2月11日公開の映画

「太平洋の奇跡 −フォックスと呼ばれた男」を鑑賞した。

この映画は1944年7月に太平洋戦争で

アメリカ軍がサイパン島に侵攻し殆どの日本軍は壊滅したが、

生き残った兵たちが民間人を守りながら

アメリカ軍と512日間に渡る戦いを繰り広げていく

実話のストーリーである。

太平洋戦争が開戦して丁度70年目に当る

今年は多くの玉砕する兵士や指揮官が多い中で

最後まで生き抜く為に戦い抜いた

兵士の戦いにアメリカ軍の将校たちは

次第に感銘していく姿が描かれている。
今年が丁度太平洋戦争開戦から70年という事で

それだけの月日が経てしまうと

戦争を知る人の多くが亡くなっている訳であり

現在ではわずか1人の生存者が存命している。

色々な視点で描かれる戦争映画は

近年では「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」で

それぞれの視点から描かれた映画があったけれど、

今回は原作がアメリカのドン・ジョーンズの長編実録小説

「タッポーチョ「敵ながら天晴」大場隊の勇戦512日」

を原作としており、

今回は日本とアメリカそれぞれの立場から描いているのが特徴だ。

実話が元なので生死が繰り広げられるんだけれど、

その中で生きるために戦い続けた

日本兵の大場栄・陸軍大尉の戦いぶりに

次第にアメリカ側の兵士たちが感銘を深めていく。

わずか47名の兵で512日間を戦い抜いた

その戦いぶりをレビューしていきたい。

キャスト

竹野内豊演じる大場栄

唐沢寿明演じる堀内今朝松

井上真央演じる青野千恵子

山田孝之演じる木谷敏男

中嶋朋子演じる奥野春子

岡田義徳演じる尾藤三郎

阿部サダヲ演じる元木末吉

ショーン演じるマクゴーウァン:ハーマン・ルイス

ダニエル演じるボールドウィン:ポラード

トリート演じるウィリアムズ:ウェシンガー

板尾創路演じる金原

光石研演じる永田

柄本時生演じる池上

近藤芳正演じる伴野

酒井敏也演じる馬場明夫

ベンガル演じる大城一雄

以上その他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

1944年、太平洋戦争末期のサイパン島。

圧倒的な戦力を誇るアメリカ軍に対し、

日本軍守備隊は最後の突撃を敢行し、玉砕する。

しかしその日から、アメリカ軍の恐怖の日々が始まった。

残存兵力を組織した大場栄大尉による抵抗が開始されたのだ。

大場は47人の兵士たちと共に、512日もの間敵に立ち向かい、

多くの民間人を守っていく。

やがて彼の不屈の戦いぶりは、

敵軍の将校ハーマン・ルイス大尉に畏敬の念を抱かせる。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして

