9月4日公開の映画「BECK」を鑑賞した。
この映画はハロルド作石原作の「BECK」を映画化した作品で、
平凡に過ごしていた高校生が帰国子女の男と
出会い音楽に目覚めてバンドに入り個性ある
5人が集まったバンドBECKがロックフェスティバルを経て
成長し人気バンドになる過程を描いたストーリーである。
原作の音楽感を大切にする姿勢は理解するとしても
やはりこれまで数多く描かれてきた
音楽ムービーを考えると音楽の大切さを
痛感してしまう事になってしまうだろう。
この映画はハロルド作石原作の「BECK」を映画化した作品で、
平凡に過ごしていた高校生が帰国子女の男と
出会い音楽に目覚めてバンドに入り個性ある
5人が集まったバンドBECKがロックフェスティバルを経て
成長し人気バンドになる過程を描いたストーリーである。
原作の音楽感を大切にする姿勢は理解するとしても
やはりこれまで数多く描かれてきた
音楽ムービーを考えると音楽の大切さを
痛感してしまう事になってしまうだろう。
BECKをTwitterでフォローしているからと言って
批判しませんという事はしませんので
今回はやはり音楽好きの私としても
これほど納得できない作品もないという気持ちで一杯だ。
これまで数多くの音楽作品を鑑賞し多くの作品で賞賛してきたし、
2006年の年間最高作品にはタイヨウのうたを選んだほど
音楽をこよなく愛している。
それも作品として音楽が伝える力があるからだ。
しかしこのBECKについてはこれほど音楽作品として
ガックリさせられる事がないほど失望してしまった。
正確に言うとストーリーにはガックリしていない。
しかし堤監督あろう者が20世紀少年で
あれほどキャラクターそっくりの人物を描き切り、
本来歌手でもない唐沢寿明に歌まで歌わせて
世界を救ったストーリーを描いた監督が
どうしてこういう演出をしてしまったのだろうか?と思うし、
逆に言えば最初からキャストありきで
俳優人生を左右する事務所の意向もあったのかもしれない。
でもそれで本当に良い作品が作れるのだろうか?
という疑問が私は拭い去る事ができなかった。
その理由を確り示した上でレビューしていきたいと思う。
キャスト
外国帰りの天才的ギタリストで気持ちの熱いリーダーは
メンバーを集め音楽シーンを駆け上がっていく事になる
リーダーでギター担当の南竜介演じる水嶋ヒロ
竜介と出会いそれまで平凡だった高校生活が変わりギターを覚え、
天性的なボーカルでBECKを人気バンドへ導いていく
ギター兼ボーカル担当田中幸雄通称コユキ演じる佐藤健
ラップの名手でバンドのムードメーカー、
コユキの登場でバンドの居場所がなくなりかけるも
誰よりもBECKを愛する
ボーカルとMC担当の千葉恒美演じる桐谷健太
コユキとは転校した高校で親しくなり友人となる。
コユキが竜介に才能を見出されたのと
同時に自身もドラムの才能を見出されて
BECKを支えていく
ドラム担当桜井裕志通称サク演じる中村蒼
竜介とは知り合いで竜介の誘いで
BECKに入り常に周りの仲介役となる
ベース担当の平義行演じる向井理
竜介の妹で日本語が苦手のコンプレックスを持つが
コユキを支えBECKを影から応援する
南真帆演じる忽那汐里
他多数のキャストでストーリーが進行する。
ストーリー
内気な高校生の幸雄(通称コユキ)、は、
ある日、ニューヨーク帰りで天才的なギターテクニックを持つ
竜介と運命的な出会いをし、音楽の道にのめり込んでいく。
ボーカルの千葉、ベースの平、
そしてコユキの親友サクがドラムに加わり、
バンドBECKが結成された。
ライブハウスでの活躍、自主制作CDの作成、
そして大型ロックフェスへの出演が決まり、順調に見えたかの船出。
しかし、ライバルバンドの大物プロデューサーが罠を仕掛けてくる。
結末は劇場で観てほしいけれど、
今回のレビューとしてストーリーの流れについては
個人的には特に不満はない。
確かにニューヨークでの出来事で裏社会的な部分こそ描かれたけれど、
まあ人のギターを持ち出した訳だから
命あっただけでもよしとしたいところだろう。
バンド結成→人気が出始め→壁にぶち当たり→成長し→人気バンドへ
という流れなのでどんなバンドでも色々な出来事を経て
人気バンドへとなっていくので
それぞれの才能がぶつかり合い
そしてその才能と激突した末に互いに解り合える事で1つになっていく
過程を上手く描いているし、
それを支える真帆や沙莉、グレイトフル・サウンドに誘った和緒、
そしてライバルとなるバンドとプロデューサーなど
登場するキャラクターについては実に個性的だ。
これだけストーリー性について効評価しながら
どうしてこの作品に対して不満なのか?
