20日公開の映画「おろち」を鑑賞した。

この映画は楳図かずお原作の映画で

100年に一度眠りにつきながら生き続ける

おろちがある一族の姉妹を見続けることで

その姉妹の悲劇の運命を見届けるホラーストーリーである。

内容としてはホラー作品となるが予想より

怖さはなくDNAに逆らえない姉妹の悲劇的な結末には

誰もがその運命を呪ってしまう事だろう。
人には逆らえない運命というものが存在する。

それは血筋!こればっかりは生まれてきた者は変える事はできない。

医学的には骨髄移植で血液型が変わるケースは存在するものの、

それは何百万分の1の確率で

遺伝子が一致した場合によるものであり、

まず血筋から逃れる事はできない。

もちろん血筋だけで片付けられない事もあるけれど、

このストーリーはタイトルは「おろち」だが

主役は門前家の運命から逃れられない

姉妹の悲劇を見届ける事にある。

人は心理状態1つで心を崩壊させ、

1つの思い込み1つで悲劇を招く。

その悲劇を目撃したときあなたは

この運命をどう感じるのだろうか?

キャスト

門前家の長女で母親は戦後を代表した銀幕スターだった。

瓜二つといわれるが、偉大な母の前に苦悩もし、

母の運命に逆らえないさだめである

門前一草演じる木村佳乃

門前家の次女で幼少期は一草よりも才能があったが、

現在は一草のマネージャーで門前家の運命に

逆らうべく血の入れ替えを行うべく、

流しの歌手だった佳子を身請けする。

だがある運命を知って逆流に飲み込まれていく

門前理沙演じる中越典子

時を越えて人の営みを見守り続ける。

永遠の命を持った少女、

嵐の夜に立ち寄った門前家で無邪気に遊ぶ

一草と理沙の姿に惹かれ、

姉妹の人生をお手伝いとして見守る事にする

おろち演じる谷村美月

他の多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

100年に1度永い眠りにつき、

不老不死の体で人間の世界を彷徨う謎の美少女・おろちは、

29歳を過ぎると醜い姿に朽ち果て死んでいくという悲劇に

とり憑かれた門前家へ家政婦として潜りこむ。

現在は美しい姉妹がいる門前家だったが、

そこにはさらにもうひとつ大きな秘密が……。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとしておろちの存在は

やまたのおろちから来ていると考えた方が良いかもしれない。

正直このストーリーを通じておろちはあくまで傍観者であり、

運命を変えるという役割は担っていない。

そして真のストーリーは門前家の一草と理沙の2人の

数奇な運命を辿る事になるのだが、

元々この2人はどうして生まれ、

母の葵の娘なのは確かだろうが、

一体誰の子供なのかは判明していない。

シングルマザーの葵が育て上げた一草と理沙だが、

2人も門前家の数奇な運命に逆らえない中にいた。

実際ストーリーの序盤は葵が娘2人を育てながら

大女優として活躍する姿が描かれるのだが、

その母葵はある事に怯えていた。

それは29歳になると美を失い醜く腫れ上がる

遺伝子病と言うべき病気を抱えていた。

実際この病気はどういう病気なのかハッキリしないが、

人間は血を受け継ぐとその遺伝子も受け継ぐ訳で、

その遺伝子によってはガンで亡くなった両親がいたなら、

その子供もガンで亡くなるケースは少なくない。

そして同じ病気を受け継ぐケースも多い。

そう考えればこの遺伝子病は十分説明がつく。

アルツハイマーなどのケースも年齢が若くても

発症するケースもあり、29歳で葵が発症した

病気も年齢が若くてもそういう遺伝子病として説明できるが、

この病気はこの時代の医学では治す事ができなかったらしい。

そしてそれが葵の病気が発病した後で一草と理沙が

ある恐ろしい事を思い立つ。

その前に一草と理沙はその運命が迫ろうとしている時に

一草はその病気が発病するまで残された時間は少なかった。

もちろん理沙も・・・

その間の一草の心理状態は運命の恐怖に

支配され自暴自棄の中を迷走する。

それが次第に理沙に当たるなど

その状況をエスカレートしていた。

そんな中理沙はある娘を身請けする。

佳子という流しの歌手だったが、

実はこの佳子はおろちが深い眠りの間に

意識が乗り移っていた人物だった。

何故身請けすることになったのかは後ほど知るが、

そんな中に開かずの部屋からうめき声が聞こえた。

それは変わり果てた門前葵の姿がそこにあった。

そして葵は理沙に最後の言葉としてある秘密を告げるのだった。

一体その秘密は何だったのか?

そして一草と理沙の運命はどうなるのか?

その結末は劇場で観てほしいが、

人間って心理的に追い込まれてしまうと

自暴自棄になってしまうもので、

一草も理沙も実は2人とも自暴自棄の中で

ラストの悲劇を迎える訳だけれど、

確かにラストから逆算して2人の心理を考えると、

理沙もある意味自らのさだめに対して逃げられないと

悟ったのはわかる。

その嫉妬が一草に向けられてしまうのも

この心理状態なら無理もない事だろう。

一草も本当の事実をラストで知る訳だが、

2人とも運命から逃れる事ができなかった。

総評として血は争えないというけれど、

このストーリーは本当に血に逆らえない

呪われた悲劇を描いたストーリーだった。

途中で血の入れ替えという手段にも出たけれど、

確かに今の医学技術であれば骨髄移植で骨髄さえ

一致すれば血液型が変わる事はあるので、

もう少し時代が進んだ時であれば

この遺伝持病を治す事ができたのかもしれない。

病名がハッキリしないのでこれ以上は追及できないが、

悲劇を招く時にはその中に安心できる心理状況にない状態では

救えないという事を描かれた。

悲劇は繰り返すというけれど、

こういう悲劇からその悲劇を回避できたもかもしれないと思うと

2人の運命は残酷すぎた。

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