サイパンの戦いが描かれた中で

多くの日本兵と民間人が犠牲になった戦いだった訳だけれど、

この頃の日本は敗戦に次ぐ敗戦の連続で

もう国を守る事すら困難な状況となっていた。

元々アメリカの国力から比べたら勝てる可能性は

限りなくなかった戦いだった訳だから、

その中でしミッドウェー開戦での敗北から

日本は次第に追い込まれていった中で

サイパン島にアメリカ軍が侵攻し

3万の兵と2万の民間人の多くが犠牲となり、

1944年7月7日のバンザイ総攻撃により

日本軍は事実上壊滅した。

しかしその中で生存し戦い続けた一軍があった。

それが今回の主人公になる大場栄大尉による部隊だった。

大場隊も当初はアメリカ軍に勝つための行動を続けたものの、

圧倒的な数に勝るアメリカ軍に勝つ事が難しいと悟った

大場大尉は途中で方針を変えて民間人を

守る戦いに終始し始めた。

戦時において民間人は攻撃しないという名目があるものの、

実際の戦争はそんな綺麗事では済まない訳で、

これが戦争だという認識をして観なければならない部分はある。

そんな中わずか47人の兵士だけで

民間人約200人を守り抜いた大場隊は

どうして512日間も戦えたのだろうか?というところだ。

1つには大場大尉が地理の教師だった事にある。

元々純粋な軍人ではなかった大場大尉は

地理の教師という知識をゲリラ戦となった中で

如何なく発揮される。

これは歴史的な戦いを観ても地形を活かした戦い方があり、

地形の利を活かす事で相手が何倍の兵力を有したとしても、

その地形により兵力が限られ、

同じような条件で戦えるというメリットがあり、

大場大尉もその地形の利を活かして戦い続けた。

2つ目にほぼサイパンを占領した

アメリカ軍にとって次なるターゲットは

日本本土にあった事だ。

このサイパンに数千の兵が生き残っているなら

アメリカ軍も本土攻略に力を入れただろうが、

7月7日のバンザイ総攻撃で殆どの兵力を

失った事でそれだけ多くの兵を投入する事が

できない事情もあった。

それゆえ最高でも5千の兵しか導入できず、

その中で大場大尉は戦う場所を

断崖絶壁であるタッポーチョ山に移して抵抗した。

これ以来攻撃してこない事もあり

アメリカ軍は警戒する中で大場隊に対して

降伏を勧め続ける事になる。

それらの戦いの中でわずかな兵で

アメリカ軍が翻弄され続ける事により

次第にアメリカ軍の中で指揮する

大場大尉の事をフォックスと呼ぶようになる。

まあ確かに簡単に終わると思っていた

アメリカ軍においてわずか47名の兵によって

ここまで苦戦するとは全くの予想外であり、

しかも多くは罠による被害や地形の利を活かした戦いで

多くの犠牲者を出した事、

そして戦い方だけでなく民間人は生きて

助け続けた事で次第に大場大尉の事に対して

尊敬の念を持っていった。

果たしてこの戦いの行方は・・・

結末は劇場で観てほしいけれど、

これだけわずかな兵で色々な条件が

重なったとはいえここまで戦い続けられたのは

日本が勝つためにというところから始まり、

次第に生きるための戦いへとなっていった事も大きい。

さらには1人でも味方の兵を死なさない戦い方も見事であり、

民間人を最後まで守り続けるために戦い続けた。

これだけ4万以上の死者を出した

サイパンの戦いにおいて残った人たちを救うための戦いを

続けた大場大尉は残った兵も最終的には

助ける事になる訳だけれど、

大場大尉は戦後戦争の事は全く語らなかったそうだ。

それはこの戦いが多くの犠牲者を出したからでもあり、

あれだけ512日間に及ぶ戦いを経験したからこそ

語れない事もあったのは間違いない。

そしてそれを伝えたのが敵国であった

アメリカ軍の将校だった方だという事が

敵方からしても大場大尉の戦いぶりだけでなく、

多くの人たちを救った事に対する行動が

尊敬の念に繋がっているのだと思う。

戦争においてこのような尊敬の念を抱かれる

軍人はなかなかいないけれど、

元々戦場で戦っている人たちの多くは

戦争をしたくてしている人たちじゃないという事も

そういう気持ちにさせたのだと感じるし、

実際に戦っていた大場大尉も

アメリカ軍から尊敬の念を持たれている事を知ったのは

投降後の事であり、

その中で尊敬される事は何もしていないという事も

また印象深いシーンだった。

確かに戦争は人を殺してもよいのが戦争であり、

大場大尉も多くの兵を殺した訳であり、

それを考えれば最後の言葉は戦争で

尊敬の念を持たれる事は何1つもないという事を

感じるシーンでもあった。

総評として日米両方から描いた作品として

実にバランスの取れた作品となっており、

あれだけ日本人が玉砕して亡くなっていた人が

多かった中で多くの民間人を生かすために

戦い続けた大場大尉は戦時ではなかなかできない行動を

された軍人だった。

それが次第に敵ながらもその戦いぶりと

民間人を救った事に対する行動に

尊敬の念を持って受け入れられた。

本来戦争は民間人である国民を守るために戦争をするものであり、

脅威を取り除くために戦争がこれまで行われてきた。

その中で侵攻される側は民間人である

国民を守るために戦い最後まで戦い抜く。

それが本来の戦争だったはずだ。

しかし何時の間にかその本来国を守るための戦いを忘れ

侵攻する事で侵す事に終始した

当時の日本は敗戦の道へと進んだ。

その中で大場大尉は民間人である

国民を守るために最後まで戦い続けただけだった。

それが本来軍人である国を守るという事に対する

軍人のあり方を示した行動が尊敬の念に繋がったのだと

思えば国民を兵を最後まで守り抜いた

立派な軍人だったと言えるだろう。

軍人を評価するのは後世になる事が多いが

戦っている時に評価される事

そのものが大場大尉の戦いが見事だったからに他ならないだろう。

最後にこの戦いで両軍合わせて5万以上の犠牲者に対して

追悼の意を表します。

この戦いの犠牲があったからこそ

今の平和がある事を私たちは確り認識しなければならないのだと

65年の月日を経ても忘れてはならないし

伝えていかなければならない事だと思います。

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