という点についてだけれど、
やはりこれはボーカルに尽きるだろう。
キャスティングを選ぶ上で原作を壊さずに描く事も確かに必要だ。
そういう点ではこれまでNANAの中島美嘉、
タイヨウのうたのYUIはアーティストであり
演技にも魅了されただけに作品以上の魅力を引き出してくれた。
どうしても漫画が原作だと歌という点では
想像の世界でしかなくなってしまうから
それを表現できるのも映画の魅力でもある。
これに限らずこれまで音楽シーンでは主題歌で魅了されたり、
劇中で歌ったりしているシーンも少なくない。
うた魂♪の夏帆、ソラニンの宮崎あおい、
20世紀少年の唐沢寿明ら本来歌手でない俳優ですら
歌っている訳だから当然ボーカルなしでは
映画は成立しないのだ。
ただこの原作の設定ではボーカルであるコユキの存在が
おそらく最後まで最大の懸念材料だったのだろう。
観客を魅了するボーカル・・・
本来歌手ではない佐藤健がこの役を演じる事
そのものが厳しい条件だっただろう。
NANAしかりタイヨウのうたしかり
この作品を成立させる上では
NANAは中島美嘉の多くを魅了するボーカルなしでは成立しなかったし、
タイヨウのうたもYUIの切ないボーカルがなければ
あれほど涙する事はなかっただろう。
ただBECKについてはこの役をできるほどの
ボーカル力ある人物がいなかったと言わざる得ない。
確かに今の音楽シーンで女性ボーカルであるなら
観客を魅了するだけのボーカルの持ち主は
20代前半までならいるかもしれない。
しかしこれが20代前半の男性ボーカルとなると
私も考える限り該当する人が存在しないのが実情だ。
ましてコユキのようなビジュアルを条件にするのなら
尚更いないだろうし、
いたとしても相当無名の人物を起用しなければならなかったのだろう。
同じバンドをテーマにした作品として
「BANDAGE」があったけれど、
あの作品も赤西のボーカルはあまりにも厳しいものがあった。
でもグループで歌っている事もあり
それでも吹き替えなしで演じた訳だから
まだ彼はそれなりに頑張ったと言って良いし、
作品として成立させた。
しかしこの作品については残念ながら成立させる事ができなかった。
それが1番残念だ。
総評として作品の世界観も確かに大切だ。
しかしそれを描くには音楽の要素として
ボーカルを取り除けるのはのだめのようなオーケストラ作品だけだ。
ボーカルなしで成立させようとした理由は
佐藤健の俳優人生を考えた故の苦肉の策だったと100歩譲っても、
やはりこれまで映画を成立させて来た
堤監督らしくない作品となってしまった。
映画化したい気持ちは確かに解る。
しかしそれを実現するためには必ずベストを尽くしてこそであり、
仮にボーカルが誰だったとしても
ボーカルを演じられなければ映画化して描くべきではなかった。
原作者の意向?
事務所の意向?
