27日公開の映画「群青 愛が沈んだ海の色」を鑑賞した。

この映画は沖縄南風原島を舞台に20年前に出会った

漁師とピアニストが結ばれ1人の女の子が産まれるが、

病弱だった母は女の子が生まれてからすぐに亡くなる。

そして20年後同じ年に生まれた親友と結婚を誓うが、

その親友も事故で失い娘もまた生きる希望を失ってしまう。

そしてそこから乗り越えるまでを描いたストーリーである。

親子とも失った悲しみを乗り越える姿を描いているが、

立ち直るためのカギはそれぞれ自分自身が握っている事も

忘れてはならないのだと思う。
何かを失った時どうやってその状況を乗り越えるのか?

を描いたのが今回の群青だ。

それが父親もその娘も経験するという事で

どうやって乗り越えるべきなのか?

色々なケースで色々な状況を乗り越えていく

ストーリーは数多いけれど、今回もその1つである。

結ばれたはずの人とわずか数年で死別し、

結婚するはずだった娘の婚約者の死で精神を崩壊させてしまった。

そんな中でどうやって乗り越えるのかその過程をレビューしていきたい。

キャスト

南風原島でウミンチュを営み都会から来たピアニストの

由起子と結婚し娘の涼子を授かったが由起子は病死し、

娘の涼子もまた婚約者を亡くして精神を崩壊してしまう。

2つの死に向かい合う事になる仲村龍二演じる佐々木蔵之介

龍二の娘で一時は看護士になる事を考えたが

幼馴染の一也との結婚を決意した矢先に一也を失って

生きる意味を失ってしまう仲村涼子演じる長澤まさみ

病気静養のために都会からやってきた世界的ピアニスト、

龍二と結ばれ娘の涼子を産むがその直後亡くなってしまう

森下由起子演じる田中美里

涼子と幼馴染でウミンチュ、涼子との結婚を決意するが、

龍二に反対されてかつて龍二が由起子に送った

サンゴを獲りに海へ潜ったところで溺れて亡くなってしまう

上原一也演じる良知真次

涼子と幼馴染で密かに涼子を思っていたが

一也との結婚を決意するのを知り、

島を離れたが一也の死後1年後に再び島に戻って涼子と接する

比嘉大介演じる福士誠治

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

沖縄の離島にやってきた世界的に有名なピアニスト・由起子と

島のウミンチュ(漁師)龍二は恋に落ち、娘・凉子を授かるが、

病弱だった由起子は天国に旅立ってしまう。

やがて、幼なじみの一也、大介と兄妹のように

育った天真爛漫な少女・凉子は、

ウミンチュの一也と結婚を約束する。

しかし、一也は凉子の父を説得するために

宝石サンゴを獲りに海へ深く潜り、帰らぬ人となってしまう。

あまりの悲しみに生きる意味を見い出せず、

自分の世界に閉じこもってしまった凉子を

そっと見守るしかない父と大介だった…。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして親娘2代に渡っての

悲劇に見舞われる悲しみを乗り越えるまでを

描かれる今作だけれど、

それぞれどうやって乗り越えるのかは人それぞれなのだが、

今回は親子2代に渡る悲劇の乗り越え方にあると考える。

まず父の龍二は病気静養でやってきた由起子と出会う事から始まる。

その島で由起子はピアノを弾きながら

演奏する事で病気静養をしていた。

その演奏は島の人たちの心を捉え、龍二にもその演奏を響いた。

そして2人は結ばれ結婚し、娘の涼子が誕生する。

しかしこの時点で由起子が余命わずかという事を知っていた

龍二はそれを受け入れ娘の涼子と共に2人で生きていく事を

決意して由起子を看取ったのだった。

このケースは既に来るとわかっていた

由起子の寿命に対して龍二は受け入れる覚悟が最初からあった。

ゆえに龍二が由起子が亡くなった時でも

覚悟があったからその後も涼子を育てながら

ウミンチュで漁に出ていけたのだった。

覚悟が決まっていると物事割り切りやすいものだから

突然より考える時間があるものだ。

しかし涼子のケースはその逆だった。

同じ年に産まれた3人の幼馴染として共に育っていった。

その中で涼子は一也と結ばれ結婚を決意し、

幼馴染の大介はそれを見て島を去った。

そんな中で一也を突然失い気持ちの整理をつける時間もなく、

涼子は気持ちを受け入れてくれる母も

幼馴染の大介もいない中で龍二に止められ、

一也の最後を看取れなかった。

そして龍二も自分の責任と感じ、涼子に接する事ができず、

涼子も受け止めてくれる人がいない中で精神を崩壊させてしまった。

このケースでは本来母がいれば

受け入れる事をフォローしてあげる事ができたかもしれないし、

幼馴染の大介がその時戻ってくれば涼子も

ここまで精神を崩壊させる事はなかったかもしれない。

さらに悪い事にどうして涼子の気持ちを

理解して上げられなかったのか?という事もある。

もしここで涼子からピアノを奪わなければ

ここまで酷い事にならなかったかもしれない。

より所をさらに無くされた涼子はもう止まった時間の中で

しか生きる事ができなくなった。

そして1年後に戻ってきた大介すら受け入れない状態になった。

その大介も何故戻ってこなかったか?

という点でも一也を失った事に対して

喜んでしまった事で時間が必要だった事だった。

確かに片思いしていた大介にとって一也が亡くなった事は

涼子と結ばれたいと思えばそうかもしれないが、

やはりそれは幼馴染としては思ってはいけない事なのだと思う。

そういう負の連鎖が続いた事で

涼子は自分を取り戻す事ができないままになってしまった。

そして大介は一也が獲ってくる事のできなかった

サンゴを獲りに海に潜るのだった。

果たして大介は無事に戻る事ができるのか?

そして涼子は自分を取り戻す事ができるのか?

結末は劇場で観てほしいが、

悪い事が重なると回避するタイミングを逸してしまう

という事を描いた作品だと思うし、

さらにはその対処法を誤るとより症状を悪化させてしまう事を

描いた作品だった。

まずその人にとって大事な人の次に大事な人は誰なのか?

そしてその人にとって大事なものは何なのか?

それをハッキリわからないと涼子のように

長い時間を掛けても受け入れられるかどうかになってしまうだろう。

総評として失った苦しみを描いた作品としては

その苦しみを感じるにはちょっと感じる事が

できない事も少なくなかった。

しかしそれは本人にしかわからない部分である事を

踏まえれば第3者がこの症状を確り理解する事ができるか?

と言われたら難しいだろう。

涼子は一也の分まで生きる事になるが、

失った時本当に必要な事は何かを身近な人が

確りわかってあげないといけない事を痛感した作品でした。

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