10月16日公開の映画「桜田門外ノ変」を鑑賞した。
この映画は1860年に起きた
桜田門外ノ変の出来事を忠実に描いた作品で、
暗殺実行犯の水戸藩士たちが
大老井伊直弼を暗殺する前後が描かれているストーリーである。
桜田門外ノ変から150年経つけれど、
この桜田門外ノ変事件が日本を変えるキッカケになったし、
日本が外国の占領下にならなかったターニングポイントとなった
事件として歴史を認識する事になるだろう。
この映画は1860年に起きた
桜田門外ノ変の出来事を忠実に描いた作品で、
暗殺実行犯の水戸藩士たちが
大老井伊直弼を暗殺する前後が描かれているストーリーである。
桜田門外ノ変から150年経つけれど、
この桜田門外ノ変事件が日本を変えるキッカケになったし、
日本が外国の占領下にならなかったターニングポイントとなった
事件として歴史を認識する事になるだろう。
龍馬伝が放送中なので1860年代は
江戸時代から明治時代へと変わっていく中で
大きなターニングポイントとなった事件である。
1853年にペリー来航で江戸幕府が開国を迫られ
翌年に日米和親条約に調印し開国したけれど、
その前の1840年に起きたイギリスと清によるアヘン戦争による
敗北がこの開国を大きく進めたキッカケではあるんだけれど、
確かにこの時代の日本は近代兵器が備わっておらず
当然このまま戦争すれば100%負けた。
それを回避するために開国した訳だが、
200年以上開国しなかったのは
1630年代に江戸幕府は東南アジアへ進出を図ろうとしたが
失敗しキリシタンによる宗教の思想に恐れた幕府が
島原の乱を契機に鎖国した。
鎖国したと言っても全く外国と貿易をしなかった訳じゃなく、
中国とオランダとは貿易を続けた訳なのだが、
世界でも18世紀に戦争が唯一なかったのは
日本しかないほど平和な時代を日本を過ごしてきた。
しかしその時代にも終わりを告げて開国する訳だが、
その中で当然尊王攘夷を唱える者、
そして大政奉還を唱える者も出てきた訳だ。
幕府の力が落ちていく中で井伊直弼はアメリカとの
日米修好通商条約を締結させ物価は高騰の一途を辿り、
それに意を反する者たちは次々と弾圧して行った。
これが桜田門外ノ変に繋がっていく訳だけれど、
独裁政権が続いたらどうなっていったかは想像できるし
江戸幕府は武力で滅んでいたかもしれない。
そんな歴史に関わった者たちについてレビューしたい。
キャスト
関鉄之介演じる大沢たかお
鉄之介の妻関ふさ演じる長谷川京子
岡部三十郎演じる渡辺裕之
金子孫二郎演じる柄本明
野村常之介演じる西村雅彦
徳川斉昭演じる北大路欣也
井伊直弼演じる伊武雅刀
他多数のキャストでストーリーが進行する。
ストーリー
安政7年、尊王攘夷を唱えた水戸藩藩主・徳川斉昭は、
開国派の幕府大老・井伊直弼より永蟄居を命じられていた。
事態を憂慮した水戸藩士有志は、脱藩して井伊直弼を討つ盟約を結ぶ。
そして安政7年3月3日、関鉄之介ら水戸脱藩士17名と、
薩摩藩士1名が実行部隊となり、
桜田門前にて井伊直弼を襲撃、首を討ち取った。
その後、薩摩藩が京都にて挙兵し、
朝廷を幕府軍から守る手はずになっていたため、
関らは京都へ向かうが…。
結末は劇場で観てほしいけれど、
今回のレビューとしてこれだけ忠実に描いた歴史事件も
珍しい位忠実に描き通していた。
この事件を描くに当たってどの部分から描くのか?
というのがある意味ポイントになるのだろうけれど、
この事件は映画の前半で描かれるが、
事件当日を描くに当たってそれまでの経緯と
その後を描く事でこの事件がどうして起こり、
そして実行したのか?
