮してきた。

戦争を反対した人が戦争をしなければならない事こそ辛い現実はない。

そんな中でも五十六は若者たちに未来を託そうとした。

今の日本に五十六のような見て、聞いて、知って分析できて

リーダーシップのある人物がいない中で国民はそういう人を求めている。

日本の総理大臣をコロコロ代えているようでは

やはり纏まるものも纏まらなくなる悪しき歴史が続いているけれど、

1度決めたら最後まで責任を全うする姿、責任を背負う姿、

そして人を気遣う姿こそ私たちは五十六が示した姿を見習うべきなのだと思う。

現実を知り、そこで見て、聞いて、知る事こそ

今日本人が現実から逃げず現実を見つめて

本当に正しい方向性を示していかなければならないのだと切に思いました。

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