22日北京五輪野球の準決勝日本対韓国戦が行われ、

2対6で日本は韓国の4番李承ヨプの勝ち越し2ランに沈み

金メダルの夢は消えた。

試合は日本先発杉内投手、

韓国先発金広鉉の投げ合いで始まり、

初回に日本が4番新井選手の内野ゴロの間に1点を先制すると、

3回には3番青木選手のタイムリーで追加点を上げた。

しかし4回に韓国が5番金東柱のタイムリーで

1点を返すと日本は先発杉内投手を諦め

2番手川上投手が登板しピンチを抑えた。

その後6回まで両チーム無得点で迎えた

7回韓国は4番手藤川投手を攻略し、

代打李晋暎のタイムリーで同点に追いつかれ、

8回には5番手岩瀬投手が眠れる主砲

4番李承ヨプに痛恨の勝ち越し2ランを浴びると

日本はその後2失点し9回は反撃できず

屈辱の準決勝敗退で3位決定戦へ回ることになった。

これで日本は金メダルの夢を

2016年以降へ持ち越すことになり

韓国とのレベルの差がなくなった事を

痛感する歴史的な敗戦となった。
この試合は完全に星野監督の采配ミス!これに尽きる。

それだけ試合状況を把握する力に欠けていたという事だった。

短期決戦で過去星野監督は1度も日本シリーズを

制した事がない事もその勝負に対する甘さがあったという事だ。

ここまで黙って観てきたがこの試合に関しては

その完全な采配ミスについて書いていく事にしよう。

まず1つに編成的なミスが招いた先発投手の柱が固定できずに迷った事

アテネの時は先発3本柱の上原、松坂、和田投手を軸に

リーグ戦と決勝リーグを戦ったが、

北京では先発投手を7人入れてしまった事で

先発の軸が最後までハッキリする事がなかった。

先発の軸さえ決まれば

先発は日程的にも4,5人で回せるだけに

7人を入れた事で先発の軸が決まらず

ローテーションを変更してしまった事で

役割がハッキリしなくなってしまった。

アテネの時は先発6人リリーフ4人とバランスが良かったが、

今回は先発7人、抑え3人と中継ぎタイプが不在となり

先発投手が普段慣れない中継ぎを強いられる事になった。

WBCの時にも書いているけれど、

今の時代は役割分担を確りしたチームが

リーグや国際大会を制しているだけに、

日本の先発ありきの編成が

次第にチームの首を絞める結果になった。

簡単に言ってしまえば先発6イニング

残り3イニングを藤川、岩瀬、上原投手で

繋ぐありきパターンしかなかった。

これではこのパターンが崩れた時には

3人は使えず誰を使って凌ぐのかが見えてこなかった。

実際には川上投手と田中投手が

このポジションで起用されたが、

本来先発の2人にはこのポジションは相当酷な起用だった。

そうでなくても今大会投げた投手の多くは

先発から中2,3日でリリーフなどで

起用するケースが目立ち、

この時点で色々な画面を想定した戦いができていなかった。

リードされたら踏ん張れる投手が不在だった事が

ありき采配しか選択肢を無くしていった。

2つ効不調の見極めができず起用局面を誤る。

この試合においてはその顕著な状況がハッキリ出てしまったが、

通常短期決戦において不調の投手を拘って

起用するほど自らの首を絞める事になる。

その顕著な例が投手では岩瀬投手になってしまった訳だけれど、

通常短期決戦で2敗もしていた投手を起用する事事態大間違い!

それも予選リーグ最終戦の殆ど勝つ気がなかった

アメリカにあれほど打ち込まれたら

まず起用すべきじゃなかった。

しかも打たれたのが大不振で

日本でも2軍で悠々自適なセレブ調整をして

五輪前の5試合を原監督に調整させてもらっても

眠っていた李承ヨプに2ランを浴びる時点で

既に大不振だった事を証明した。

名監督という部類の監督なら絶対使わなかったであろう

岩瀬投手の起用は完全なる間違いだ。

短期決戦では好調な投手を中心に使っていくのが

セオリーであり、大会前に選出するのとは全く性質が違う。

確かに大会前に上原投手を選んだりした事で

物議を醸したが、それは大会全体において

野手では宮本選手投手では上原投手をリーダーにして

纏める役割と経験の必要性は短期決戦では

絶対必要な事なのでこれと同じに考えるのはまず間違いだ。

大会が始まったら好調な選手を積極的に起用し、

不振なら軸の選手でも使わない非情さがなければならない。

現実に上原投手は大会では本来の投球が復活した。

その反面ダルビッシュと岩瀬投手が不振で

思うような投球ができなかった。

それは既に序盤の予選リーグで十分見極められたはずだ。

それなのに大不振の岩瀬投手を起用した。

これが完全な采配ミスの1つだ。

打線については1,2番の西岡、荒木選手

4,5番新井、稲葉選手を軸にしたが、

打線構成並びに守備面についてもある意味疑問視する点があった。

アテネの時は外野はゴールデングラブを受賞している

谷、由伸、福留を起用し鉄壁の外野を形成し、

内野も宮本を軸に守備を固めた。

しかし今日のオーダーでもそうだが、

外野守備で守備力の悪いG・G佐藤をレフトで起用し、

負傷している西岡選手を指名打者で、

川崎選手をショートで起用するなど守備面のケアを怠った

通常指名打者は守備力の弱い選手の為のポジションであり、

ショートなら中島選手がいるわけだし、

サードも守備なら宮本選手を控えに村田選手を起用し、

外野は今季センターにコンバートされ

守備力が良くなった森野選手で固める選択をすべきだったのでは?

と感じる。

確かに多少の負傷でもというのはわかるが、

何の為の指名打者で

何の為にバックアップ要員を踏まえて選んだのか?


と問いたくなる起用だ。

それにこの日の先発マスクは矢野捕手と

国際経験の豊富な里崎捕手や阿部捕手じゃなかった。

それなら先発はセリーグの投手でと思うが、

杉内投手が先発なら何故同じリーグでプレーする

里崎捕手じゃないのか?

これを相性で選んだというならその根拠が必要だ。

どう考えても国際経験で上の阿部捕手か里崎捕手を

先発させるべきだったのでは?と感じた。

最後に昨年の日本シリーズで落合監督が

完全試合目前の山井投手に代えて

岩瀬投手を起用した事について

星野監督は「私なら続投」と言っていたが、

この時点で既に北京では情で負ける監督だったと

悟れた人はどれほどいただろうか?

おそらく落合監督を批判した方々には

それを察する事はできなかっただろう。

短期決戦ほど情を捨て勝負に徹する事を必要とする。

落合監督も1度情で負けた事を教訓に勝負に徹する事を学ばれた

星野監督はその失敗から学ばれる事はなかった。

それが短期決戦を制した監督との差でもある。

この10年で韓国とのレベルの差が

みるみるうちに縮まり

プロ対混合チームで敗れたシドニーから

プロ同士の戦いとなったWBCと北京で敗れた事で

韓国と日本の差は金銭的な部分と施設以外では

ほぼなくなったと言って良いだろう。

金メダルの夢は2016年以降に持ち越しになったが、

このリベンジのチャンスは7ヵ月後の

第2回WBCで待っている!

その時はイチロー、松坂投手を中心に

MLBでプレーする選手が合流できる。

そこで日本は韓国にリベンジするチャンスだ!

残りの1試合は最低限メダルを確保し

WBCへ繋げる試合にしてほしいと思います。

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