10日公開の映画「さまよう刃」を鑑賞した。

この映画は妻を亡くして娘と2人暮らしをしていた父娘が

ある日突然中学生の娘が未成年の少年たちに

誘拐されてレイプされた揚句薬物を注入されて殺されて発見される。

その犯人から犯罪を犯した者の情報を知った父親は娘の無念を

晴らすべく復讐に走り、警察は少年法の狭間に苦しみながらも

少年の確保と復讐の阻止をしていくストーリーである。

鑑賞すればするほど少年法の難しさ、被害者の無念と怒りを感じ、

更生させる事が全てなのかを考えさせられ、

先日話題になった光市母子殺人事件の少年に事を綴った

著書のタイトルも過り考えてしまうほど

判断の難しい結末を迎える事になるだろう。
この作品の内容を知った時他の作品を後回しにしても

良いから真っ先に観たいと思わせた作品だった。

私もこのBlogでは何度か光市母子殺人事件の件を書いているんだけれど、

私のこれまでの結論としては何でも更生できるものではなく、

更生を前提にする少年法の見直しは必至であり、

犯罪の内容次第では極刑(死刑)も容認して良いというのが私の結論だ。

今の日本の刑法では最高刑は死刑であり、次は無期懲役だ。

ここに終身刑という項目があるのなら死刑回避もありと考えるが、

死刑の次が無期懲役である以上何時の日か模範囚なり何なりで

必ず刑務所から出所する事になる。

それが果たして本当に良いのだろうか?

という刑法に対する疑問視をしている部分だ。

今回の作品は簡単に状況を書くと、

ある日中学生になる一人娘が突然誘拐され、

レイプされ薬物を投入されて無残な殺され方をした。

それを犯した犯人が19歳未満の少年で少年法により

保護されるというやり切れないものだ。

そして事が悪い事に犯人を知った父親は

1人の犯人を殺してもう1人を追っている

という警察は少年法と犯人確保という矛盾の中で

捜査する苦悩が描かれている。

そんなそれぞれの苦悩と事件の経緯から

考える少年法と少年に対する処分について考えていきたい。

キャスト

妻を亡くし、娘と2人で暮らしていた。

娘の成長を楽しみに生きていた矢先に娘が無残に殺され、

殺した犯人が未成年だという事を知ってしまい少年たちを追う

長峰重樹演じる寺尾聡

長峰絵摩殺害事件の担当刑事で伴崎アツヤ殺人事件の容疑者として

長峰を追うが、少年法の狭間に苦悩する

刑事織部孝史演じる竹野内豊

同じく長峰絵摩殺害事件の担当刑事で伴崎アツヤ殺人事件の容疑者として

長峰を追うが、刑事のカンと正義感の大切さを知りながらも

法律に基づいてしか取り締まれない事を経験から知っている

真野信一演じる伊東四朗

長野のペンションのオーナーで長峰が訪れてきた時に泊めた。

後事件を知り警察に追われた時長峰を逃がそうとする

木島隆明演じる山谷初男

長野のペンションのオーナーの娘で

長峰と同じく父と2人暮らしをしている。

事件を知り長峰に自首を勧める

木島和佳子演じる酒井美紀

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

残虐な犯罪を続ける少年犯。彼らは“少年法”に保護されている。

最愛の娘が、少年達によって、凌辱され殺された。

ある日、謎の密告電話により、

失意のどん底に落ちていた父親・長峰重樹は、犯人を知ることになる。

「我が国の法律では未成年者に極刑は望めない!」

復讐が何も解決しない虚しい行為だと分かっていながら、

父親は自ら犯人を追う…。

そして、長峰を追う2人の刑事。

織部孝史と真野信一。被害者の絶望は、永遠に消えない。

そして、少年達は犯した罪と同等の刑を受けることはない。

法律を守る。

という建前の正義を優先する警察組織に、不条理さを感じる刑事たち。

それぞれが苦悩しながら、事件は衝撃の結末に向けて、加速していく…。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして被害者の気持ちを考えれば

