2日Jリーグ11第2節が行われ、アルビレックス新潟はホーム東北電力ビックスワンで

17位モンテディオ山形と対戦し、

2対0でMF田中亜土夢のFKが炸裂し

追加点のゴールも決めて10戦ぶりの勝ち点3を手にし、

3勝6分5敗勝ち点15得失点差-4で14位に浮上した。

絶対に負けられない山形との対戦で

新潟は最大の課題だったフリーキッカーが

確定する試合となり今後浮上のキッカケと

攻撃の課題を見つけた試合だった。
9戦勝ちなしというJ1昇格後最も苦しい戦いを強いられている新潟にとって

降格争いの山形には絶対負けられない一戦だった。

ここで負けるといよいよチーム状態も拙くなる試合だったし、

何よりここからの7,8月が新潟にとって本当の勝負の月だからだ。

MFヨンチョル、GK東口を故障で欠く中で、

FW川又、DF大野が成長し9戦勝ちなしの中でも収穫は確実にあった。

そしてU-22から戻ってきた鈴木、酒井高徳がスタメンに入った事で

ベンチの厚みが増した試合でもあった。

そして1番の収穫はFKの課題が解消された事だ。

どうしてもマルシオの後継者となってしまうと

相当な重圧とどうしても比べられる事が少なくないだけに

その後継者誕生のシーンを振り返りたい。

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アルビレックス新潟のフォーメーションは4−2−3−1

GKI小沢

DF

右SB酒井高徳 CB鈴木 CB千葉 左SB石川

MF

ボランチ 菊地 本間

右SH三門 トップ下ミシェル 左SH田中亜土夢

FWロペス

前節からU-22の鈴木、酒井高徳が戻ってきた事で守備陣はほぼベストメンバーが揃った。

試合は前半から新潟がペースを握る。

前半12分FKのチャンスにMF田中亜土夢が

45度の角度から見事に決めて新潟が早い時間で先制した。

このシーンだけれどマルシオがいた時は

この角度が最も得意とし尽く決めていた位置だった。

これまでFKは藤田に始まり、ミシェウ、木暮、三門と何人も蹴ったけれど

藤田と木暮がやや合わせられるキックを蹴れるぐらいで

直接決められるキッカーがいない状態だった。

ただ前節のセレッソ戦でもFKを務めた亜土夢は

GKキムに止められたものの、その精度はこれまで蹴ったキッカーよりも

はるかに違いが解るものだった。

CKでも高い精度のキックを蹴るだけにセットプレーを考えた時

やはり亜土夢なしには考えられなくなったシーンだった。

マルシオはキープ力があり、展開力もある選手だったけれど、

亜土夢は2列目の飛び出しを得意とする選手で、

パスの精度もそれなりに高く、決定力もある。

タイプが違うゆえに司令塔ではないんだけれど、

ヨンチョルが戻ってきたら右SHで常時先発させるべきだと思う。

試合の局面を打開する上でFKで決められる選手がいるといないとでは

大きく変わってくるだけに今後浮上のきっかけをこのシーンにみた。

その後新潟は1番危ないシーンがあったのは

前半32分のFW大久保のヘッドがポストを叩いたシーンだった。

これ以外は山形の攻撃で危険と感じたシーンがなかったけれど、

山形もFW古橋、長谷川を欠いてしまっているし、

外国人選手不在で攻撃が大きな課題である事が浮き彫りにしている。

前半は新潟リードで折り返す。

後半新潟は早速仕掛けて右サイドのクロスをFWロペスのヘッドが

ポストを叩いたボールにMF田中亜土夢が押し込み新潟が2点にリードを広げた。

その後山形も後半12分に選手を交代して流れを変えようとしたが、

変える事ができず、新潟は確り山形のボールをカットしてクリアしてピンチを未然に防ぎ、

このまま逃げ切り新潟が実に10戦ぶりの勝利で降格圏から一歩抜け出した。

とにかく10戦勝っていなかった事もあり終盤落ち着きを若干失っていたけれど、

これで勝った事で前向きなプレーができるようになるだろう。

ただここ数試合がそうだったけれど、

攻撃面を考えるよりもまず守備からという起用法が続いている。

ミシェウが戻ってきた事もあるのである程度ボールをキープできるものの、

ロペスの1トップを考えるとやはり多少考え直す必要性があるだろう。

このシステムを考えた時昨年まではマルシオを中心に

ヨンチョル、矢野、ミシェウと前線4人はキープ力があり様々な局面を打開できた。

しかし今日のメンバーだと打開できる局面が限られてしまい、

三門を入れる事で守備的なイメージがどうしてもあるし、

実際に三門がボランチの右まで下がってしまうと

4−3−2−1で攻撃は3人になるが、

ロペスがそれほど競り合いに強いという訳じゃなく、

ロングボールで展開するには多少なりとも厳しい。

ヨンチョルがいるなら4−2−3−1でサイドから突破も可能だろうし押し上げもし易い。

しかしヨンチョルがいないと突破力が半減する事実があり、

そう考えると川又を入れて2トップでロペスと川又が

ロングボールを競り合った方がマークも外しやすい。

今の戦術を考えた時はロングボールで高いボールに

競り合うという観点をおいてほしいし、

守備面についてはここ数試合強豪ばかり続いた事もあり、

守備重視になってしまったけれど、

ダブルボランチと4バックで十分守れるので

過剰な守備重視の起用はそれなりに勝ち点を重ねれば解消した方が良い。

三門の攻撃力もあるけれど、やはり三門はボランチで

運動量を活かした守備と縦の飛び出し突破が得意な選手!

サイドでの起用は個人的には考え直すべきだと思う。

後半30分過ぎになってミシェウ、亜土夢に代えて入れるという手もあるし、

終盤の守備固めがこの夏場最も適任なのが三門だと私は感じている。

そして何と言ってもこの試合では田中亜土夢のFKが試合を打開するキッカケになった事だ。

昨シーズンもマルシオのFKが浮上のきっかけになったけれど、

FKで打開できる事が最も今のサッカーでは必要だという事は

Jリーグのどのチームを観てもわかるし、

FKの名手がいないチームは苦戦している。

その点を踏まえても亜土夢のFKは実に魅力的だったし、

CKでも高い精度のクロスを上げてくれる。

マルシオの影に隠れてしまっていたけれど、

ようやくマルシオの後継者が決まったと言って良いだろう。

次節は甲府との4年ぶりの川中島ダービーだけれど、

ここで勝利すれば当面下を見ないで戦えるだけに

何としても勝ち点3をみんなの力で勝ち取ろう!

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