そしてその事件を起こす事が本当の必要だったのか?
という事を私たちは考えさせられることになる
という点では実に見事な描き方をしたと思う。
事件は決行までの3日間から描かれ、
そこから決行するまでの決意とその準備段階が描かれていくが、
決行するまでの間に回想が出てくるけれど、
その中には水戸藩主徳川斉昭が井伊直弼との
攻防する様が描かれるのだが、
この時代丁度将軍が幕府の政ができる年齢ではなく、
12代家慶の跡継ぎが家定しかいなかった事で
病弱な家定では政治を仕切る事ができなかった。
それを御三家や老中が仕切る形で幕府は運営されていた。
ある意味事実上のトップ不在の中で政治が行われていた訳だ。
家斉、家慶まではトップ主導政治を実施していた事を
思うとこの時代はもう将軍は飾り物でしかなかった。
その中で老中、大老が政治の主導権を握っていったのだが、
その中で斉昭は歴代水戸藩主でも名君の1人として数えられた藩主だが、
14代世継ぎ争いで井伊直弼が推す家茂と水戸藩が推す慶喜との
争いに敗れてから水戸藩は井伊直弼から弾圧されるようになった。
これは安政の大獄というんだけれど、
幕府に逆らう者というよりも井伊直弼に逆らう者たちは
処刑されるという感じだった。
もうこの時点で幕府は井伊直弼の独壇場になっていた訳で
そういう弾圧をこれ以上阻止するために
水戸藩士たちが斉昭に代わって立ち上がった。
それ以外にも薩摩藩も加わり計画が実行されていく訳だけれど、
実行した後に計画は薩摩藩が兵を出さなかった事で頓挫する。
それにより水戸藩は多くの藩士を失う事となり
幕末の主役から姿を消していく訳だけれど、
関鉄之介が捕まるまでの2年間を
それぞれの葛藤を確り描いているところもある意味
醍醐味がある部分でもあった。
結末は劇場で観てほしいんだけれど、
こういう歴史があったからこそ今の日本があるという事を
忘れてはならない事件だという事を認識する事になるだろう。
総評として歴史上の事件を描くと
どうしても忠実から逸れる事も少なくないが、
今回の映画についてはこの事件を考えるという点では
とても勉強になった作品だと思います。
歴史を忠実に描く事、そしてこの事件がどうして起こり、
そしてどうして必要だったのかを歴史をたどる事で
知る事ができるのも映画の1つの役割だと
認識する事になるのだと思います。

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江戸時代から明治時代へと変わっていく中で
大きなターニングポイントとなった事件である。
1853年にペリー来航で江戸幕府が開国を迫られ
翌年に日米和親条約に調印し開国したけれど、
その前の1840年に起きたイギリスと清によるアヘン戦争による
敗北がこの開国を大きく進めたキッカケではあるんだけれど、
確かにこの時代の日本は近代兵器が備わっておらず
当然このまま戦争すれば100%負けた。
それを回避するために開国した訳だが、
200年以上開国しなかったのは
1630年代に江戸幕府は東南アジアへ進出を図ろうとしたが
失敗しキリシタンによる宗教の思想に恐れた幕府が
島原の乱を契機に鎖国した。
鎖国したと言っても全く外国と貿易をしなかった訳じゃなく、
中国とオランダとは貿易を続けた訳なのだが、
世界でも18世紀に戦争が唯一なかったのは
日本しかないほど平和な時代を日本を過ごしてきた。
しかしその時代にも終わりを告げて開国する訳だが、
その中で当然尊王攘夷を唱える者、
そして大政奉還を唱える者も出てきた訳だ。
幕府の力が落ちていく中で井伊直弼はアメリカとの
日米修好通商条約を締結させ物価は高騰の一途を辿り、
それに意を反する者たちは次々と弾圧して行った。
これが桜田門外ノ変に繋がっていく訳だけれど、