この行動は自然に起きてしまうものだろうと思うし、

やはりあのような残忍な殺され方を見てしまったら

誰もが冷静になれないはずだ。

事件の経緯に入る前に長峰父娘の暮らしは父の重樹は建築士で、

娘の絵摩は今時の普通の中学生だった。

父娘の関係は良好で妻を乳がんで亡くしてから2人で暮らし、

父の重樹は娘絵摩の成長を楽しみの毎日を過ごしていた。

そんなある日に事件が起こる訳だけれど、

娘の絵摩さんには何も落ち度がないし、

完全に少年グループによる誘拐レイプ犯罪だ。

さらに薬物まで投入して強姦した揚句死体を

河川敷に捨てるという情状酌量の余地が全くない殺人事件だ。

ただ捜査段階ではまだ犯人が未成年であるという事はわからず、

犯人の行方を追っているという段階だった。

娘が無残な姿で殺され悲しみと怒りに

暮れる重樹はただ悲しみと絶望の中にあった。

そんな中で警察は目撃情報から犯人の使ったと思われる車を特定し、

その持ち主の息子である少年中井誠から事情を聴く。

しかしそう簡単に口を割る訳がなく捜査は慎重に進められる。

そんな中で事情聴取を受けた少年中井誠が殺した

絵摩さんの父重樹に電話で連絡し犯行を行った人物の住所を

告げて半信半疑で重樹はその住所のアパートに向かうのだった。

元々この少年中井誠は実行犯の少年から

使い走りで使われていた事もあり、

その少年たちを捕まえてほしいというより消してほしいと思っていた。

現実にこの少年中井誠も犯行の一部始終に関わっている訳で・・・

そして重樹はアパートに入っていくと

そこには絵摩が殺された犯行現場でもあり、

そこにはビデオが重ねられていた。

そのビデオには絵摩が犯行を犯した少年たちの

犯行の一部始終が写っており、絵摩は無残な姿になっていた。

これを観た重樹は吐き気を模様し、怒りに震えた。

そして帰ってきた犯人の1人伴崎アツヤをナイフで

刺してもう1人の犯人菅野カイジの居所を聞き出した。

その後に重樹の連絡した少年が現れる訳だけれど、

実際にこの時アツヤは生きていたのを見ると

本当に殺したのはこの中井誠が致命的な傷を負わせただろう。

そして事件は伴崎アツヤとして動いていく事になる。

この時点で少年法の適用される部分と

そうでない部分が重なる訳だが、

確かに追われている菅野カイジは報道できないゆえ

世間ではどうしても伴崎アツヤを殺した重樹が

犯人としてクローズアップされてしまう。

しかしここで重樹は警察とテレビ局に同じ内容の手紙を送るのだった。

その手紙全文を読んだけれど、

娘を殺された父親なら誰もが思うであろう

この残忍な犯人が少年法によって守られて罰せられるとは

言い難い処分で社会復帰する。

そんな事が許されてよい訳がないと誰もが思うはずだ。

無論私も許されるものではないし、

このような者を社会復帰させる事こそ

社会損失だと私は思っている。

法に準じとはいうが、それを全てにしてしまうのは

あまりにも危険をはらむ事があるという事だ。

凶悪事件になればなるほど世間はその事件を忘れられないものだし、

あの神戸のサカキバラ事件でも少年は社会復帰して

何処かで暮らしている。

それが今でもその事件を忘れられない人には脅威として残っている。

それが現実なのだ。

話は戻るけれど、もう1人の犯人菅野カンジを追う

重樹は長野のペンションを探し続けていた。

そんな中で重樹は同じ父娘の2人で暮らすペンションに泊まるのだった。

そこで娘の和佳子が事件を知り重樹に自首を勧めるが、

父の隆明は重樹の思いを尊重し警察から逃がすのだった。

確かに事件の経緯を知ってしまえば犯人に

復讐の思いを遂げてほしいと思う人がいても不思議じゃないし、

和佳子のように自首して法に委ねるという考えもあるだろう。

そして犯人真野カイジを警察も追い詰めるが間一髪のところで取り逃がし、

重樹も追うが、追ってきた刑事織部は取り逃すのだった。

そして犯人真野カイジは川崎で少年中井誠から

金を受け取るために現れるのだった。

犯人真野カイジを追う警察と重樹、

その結末では予想外の悲劇が待っていた。

結末は劇場で観てほしいけれど、本当に難しい題材の作品だと思うし、

よくここまで刻銘に描いたと思う。

この作品のパンフレットでも光市母子殺害事件の事が

書かれているんだけれど、私も気持ちを考えるなら

重樹さんの行動を否定したくないというのが率直な気持ちだ。

しかしやはり法がある以上その法で可能な限りできる事に対して

ベストを尽くすべきだとも思う。

光市事件では被害者家族となった本村洋さんが同じ

未成年の少年に対して反省の気持ちもなく、反省の色もない、

さらに何の落ち度もない妻と娘を強姦し殺した。

その事を踏まえても更生するに当たらないという思いが

