12月10日公開の映画「源氏物語 千年の謎」を鑑賞した。

この映画は平安時代に活躍した作家、歌人紫式部の「源氏物語」を映画化した作品で、

紫式部が藤原道長に依頼されて書き始めた源氏物語を執筆していくうちに

紫式部に込められた思いが原作の主人公光源氏の運命を翻弄して行くストーリーである。

1000年前に掛かれた最古の小説は1000年の時を経ても日本人に愛されているが、

1000年前の公家の出来事を記した作品として最後まで興味深く観る事ができるだろう。
紫式部といえば2000円札に描かれているけれど、

2000円があまり流通していないのでそれを知らない人も少なくないかもしれない。

私はよく2000円札を使っているので劇場では良く出しますけれど、

今回はその紫式部が書いたとされる源氏物語の世界が描かれている。

時は平安時代の中期で当時は公家が絶大なる権力を振るっていた時代であり、

その世界は当時の一般社会とは完全にかけ離れたものだった。

その中では陰陽師が悪霊を振り払う事で悪霊から守ったとされる話もあるば、

多くの側室を持ち次期天皇候補を女性たちが競って産んでいた時代でもある。

今回はその主人公である光源氏が多くの女性を翻弄しながら

紫式部が描くその世界に藤原道長が魅了されていく。

果たして源氏物語に紫式部をどう込めたのだろうか?

キャスト

光源氏演じる生田斗真

紫式部演じる中谷美紀

藤原道長演じる東山紀之

安倍晴明演じる窪塚洋介

桐壺と藤壺演じる真木よう子

葵の上演じる多部未華子

夕顔の君演じる芦名星

中宮彰子演じる蓮佛美沙子

弘徽殿演じる室井滋

六条御息所演じる田中麗奈

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

平安王朝の時代。才女との誉れ高い紫式部は、

時の権力者、藤原道長の娘、彰子の女房として宮中に仕えていた。

娘を中宮にし、権力を振るいたい道長は、帝の心が娘に向くよう、

紫式部に物語を書くよう命じる。

式部が綴る「源氏物語」の主人公・光源氏は輝く美貌と雅やかさで、

宮中の女性を夢中にさせる。

物語は見事、帝の心を掴み、晴れて彰子は帝の后となる。

道長の野望は叶った。

しかし、それでも式部は物語を書き続けるのだった。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとしてこの物語は紫式部と藤原道長の現実世界と

光源氏の物語の世界が交互に描かれていくので

そういう部分を見ながら観て行かないと

どちらが現実世界なのかが区別付かなくなってしまう。

現実世界で紫式部と藤原道長は結ばれない運命の2人だった。

それでも密かに結ばれたいと思った紫式部と道長は密会を重ねるのだった。

そんな中道長は紫式部に物語の執筆を命じ、

紫式部は「源氏物語」を書き始めるのだった。

源氏物語は光源氏を主人公にする物語で、

天皇の側室である桐壺の子として産まれた源氏は生まれてすぐに桐壺が亡くなり、

その後義理の母である藤壺に育てられる。

藤壺は桐壺と瓜二つの人物で源氏は幼き頃から惹かれるのであった。

元服した源氏は数々の女性との間で愛人関係を結んでいくのだが、

正室に葵の上がいる上で、夕顔、六条御息所という愛人をもうけた。

ただ側室ではなく愛人なのでその女の嫉妬により夕顔は悪霊になって

源氏の愛人や葵の上に襲いかかる。

それを陰陽師である安倍晴明が悪霊を退散させるのだが、

全ての悪霊が退散できた訳じゃなく、

それぞれの悪霊の言い分によっては安倍晴明も悪霊を退散させていない。

その事で次第に嫉妬心が大きくなり、

源氏はその夕顔、六条御息所の悪霊に苦しむ事になる。

その上で源氏は想いを寄せていた藤壺に近づいていく。

その物語を読みながら道長は宮中で娘の彰子を

帝の后にする事に成功し絶大な権力を振るっていく訳だけれど、

その物語には紫式部が道長に向けた想いが込められていたのだった。

結末は劇場で観てほしいけれど、

この源氏物語の解釈として紫式部が道長に向けた想いを書き綴った物語であるという事だ。

実際どういう理由で書かれたのかは定かじゃないが、

今回の物語で描かれたのは数々の嫉妬の中でもその想いを

伝える事に紫式部は重点を置いていたという事だ。

あれだけ多くの女性がいれば嫉妬心は相当なものだっただろうという事は容易に想像できる。

それが絶世の美男だったら余計ね。

そんな源氏を翻弄する物語を書いた紫式部は実は道長の事を書いていたのだった。

総評として1000年前に掛かれた源氏物語を

2時間20分の中で描くのは非常に難しいものだ。

その中で焦点を当てたのは女たちの嫉妬心だった。

数多くの女性を翻弄しながら権力を振るう道長に紫式部は源氏の数多くの女を翻弄し、

そして嫉妬心から悪霊となって復讐される様は道長に

他の女に目を向けるなという紫式部の意思表示だったのかもしれない。

女の嫉妬心は悪霊にもなるというのはどの時代にも

女に現を抜かす男への警告なのだと肝に銘じたいものだ。

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