6月19日公開の映画「ソフトボーイ」を鑑賞した。

この映画は実際に佐賀県の高校であったエピソードを元に製作され、

予選なしで全国大会に行けると思いこんだ男子生徒が

仲間を誘って男子ソフトボール部を作り

全国大会1勝を目指す青春ストーリーである。

男子わずか30人しかいない高校で実際にあった

実話という事で怖いもの知らずもあるけれど、

その中でチームが1つになっていく姿は

下手でも夢を諦めない姿に感動する事だろう。
実際にあった話という事でこういう単純な動機で

全国大会に出場するというのが

ある意味田舎町だからこそできる発想なのかもしれないけれど、

東京や都市部に住んでいる人たちには

予選なしで全国大会に出場できる競技って殆どないと思う。

でも地方に行けば高校数が少なく実力も低い場合が

あるので全国大会に出場できるというケースが

あるゆえに越境留学という形で高校進学する生徒がいるのが現実だ。

確かに東京や大阪に住んでいたらまず全国は厚い壁だ。

でも地方なら特に30数校しかなければ

4回ぐらい戦って全国大会に出場できる訳だ。

そう考えれば今回の発想もそれに近い形だ。

佐賀県は本当に九州でも過疎地になるほどだし人口比率も低い。

ゆえに卒業後の殆どは就職するために

就職専門の高校で技術を学んでいるシーンが

この劇中でも出てくるけれど、

そんな何もない町から全国を予選なしで

目指そうとしたストーリーだ。

面白い事に佐賀県は2007年に夏の甲子園で

佐賀北高校が全国制覇している。

それを観て予選なしで全国大会へ出場できる競技はないかと

探した結果がソフトボールだった。

しかし集まったメンバーは素人集団、

これで全国に出ても当然ボコボコにされるのは目に見えているんだけれど、

そんな予選なしで全国大会に出場してヒーローになる

という不純な動機で始めたソフトボールだったけれど、

次第に練習に励みチームは1つに纏まっていく。

そんなストーリーを振り返りたい。

キャスト

フランス行きを夢見る中華料理屋の息子

いつも幼馴染のノグチに振り回される

オニツカ演じる永山絢斗

幼馴染オニツカをソフトボールに誘った言い出しっぺで

チームのムードメーカーノグチ演じる賀来賢人

オニツカの幼馴染でソフトボール部のマネージャーを務める

クサナギ演じる波瑠

ソフトボール部の顧問を仕方なく務める事になるが

チームメイトのやる気に次第に熱血指導していく事になる

澤山先生演じる大倉孝二

他多数のキャストでストーリーは進行する。

ストーリー

高校最後の夏、フレンチのシェフを夢見るオニツカは、

自らの進路に思いをめぐらせていた。

そんな折、幼なじみのノグチが

「県内初の男子ソフトボール部を創部すれば全国大会に出場できる」

と言い出し、オニツカは部員集めに奔走するハメに。

何とか集まった9人は、

キャッチボールもまともにできない素人集団だった……。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして舞台は佐賀県の田舎町の商業高校が舞台・・・

そこから全国大会に予選なしで出場できる事を知った

ノグチがオニツカを誘ってソフトボール部を作るところから始まった。

そもそもこの商業高校わずか男子生徒30人しかいない

高校なんだけれど、そこで9人を集める事は

どれだけ大変なのかが良く分かるものだ。

そもそもこういう高校に男子生徒が進学するのは

たまたま近くの高校だったからか、

そういう職業に目標があるかなので

実にスポーツをやろうとする人は多くない。

その中で9人を集める事そのものは難しい。

実際に集まるまでかなり苦労している訳だけれど、

何とか揃った9人でようやくソフトボール部が設立される。

しかし集まったとはいえ経験者わずか1人

という中でまともに試合をしようというのが実は厳しいものだ。

劇中では北京五輪金メダルリストの上野由岐子が登場するんだけれど、

まあ彼女のボールを素人が打とうとしたら恐らく

3年猛練習して当てられるかどうかだろうね。

プロ野球選手でも当てる事ができないほど

速いから素人が当てようという時点で土台無謀というものだ。

これは世界トップの人の基準なので普通のレベルに話を戻すと、

野球でも弱小高校は全国に多数存在する。

それなりに練習するとはいえ簡単に強くなれるほど甘いものじゃない。

ただ高校野球の場合は投手と一定のポジションさえ

守備の上手い選手がいれば県大会のベスト8まで行ける可能性はある。

時々弱そうな高校が上位に進出してくるケースは

その年にいい投手がいるケースだ。

ただいい投手がいても打線が点を取れるかどうか

という点については別問題で、

やはり全国を目指す高校と対戦すると

1点を取れるかどうかという感じだし、

守り切れても延長戦で力尽きる可能性が高いものだ。

私も学生時代にのちにプロで10勝以上

上げた投手がいた高校と練習した経験があるけれど、

いい投手がいるから勝ち上がれるものじゃないんだよね。

確かに一定は勝ち上がれるんだけれどね。

このソフトボール部でも全国で1勝を上げるために

9人の中で3人ほど上手い選手がいるので

その選手にサードとセンターに配置させた。

確かにソフトボールの場合サードに飛ぶケースが多いし、

外野は野球ほど広くないから

センターがカバーする事はそれなりに可能だ。

でもそれは地方予選でも話であり

全国大会では簡単に通用しないんだけれどね・・・

そんな不純な動機で始めた9人だったけれど、

そこで思わぬ問題が発生した。

それは全国大会前に九州地区代表決定戦に

勝たなければならない事だった。

それに向けて練習する9人だったが・・・

なんとここで思わぬ棚からぼた餅・・・

相手高校が出場できず不戦勝で全国に行ける事になった。

1度も戦わず全国へ・・・でもここでさらに問題が発生した。

オニツカが全国大会当日に憧れのシェフから

料理コンクールに誘われていた。

それで1度はバラバラになる9人だったけれど、

幼馴染のクサナギの説得でコンクールより

全国大会を選んだオニツカ・・・

そして晴れの舞台全国大会に出場する果たして

牛津はまともな試合を展開する事ができるのか?

そしてそこから何を彼らは得る事が出来たのか?

結末は劇場で観てほしいけれど、動機は不純だけれど、

みんなで目標があったから1つになれた姿には

下手でも目指せるものがある事で何かを掴める事を教えてくれた。

1回も戦わずに全国へ出場するのは

私個人として正直違和感があるんだけれど、

それでも彼らは彼らなりに目指すものが

なかった中で目指すものが見つけられた事で

得られた友情がそこにあった。

試合は私個人としては実力差を考慮してもよく戦ったと思う。

野球の予選では100点差の試合だってあるんだから・・・

総評として不純な動機でも目指すものが

見つかった事で9人はそれぞれの人生に大きな財産となった。

最後の展開にはビックリするんだけれど、

彼らには彼らの人生の中で大きな1ページを刻めた夏だったし、

こういう事があったから今があると思える。

振り返ればあの時の経験があったからこそ

得られる勇気を受け止める事ができた作品でした。

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