独裁政権が続いたらどうなっていったかは想像できるし
江戸幕府は武力で滅んでいたかもしれない。
そんな歴史に関わった者たちについてレビューしたい。
キャスト
関鉄之介演じる大沢たかお
鉄之介の妻関ふさ演じる長谷川京子
岡部三十郎演じる渡辺裕之
金子孫二郎演じる柄本明
野村常之介演じる西村雅彦
徳川斉昭演じる北大路欣也
井伊直弼演じる伊武雅刀
他多数のキャストでストーリーが進行する。
ストーリー
安政7年、尊王攘夷を唱えた水戸藩藩主・徳川斉昭は、
開国派の幕府大老・井伊直弼より永蟄居を命じられていた。
事態を憂慮した水戸藩士有志は、脱藩して井伊直弼を討つ盟約を結ぶ。
そして安政7年3月3日、関鉄之介ら水戸脱藩士17名と、
薩摩藩士1名が実行部隊となり、
桜田門前にて井伊直弼を襲撃、首を討ち取った。
その後、薩摩藩が京都にて挙兵し、
朝廷を幕府軍から守る手はずになっていたため、
関らは京都へ向かうが…。
結末は劇場で観てほしいけれど、
今回のレビューとしてこれだけ忠実に描いた歴史事件も
珍しい位忠実に描き通していた。
この事件を描くに当たってどの部分から描くのか?
というのがある意味ポイントになるのだろうけれど、
この事件は映画の前半で描かれるが、
事件当日を描くに当たってそれまでの経緯と
その後を描く事でこの事件がどうして起こり、
そして実行したのか?
そしてその事件を起こす事が本当の必要だったのか?
という事を私たちは考えさせられることになる
という点では実に見事な描き方をしたと思う。
事件は決行までの3日間から描かれ、
そこから決行するまでの決意とその準備段階が描かれていくが、
決行するまでの間に回想が出てくるけれど、
その中には水戸藩主徳川斉昭が井伊直弼との
攻防する様が描かれるのだが、
この時代丁度将軍が幕府の政ができる年齢ではなく、
12代家慶の跡継ぎが家定しかいなかった事で
病弱な家定では政治を仕切る事ができなかった。
それを御三家や老中が仕切る形で幕府は運営されていた。
ある意味事実上のトップ不在の中で政治が行われていた訳だ。
家斉、家慶まではトップ主導政治を実施していた事を
思うとこの時代はもう将軍は飾り物でしかなかった。
その中で老中、大老が政治の主導権を握っていったのだが、
その中で斉昭は歴代水戸藩主でも名君の1人として数えられた藩主だが、
14代世継ぎ争いで井伊直弼が推す家茂と水戸藩が推す慶喜との
争いに敗れてから水戸藩は井伊直弼から弾圧されるようになった。
これは安政の大獄というんだけれど、
幕府に逆らう者というよりも井伊直弼に逆らう者たちは
処刑されるという感じだった。
もうこの時点で幕府は井伊直弼の独壇場になっていた訳で
そういう弾圧をこれ以上阻止するために
水戸藩士たちが斉昭に代わって立ち上がった。
それ以外にも薩摩藩も加わり計画が実行されていく訳だけれど、
実行した後に計画は薩摩藩が兵を出さなかった事で頓挫する。
それにより水戸藩は多くの藩士を失う事となり
幕末の主役から姿を消していく訳だけれど、
関鉄之介が捕まるまでの2年間を
それぞれの葛藤を確り描いているところもある意味
醍醐味がある部分でもあった。
結末は劇場で観てほしいんだけれど、
こういう歴史があったからこそ今の日本があるという事を
忘れてはならない事件だという事を認識する事になるだろう。
総評として歴史上の事件を描くと
どうしても忠実から逸れる事も少なくないが、
今回の映画についてはこの事件を考えるという点では
とても勉強になった作品だと思います。
歴史を忠実に描く事、そしてこの事件がどうして起こり、
そしてどうして必要だったのかを歴史をたどる事で
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