堤監督の意向?
まさか演じた佐藤健の意向?
憶測だけ並べても仕方ないが
どんな意向があるにせよ
ボーカルなしで描くという前提で観てくださいと言われていたら
間違いなく私はこの作品をパスしただろう。
仮に下手かもしれませんが見届けてくださいと
言われたならどんなに下手でも観る決断をしただろう。
故に音楽作品として騙されてしまった気持ちが
ラストシーンで強く残ってしまった事が残念でならないし、
この事について納得しろと言われたら
間違いなく納得できませんと答えるしかないだろう。

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批判しませんという事はしませんので
今回はやはり音楽好きの私としても
これほど納得できない作品もないという気持ちで一杯だ。
これまで数多くの音楽作品を鑑賞し多くの作品で賞賛してきたし、
2006年の年間最高作品にはタイヨウのうたを選んだほど
音楽をこよなく愛している。
それも作品として音楽が伝える力があるからだ。
しかしこのBECKについてはこれほど音楽作品として
ガックリさせられる事がないほど失望してしまった。
正確に言うとストーリーにはガックリしていない。
しかし堤監督あろう者が20世紀少年で
あれほどキャラクターそっくりの人物を描き切り、
本来歌手でもない唐沢寿明に歌まで歌わせて
世界を救ったストーリーを描いた監督が
どうしてこういう演出をしてしまったのだろうか?と思うし、
逆に言えば最初からキャストありきで
俳優人生を左右する事務所の意向もあったのかもしれない。
でもそれで本当に良い作品が作れるのだろうか?
という疑問が私は拭い去る事ができなかった。
その理由を確り示した上でレビューしていきたいと思う。
キャスト
外国帰りの天才的ギタリストで気持ちの熱いリーダーは
メンバーを集め音楽シーンを駆け上がっていく事になる
リーダーでギター担当の南竜介演じる水嶋ヒロ
竜介と出会いそれまで平凡だった高校生活が変わりギターを覚え、
天性的なボーカルでBECKを人気バンドへ導いていく
ギター兼ボーカル担当田中幸雄通称コユキ演じる佐藤健
ラップの名手でバンドのムードメーカー、
コユキの登場でバンドの居場所がなくなりかけるも
誰よりもBECKを愛する
ボーカルとMC担当の千葉恒美演じる桐谷健太
コユキとは転校した高校で親しくなり友人となる。
コユキが竜介に才能を見出されたのと
同時に自身もドラムの才能を見出されて
BECKを支えていく
ドラム担当桜井裕志通称サク演じる中村蒼
竜介とは知り合いで竜介の誘いで
BECKに入り常に周りの仲介役となる
ベース担当の平義行演じる向井理
竜介の妹で日本語が苦手のコンプレックスを持つが
コユキを支えBECKを影から応援する
南真帆演じる忽那汐里
他多数のキャストでストーリーが進行する。
ストーリー
内気な高校生の幸雄(通称コユキ)、は、
ある日、ニューヨーク帰りで天才的なギターテクニックを持つ
竜介と運命的な出会いをし、音楽の道にのめり込んでいく。
ボーカルの千葉、ベースの平、
そしてコユキの親友サクがドラムに加わり、
バンドBECKが結成された。
ライブハウスでの活躍、自主制作CDの作成、
そして大型ロックフェスへの出演が決まり、順調に見えたかの船出。
しかし、ライバルバンドの大物プロデューサーが罠を仕掛けてくる。
結末は劇場で観てほしいけれど、
今回のレビューとしてストーリーの流れについては
個人的には特に不満はない。
確かにニューヨークでの出来事で裏社会的な部分こそ描かれたけれど、
まあ人のギターを持ち出した訳だから
命あっただけでもよしとしたいところだろう。
バンド結成→人気が出始め→壁にぶち当たり→成長し→人気バンドへ
という流れなのでどんなバンドでも色々な出来事を経て
人気バンドへとなっていくので
それぞれの才能がぶつかり合い
そしてその才能と激突した末に互いに解り合える事で1つになっていく
過程を上手く描いているし、
それを支える真帆や沙莉、グレイトフル・サウンドに誘った和緒、
そしてライバルとなるバンドとプロデューサーなど
登場するキャラクターについては実に個性的だ。
これだけストーリー性について効評価しながら
どうしてこの作品に対して不満なのか?
