26日公開の映画「砂時計」を鑑賞した。

この映画は芦原妃名子原作の作品で

両親の離婚を機に母親の実家島根に越してきた主人公が、

島根で出会う親友と打ち解けるが、

母親が自殺してしまい、

心の傷を負いながら大人になり、

本当に居場所を見つけていくストーリーである。

昨年昼ドラで放送され異例の高視聴率を記録し

満を持して映画化されたが、

ストーリーとしてはある程度人生経験した人じゃないと

主人公の心理状況を察する事が難しいかもしれないが、

失って知る大事な場所と人を知る事になるだろう。
原作者のコメントを読んだけれど、

確かにこの作品って心理画写の複雑な作品だと思う。

家庭環境が離婚という暗い中にあるのに、

さらに母親の自殺というショッキングな出来事が襲い、

それが大人になってもその傷を引きずっていく。

こういう経験していくと生きることってとても辛い・・・

それでも生きなければならない訳だから

そのゆれる15歳前後と時を経て再び邂逅する

25歳前後の心理画写を綴りながら

レビューしていきたいと思う。

キャスト

両親の離婚で母親の実家である島根に越してきた。

そこで北村大吾、月島藤、月島椎香と

出会い大吾を好きになっていくが、母親が仕事で倒れて、

それが原因で自殺してしまい暗い影を

落として大人になっていく。

大人になってからは婚約者と再び故郷に来るが、

母親の自殺を言えずにいた

水瀬杏演じる少女期の夏帆、大人期の松下奈緒

越してきた杏にいち早く接して親しくなり、

次第に好きになっていく。

しかし杏の母親の死と父親との生活のために

東京へ行く事になり、別れてしまう。

大人になった杏と再会するが杏には婚約者がいた

北村大吾演じる少年期池松壮亮、大人期井坂俊哉

杏と大吾の親友で、妹の椎香とともに

島根時代は仲良くしていたが、

杏の東京へ行くと同時に東京の高校へ進学したが

ある事がキッカケで失踪してしまう

月島藤演じる塚田健太

藤の妹で大吾と杏の親友、

杏が東京へ行ってしまった後大吾に思いを寄せるが

杏に重いがある事を知り諦める・・・

大人になって杏と再会した時には

カナダへ留学していた

月島椎香演じる少女期岡本杏理、大人期番杏里

杏の母親で女手1つで杏を育てていたが、

実母に叱責され、

さらに仕事で倒れてうつ病となり

杏を残して自殺してしまう

植草美和子演じる戸田菜穂

杏の父親で杏を引き取り東京で

一緒に暮らす水瀬正弘演じる風間トオル

杏の婚約者で結婚後シアトルで

一緒に暮らすはずだったが、杏の事実を知り・・・

佐倉圭一郎演じる高杉瑞穂

杏の祖母で美和子の母、

美和子が離婚して戻ってきた時に叱責してしまい、

美和子が自殺した時にその言動を悔やむ

植草美佐代演じる藤村志保

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

14歳の水瀬杏は、両親の離婚により、

東京から母・美和子の実家である島根県に移る。

当初は田舎独特の雰囲気と祖母の美佐代に馴染めないが、

近所に住む同い年の大悟や藤、椎香と出会い、

徐々に自分の居場所を見つけていく。

そんな中、人生に疲れ果てた母が杏を残して自殺。

杏は直前に自分が言った「頑張ろうね」

という言葉が母の負担になったのではと、

悲しみと後悔に暮れる。

そんな杏を大吾は

「おれが、ずっと一緒におっちゃるけん」

と力強く抱きしめるのだった。

あれから12年。26歳になった杏は

婚約者の佐倉と東京で暮らしていた。

そして、同窓会に出席するため、

数年ぶりにあの懐かしい街を訪れる。

初恋の人・大悟が住む島根の街に……。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして12年の月日を巡る

このストーリーはとにかくショッキングな

出来事で幕を開ける。

冒頭で両親の離婚から始まり、

14歳の少女にとって何が原因でも

離婚してしまうのは思春期で難しい年齢だ。

そして戻ってきた母親の故郷で母親美和子と

一緒に頑張ろうと言うが、

戻った美和子は実母の美佐代叱責させられ、

確りせいと言われ美和子はただですら

追い込まれているのにさらに追い込まれてしまった。

杏はそこで運命の人である大吾と出会い、

さらに親友になる藤と椎香とも出会い打ち解けていくが、

母親は突然失踪してしまい、

自殺しているのが発見され、

杏はさらに心のよりどころを失ってしまう。

ここで杏は母親の慰霊に向かって「弱虫!」と叫ぶが、

この年齢の杏では母親の心境を理解するのは難し過ぎた。

ここで振り返ると母親の美和子は夫の正弘の事業失敗で

離婚する事になったが、

ただですら心は追い込まれており、

普通以上に頑張らなければならない状態だ。

しかしその状態で頑張っているのに

さらに頑張れというのは言う人にはわからないが、

言われる本人はこれ以上どう頑張れというのか?

と心の崖寸前まで追いやってしまう事になる。

私も経験あるけれど、

頑張っても頑張ってもこれ以上

限界という事があるんだよね。

その中で苦しいのにさらに頑張れと

言われてもじゃあ限界なのにどう頑張れと?