強かった本村さんはその被告の少年に極刑という形で償いを求めた。

現行の法律では18歳以上あれば未成年であっても

死刑判決を言い渡す事ができるので、

少年法が適用されたまま被告少年は広島地裁で

最初の判決では無期懲役を言い渡されたが、

本村さんは最高裁に上告し、

それが世間の機運を高め改めて最高裁は広島地裁に差し戻して

再審議を命じた。

そしてそこから世に名高い悪魔の21人の

ドラえもん弁護団が結成され、

死刑判決を避ける目的だけでドラえもんが何とかしてくれるや、

甦りの儀式など常軌を逸した弁護を展開する。

それに被害者として聴くに堪えない気持ちで

聴いていた本村さんが少年に一切反省を感じないと証言し

改めて極刑を求め、広島地裁は死刑を回避する理由がない

という判断を下し死刑判決を言い渡した。

そして今だ上告中だ。

このストーリーで出てきた内容と殆ど変らない訳だけれど、

こういう事件に遭遇すると少年法の更生ありきの方針は

如何なものだろうか?と考えさせられる訳だ。

そして先日発売された増田美智子著書の

その被告の生い立ちから犯行そして死刑判決を言い渡されるまでを

書いた書籍が話題だが、

そのタイトルが殺して何になるというフレーズだが、

この映画でも最後では重樹は犯人を殺す事は回避していた。

その気持ちは確かに生きてその罪の重みと

地獄を見続けさせた方が死ぬより苦しいという結論だったけれど、

私の持論だけれど、この考えを本当に成立させるなら

今の法律を改正し終身刑を取り入れる事だろう。

そうすれば死ぬまで罪を見続けるし、社会の脅威にもならない。

ただし考え方を1つ変えるとその犯人は死ぬまで

刑務所での生活が保障される。

下手をすればホームレスの人たちより生活が優遇される。

そしてその執行には全て国民の税金が使われるという事だ。

死刑の場合は執行すればそれ以上税金が使われないが、

終身刑の場合死ぬまで税金が投入され続ける。

そのために国民の税金を投入する事に対して

国民が賛成多数ならよいだろうが、

中にはそんな事で税金使うよりもっと使うところがあるだろう

と反対されるケースも考えられる。

終身刑を導入すればそれだけ税金を必要とする訳だ。

税金の話になると解決が見えなくなるので元に戻すと、

私がこの事件を考える上でまず事件の経緯を確り見据え、

そしてその犯行に対して情状酌量の余地があるのかないのかを考え、

その状況と内容とを見据えて考えなければ

情状酌量というところには繋がらない訳で、

これだけ理由もなく自己満足の中で犯した犯行に対して

更生する余地が何処にあるのかを確り理由付けできるのだろうか?

という見解まで導かなければ更生という結論には至らないだろう。

20歳を超えているから極刑、超えていないから極刑にならない

という判断なら私は少年法は間違っていると思うし、

何でも更生できるという前提で考えるものじゃないだろう。

私は今年の4月から6月までアイシテルのレビューをしたけれど、

全ての理由と気持ちと犯行に至るプロセスを踏まえて、

あの事件では更生して生き罪の重みを知るまで

生きなさいという結論を出した。

それは犯行の内容とその気持ちを全て考慮した結果だからであり、

その犯行に対する理由が見つけられたからだ。

ただ今回の事件については少年法という枠は適用すべきじゃないし、

現行の法律であるなら極刑以外にはないだろう。

総評として実に色々考えさせられたし、

今の法律の矛盾を考えさせれられた。

今の法律では犯人は死刑以外は必ず社会復帰して国民の脅威となる。

本村さんも終身刑があるのなら死刑を求めないのだろうが、

もしこういう犯人を殺して何になるというのならハッキリ言おう!

この犯人を生かしてしまえば国民の脅威になる!という事だ。

終身刑がない以上必ず被告は野に放たれる。

これはトラを放つと同じ事だ。

それで再び犯行をした場合その責任を負えますか?

というのがハッキリした答えだ。

世の中何でもやり直せる訳じゃない事を肝に銘じ、

死ぬまで罪を背負わすというのなら終身刑を導入する以外にはないと思う。

この映画でも死ぬより苦しい地獄があるという言葉からも

一瞬の死より長きに渡る苦痛の方が死ぬより辛いものであり、

それは受刑者も被害者も生きている間その痛みは消えない。

日本がチェンジしようとしている今だからこそ

少年法をそして刑法を変えるチャンスなのだと感じています。

支離滅裂な内容となりましたが被害者家族の気持ちを

もっと重視してほしいと思うからこその結論である事も

ご理解してほしいと思います。

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