14日巨人の二岡智宏内野手が林昌範投手と共に

巨人から北海道日本ハムへ

守護神マイケル中村投手、工藤隆人外野手との2対2のトレードで

移籍する事になった。

二岡選手は1998年逆指名で巨人に入団し

1年目からレギュラーを獲得し不動のショートストップとして活躍した。

2000年には優勝を決める劇的なサヨナラホームラン、

2002年の日本シリーズではMVPを獲得し、

2006年には2打席連続満塁ホームランのプロ野球記録も作った。

しかし今季は開幕から故障で離脱して

19歳の若手坂本選手に定位置を奪われ、

7月には山本モナとの密会で野球以外でのスキャンダルを起こしていた。

北海道は2季連続12球団最低チーム打率を記録し

打線強化が急務だった事もあり絶対的抑えのマイケルを

放出してでも二岡選手獲得に動いていた。

これで二岡選手は事実上巨人を追放され

新天地で0から出直す事になった。
あのスキャンダルがあったとはいえ

10年間巨人と共に歩んできた二岡選手の放出は

巨人というチームの終焉を感じさせる出来事だ。

確かに今現在ショートは来年以降坂本選手が

不動のポジションである事は間違いない。

しかし今の巨人において右の長打を打てる選手は不在だし、

ショートがダメでもセカンドにコンバートする手段もあった。

私自身あの出来事だけで巨人を追われなければならない

二岡選手には非常に気の毒だし、

何より終身監督退任後チームの功労者が

次々と放出もしくは戦力外通告されるなど

昔の巨人を知る者としてはあまりにも功労者に

対する扱い酷くなり過ぎた。

それ以上に原監督のお気に入り采配は1つ気に入らなくなったら

すぐに放出され金で他チームの主力を買い付けるという

チーム作りに最大の問題があるだろう。

この10年でFAの弊害とはいえ

殆どの主力野手が他チームで占められ、

投手陣も他チームを戦力外を受けた選手は残し、

林投手のように3年間セットアッパーとして

貢献した投手を放出するなど1年ダメで

使い捨てというやり方にも不信感を拭えない。

実力が伴わなくてもお気に入りなら残し、

少しでも怪我や結果が出ないと放出する

姿勢は今後の巨人が金で選手を買い付けるだけの

チームへなってしまう危惧がある。

実際今年阿部捕手以来野手では久しぶりにレギュラーを掴んだが、

他のポジションは控え野手も含め他チームの選手が占めている。

鈴木選手と亀井選手は後半頑張ったが、

主力が万全なら先発なら出番は殆どない。

林投手も今季の巨人の中継ぎは山口投手、

越智投手の台頭があったものの、構成は殆ど右投手だ。

そこに北海道の守護神マイケルを入れても

今度は左投手が山口投手と藤田投手しかいない。

右投手が豊富なのにマイケルを入れて

逆にもめる原因を作るだけなのでは?と思う。

クルーン同様マイケルも殆ど外国人扱いな訳だから

契約段階でセットアッパーを前提とするのか?

それともクルーンに代わる抑えとして契約するのか?

左の中継ぎ投手を失った事が巨人にとって痛いし、

右ばかりでも試合の組み立ては上手くいかないだろう。

対して北海道は確かに財政的な面で厳しいとはいえ、

抑えを放出するのは如何なものだろうか?

完全に活躍できないほど低迷したならともかく、

今の現代野球において抑えがいなければ

投手陣を組み立てる事は困難に近い。

それ以上にこの3年間北海道がリーグ2連覇とAクラスを

死守できたのはマイケルの活躍があったからこそだ。

マイケルが抑えになる前の北海道は

一時期2004年に在籍した横山投手がセーブ王を獲得して

3位になったが、それ以外は抑え不在で

2003年、2005年は5位に低迷した。

その頃は小笠原選手を中心にセギノールと共に

強力打線が売り物だったけれど、リーグ優勝もできなかった。

小笠原選手を欠いても優勝した2007年を観る限り

最後に試合を締める事ができる抑えがいたからこそ

というのを忘れてはならない。

セットアッパーを放出しても先発が1イニング

長く踏ん張れば何とかなるが、

抑えがいなければ先発は完投するしかなくなる。

中日ですら今季セットアッパーの岡本投手を放出しても

岩瀬投手は残留に務めた。そして3位を死守した。

そう考えると来季の北海道は確かに

二岡選手と林投手の獲得でクリーンナップとセットアッパーは

手に入れたが抑えを失った事で来季の戦いは苦戦が予想される。

工藤選手については北海道も巨人も戦力の体勢は変わらないが、

マイケルと林投手のトレードは両チームにとって

二岡選手を追放する為の犠牲とみるしかない。

二岡選手を追放するために巨人は左の中継ぎを、

北海道は抑えを失う痛手を負った。

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青い空を見上げて―読売ジャイアンツ二岡智宏 (地球スポーツライブラリー)
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