人には当然限界値というのがあるんだけれど、

人にはそれが何処なのかわかる人は非常に少ない。

無論私も人の限界値を全部知る訳じゃないし、

その人にとって何処が限界値なのか

察する事は困難だったりする。

この言葉って追い込まれている状態なのに

そこから崖に突き落とす言葉になっちゃうんだよね。

人には向き不向きがあって不向きなものを

いくら頑張ってもできる能力は

どうしても限られてしまう。

私も不向きな仕事をしていた時には

何をどう頑張ってよいのか

わからなくなってしまった時があった。

その時に頑張れとかやる気あるのか

という言葉を掛けられてしまうと

何をどうしたら頑張れるのか、

そしてやる気はあるのに空回りしてしまう

状況で心が次第に追い込まれてしまい挫折した・・・

人にはその時の状況に応じて必要な言葉があるんだよね。

そこで言葉を間違ってしまうと

その人を追い込んでしまう事がある。

特に年配の人って根性論で頑張ってきた人が多く、

頑張ればどうにでもなるという

理論を振りかざす人がいる。

しかしそれは時代遅れの論理で

本当に必要なのは時代に沿った言葉なのだと・・・

私自身はなるべく頑張れという言葉は使わない。

それは普通にその人は頑張っているのだから、

そこで人をどう信じてあげる事が

必要なのかという事だ。

仕事において頑張るのは普通、

しかしそこでさらに頑張れという事は逆効果だ。

特に忙しい仕事の場合はなおさらで

それが人を潰す事がある。

しかし言っている人にはそれがわからない。

それが優秀な人とそうでない人を分けるのかもしれない。

私自身何でも屋になってしまったが、

何でも屋ってあまり得しない、むしろ専門屋になれ、

と私は常に言っている。

話を戻すけれど、

杏は母親の自殺で深い心の傷を負うが、

大吾や藤、椎香と接する事で

その傷は表に出る事は少なかった。

しかし父親が向かえに来た事で状況が変わり、

近くにいた大吾と離れ離れになり、

将来を誓ったはずだったのに、

心の傷が再発してしまい杏は

これ以上大吾に自分を背負わせたくないと

想い別れを告げて東京へと去った・・・

そして10年後杏は東京で知り合った

婚約者の佐倉と共に母親の墓参りと

結婚の報告で故郷に戻ってきた。

しかしまだ佐倉には母親の自殺を話していなかった。

しかし大吾と再会し、

預かっていた砂時計を渡されると

大吾から祝福の言葉を受ける。

しかしその時杏は別れた時の心境を振り返りながら

10年前を思い出していた。

そして東京に戻った杏は故郷の事が

ずっと引っかかっていた。

それを察した佐倉は母親の自殺の事を知り、

言わなかった杏を責めて、

婚約解消を告げるのだった・・・

正直杏の気持ちは母親が自殺したという事を

正直に告げていたら佐倉はその事を受け入れただろうか?

いや神経質な性格の佐倉では受け入れなかっただろうと

察したからこそ言わなかった。

人には例え結婚する人に対しても

言いたくない事ってあると想う。

それは多分結婚する相手は何かの隠し事があるのでは?

と思うんだけれど、

もしそれを知ったとして

結婚する相手への気持ちは変わってしまうものなのか?

もし変わってしまうのならそれは本当に

その人の事を受け入れ切れていなかった

という事にはならないだろうか?

このケースだと母親は自殺したかもしれない。

でもそれと君は違う。

それが事実でも君を受け入れる

という言葉があっても良いのでは?と思う。

それが受け入れられなかった佐倉という男は

心の小さな男だったという事だ。

それは相手が殺人犯とか薬物依存症の人だったら

それは仕方ない苦渋の選択となるだろうけれど・・・

結婚を誓ったはずの佐倉に捨てられた

杏は12年前の美佐子の心理状況に

陥ってしまい失踪してしまう。

果たして杏の運命は・・・

結末は劇場で観てほしいけれど、

杏にとってこの12年間って

とても重い十字架を背負って生きた期間だったと思う。

1度は大吾と別れを選んだのも

こんな自分では大吾の重荷になってしまうと

いう心理状況に陥ってしまったからであり、

心の傷は多くの恋愛を重ねても癒される事はなかった。

しかし数多くの時間を経て辿り着いたのが

全てを受け入れてくれた大吾だった。

大吾も14歳の時に杏の辛い状況を観ていたからこそ

その事を理解し受け入れる気持ちを決めていた。

それは12年の月日を経ても変わる事がなかった。

本当に杏を愛した人はそれだけ

杏を受け入れる心を持った人だったというのが

このストーリーだった。

総評として、人には秘密にしたい事や

心の傷を負っていたりする事もある。

しかしその全てを受け入れる心があるか?

と言われたらあなたはあるだろうか?

本当に人を愛すという事は

その人の人生を受け入れるという事を

この砂時計から教えてくれた。

愛する人を受け入れる事に迷っている人は

砂時計を観て読んで人を受け入れる

という気持ちを理解してほしいと思います。

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