6月4日公開の映画「軽蔑」(R15+指定)鑑賞した。

この映画は東京でやくざの手下をしていた青年と

ダンスバーの踊り子が惹かれ合い結婚するが、

それぞれの立場の違いなどから周りから軽蔑され続ける中で、

それぞれの愛情のすれ違いの末にそれぞれの気持ちに

辿り着くが襲撃の結末が待っているストーリーである。

世の中にはダメな男を好きになったり、

周りには言えない仕事をしていた事で良く思われない中で

生きている人たちも少なくないが、

その中で互いが例え愛さなくても

2人は愛する事を導き通す事を最後に知る事になる。
人は時としてどうしよもない人を好きになってしまう事がある。

それは人間の本能であり、それが運命だからなのだと思うけれど、

それを回りが認め切れない事は少なくない。

どうしても2人だけの関係で収まらないからね。

それでも紆余曲折な事がありながらも最後は愛を貫く訳だが、

世界が違いとなかなか理解してもらう事は難しい訳だし、

それでも貫く事はなおさら難しい。

そしてさらには自ら背負った借金などなど

愛する事ができれば何でもできると思えるのかもしれない。

この作品では鈴木杏の初ヌードシーンが話題だが

これは演技では必要な部分なので女優として当然の選択をしたと判断している。

それについてもレビューしながら書き綴っていきたい。

キャスト

二宮一彦通称(カズ)演じる高良健吾

矢木真知子演じる鈴木杏

山畑万里演じる大森南朋

浜口政博演じる忍成修吾

伊藤演じる村上淳

二宮貴子演じる根岸季衣

二宮一幸演じる小林薫

二宮伸二演じる田口トモロヲ

杉田千代子演じる緑魔子

西崎健次演じる日向寺雅人

横田悟演じる蕨野友也

林公平演じる小林ユウキチ

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

新宿・歌舞伎町で遊んで暮しているカズは、

ポールダンスバーの踊り子、真知子に恋焦がれていた。

ある夜、兄貴分の伊藤の命令でバーを強襲。

混乱の中、勢いで真知子を連れ出し、カズの故郷、紀州の実家に戻る。

しかし、閉鎖的な田舎町で待っていたのは、

不良仲間との長年の柵、そして、両親との冷え切った関係だった。

一度は歌舞伎町に戻った真知子だが、

連れ戻しに来たカズの情熱に心を打たれ、この恋を命がけで守ろうと誓う。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして2人の出会いは歌舞伎町で

真知子が踊っているところから始まる。

遠目から観ていたカズは真知子に惚れたのだった。

確かにある日突然行った店の女に惚れてしまったという事はあるからね。

そんなカズは家が資産家でマンション家賃などで

生計を立てる家だったが自身は遊び呆けて歌舞伎町で

やくざの手下みたいな事をしていた。

真知子のいる店でも借金をしていたのだった。

その店に借金もみ消しの為に強襲するカズたちは

そのドサクサに紛れて真知子を連れ出したカズは

当面ほとぼりが冷めるまで故郷の田舎で真知子と暮らす事にしたのだった。

そしてその故郷へ行く道中に2人は熱く結ばれるのだった。

ここで少し話が脱線するけれど、

鈴木杏さんは金田一少年の事件簿でデビューしてから丁度15年になるけれど、

当時9歳から知っている訳だが、

月日が経つと変わるものでずいぶん大人っぽくなった。

10代の頃のイメージが強過ぎるゆえに

苦しむ女優が多い中で演技の幅を広げていく上で

今回これまでのイメージの殻を破ってヌードになった訳だけれど、

数年前ならCMなどがありできなかっただろうけれど、

この演技によって今後様々な演技を可能にしたことは間違いないだろう。

私的には寺島しのぶさんに続く女優のポジションを手に入れたとも感じる。

特に20代の前半でそういう選択ができるのはなかなかできない事だ。

脱ぐ事をどうってことないという女優魂を感じた。

高良健吾さんもここ数年色々な役で存在感を出してしますけれど、

これだけワルの役をやったと思えばおにいちゃんのハナビのような好青年も演じられる。

本当に映画界で貴重な俳優になったと思います。

それ以上にかなりおいしい役も回ってきていますけれどね。

蛇にピアスで吉高由里子さんと、

そして今回は鈴木杏さんと・・・次は誰ですか・・・

と共演した女優のターニングポイントに彼がいるというイメージがありますね。

話を戻すとして実家に戻ったカズと真知子だったが、

そこで待っていたのカズの親不孝な行動と真知子の過去に対する軽蔑だった。

愛し合っている者同士が祝福されたいものだが、

やはり故郷ではカズは厄介者であり、真知子も快く思われない。

そんな中でカズの昔からのダチはカズの帰りを歓迎した。

カズは確かにどうしよもないやつなのだと思うけれど、

そんなカズも良いところは仲間の面倒見が良いという事だった。

もっとも実家が地主という事もありお金に不自由のない

生活を送ってきたために金銭面の管理がおぼつかないのは容易に想像つくけれど、

ヤクザからカモにされてしまうほどカズは借金を抱えていく事になる。

そんなカズも短い期間だったが実家の計らいで働いた。

それも真知子と一緒に暮らすためだったが、

その気持ちは嘘じゃないだろうが、

悪い事にカズは物事が長続きしない性格だった。

それが災いし真知子はこの町の空気に耐えられず一度歌舞伎町に戻る。

その間にカズと真知子は祖父の愛人だった千代子から面倒を見てもらっている。

この町で唯一と言って良いほどの理解者だった千代子だった訳だが、

カズが借金を背負っているとわかると自らの店すら売る覚悟を持っていた。

そんなカズは真知子が歌舞伎町に戻っている時に莫大な借金を

背負ってしまう訳だけれど愛する人がいなくなった

寂しさをギャンブルで埋めようとしたのは理解できない訳じゃないが、

やはりギャンブルで埋めるのはね・・・

そして再び真知子を取り戻すために歌舞伎町に向かった

カズはそこで真知子にお前がいないとダメなんだという事を伝え

晴れてカズと真知子は結婚する。

しかしこの先2人に待っていたのは更なる苦境だった。

果たして2人の行方はどうなるのか?

結末は劇場で観てほしいけれど、

どんなにダメな男でも愛する女と2人なら生きて行ける

という意思表示を表現したかったと読み取れる。

最初は強引に連れられた真知子も元々は身寄りのない中で

生きていたからカズに愛された事で自らもカズを愛そうと決意した。

結婚するまで揺れる想いがあったのは事実だが、

カズが真知子を必要という一言が真知子が最後までカズを愛し、

カズの為なら何でもしようと奔走する。

それを知ったカズはこれ以上迷惑を掛けれないと覚悟を決めるのだが、

背負ったものがあまりにも大き過ぎたね。

背負えるところまでは背負っても良いだろうけれど、

背負い過ぎると悲劇を招く事は最後で痛感した。

総評としてそれぞれの境遇の中で2人は周りから軽蔑され続けた。

それでも2人は愛されなくても2人は互いに紆余曲折を経て愛する事を誓い結ばれた。

結ばれた2人は互いにそれぞれを想い苦渋の選択をする

カズに真知子はカズしかいないと離れる事はなかった。

もし2人が生まれ変わったとしても2人は軽蔑されようとも結ばれる事だろう。

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