という点についてだけれど、
やはりこれはボーカルに尽きるだろう。
キャスティングを選ぶ上で原作を壊さずに描く事も確かに必要だ。
そういう点ではこれまでNANAの中島美嘉、
タイヨウのうたのYUIはアーティストであり
演技にも魅了されただけに作品以上の魅力を引き出してくれた。
どうしても漫画が原作だと歌という点では
想像の世界でしかなくなってしまうから
それを表現できるのも映画の魅力でもある。
これに限らずこれまで音楽シーンでは主題歌で魅了されたり、
劇中で歌ったりしているシーンも少なくない。
うた魂♪の夏帆、ソラニンの宮崎あおい、
20世紀少年の唐沢寿明ら本来歌手でない俳優ですら
歌っている訳だから当然ボーカルなしでは
映画は成立しないのだ。
ただこの原作の設定ではボーカルであるコユキの存在が
おそらく最後まで最大の懸念材料だったのだろう。
観客を魅了するボーカル・・・
本来歌手ではない佐藤健がこの役を演じる事
そのものが厳しい条件だっただろう。
NANAしかりタイヨウのうたしかり
この作品を成立させる上では
NANAは中島美嘉の多くを魅了するボーカルなしでは成立しなかったし、
タイヨウのうたもYUIの切ないボーカルがなければ
あれほど涙する事はなかっただろう。
ただBECKについてはこの役をできるほどの
ボーカル力ある人物がいなかったと言わざる得ない。
確かに今の音楽シーンで女性ボーカルであるなら
観客を魅了するだけのボーカルの持ち主は
20代前半までならいるかもしれない。
しかしこれが20代前半の男性ボーカルとなると
私も考える限り該当する人が存在しないのが実情だ。
ましてコユキのようなビジュアルを条件にするのなら
尚更いないだろうし、
いたとしても相当無名の人物を起用しなければならなかったのだろう。
同じバンドをテーマにした作品として
「BANDAGE」があったけれど、
あの作品も赤西のボーカルはあまりにも厳しいものがあった。
でもグループで歌っている事もあり
それでも吹き替えなしで演じた訳だから
まだ彼はそれなりに頑張ったと言って良いし、
作品として成立させた。
しかしこの作品については残念ながら成立させる事ができなかった。
それが1番残念だ。
総評として作品の世界観も確かに大切だ。
しかしそれを描くには音楽の要素として
ボーカルを取り除けるのはのだめのようなオーケストラ作品だけだ。
ボーカルなしで成立させようとした理由は
佐藤健の俳優人生を考えた故の苦肉の策だったと100歩譲っても、
やはりこれまで映画を成立させて来た
堤監督らしくない作品となってしまった。
映画化したい気持ちは確かに解る。
しかしそれを実現するためには必ずベストを尽くしてこそであり、
仮にボーカルが誰だったとしても
ボーカルを演じられなければ映画化して描くべきではなかった。
原作者の意向?
事務所の意向?
堤監督の意向?
まさか演じた佐藤健の意向?
憶測だけ並べても仕方ないが
どんな意向があるにせよ
ボーカルなしで描くという前提で観てくださいと言われていたら
間違いなく私はこの作品をパスしただろう。
仮に下手かもしれませんが見届けてくださいと
言われたならどんなに下手でも観る決断をしただろう。
故に音楽作品として騙されてしまった気持ちが
ラストシーンで強く残ってしまった事が残念でならないし、
この事について納得しろと言われたら
間違いなく納得できませんと答えるしかないだろう。


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